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「子ども観の戦後史」野本三吉 現代書館 2007年 ⑦ [読書記録 教育]

「活字文化の成立史が大人社会を変え,そうした活字文化を生きるために子ども期が
 必要となり学校教育がつくり出されることになった」


今回は、3月11日に続いて、野本三吉さんの
「子ども観の戦後史」の紹介 7回目です。


出版社の案内には、



「敗戦以来、日本人の『児童観』はどのように変化したか、子どもを把えた戦後の書籍を
 通し、子どもを取りまく社会現象の変化の中での子どもを見る眼、子ども自身の生活の
 変遷を追ってみた。社会構造の変化を通した人間関係の変遷の中での子どもの変容をみ
 る。」




とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「一人前の基準 ①労働   ②婚姻 生殖能力   ③協調性」


・「(大人と子供の違いは)情報量の差」
- 現在のスマホ時代には…

   ↓

・「子ども期が消滅していくとすれば,子ども期の発見と共に成立した『学校教育』
  も不必要となる」(…かもしれない)


・「寺本潔『子ども世界の地図』黎明書房1988 迷宮~隠れ家、秘密基地、怖い場所」
- 確かに「隠れ家、秘密基地、怖い場所」の重要性を感じます。




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☆「子ども観の戦後史」野本三吉 現代書館 2007年 ⑦

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◇子どもはもういない

□「子ども」と「大人」の区別

 肉体的・精神的に未熟な人,未完成な存在


 柳田国男 
   「おとな」は「一人前になった人」


 平山和彦 
   一人前の基準
① 労働

     ② 婚姻  生殖能力

     ③ 協調性




  見習奉公,徒弟制度,若者宿,娘宿



□境界が見えなくなった

 ニール・ポストマン『子どもはもういない』
  大人側の大きな変化
      15世紀半ば 活字組み替え可能「印刷機」発明

        ↓

  活字文化の成立史が大人社会を変え,そうした活字文化を生きるために子ども期
 が必要となり学校教育がつくり出されることになった
 
  = 情報量の差

 ・1850~1950 
     子ども期の絶頂期

 ・1832 モールスの電信技術
     → 子ども期の消滅




□映像メディアの発達と子ども期

 抽象
  → 具体的なものへ


 テレビは子ども期と青年期の境界線を三点に渡って突き崩す
① 方式の理解が必要ない

    ② 複雑な要求をしない

    ③ 視聴者を選ばない

  ※ 秘密がなければ子ども期は存在し得ない

     ↓

  大人による情報の占有化・管理化が崩れてくると両者の境界がなくなってしまう


 「子ども大人」の存在
  「大人のような子ども」と「子どものような大人」



 子ども期が消滅していくとすれば,子ども期の発見と共に成立した『学校教育』も
不必要となる






 

◇世界体験の様式と構造

□「大人」になる時期
     
 『子ども体験』村瀬学,大和書房1984
  13歳が転換期 - 13歳のパスポート

自然性(子ども)と共同性(おとな)

「自然性優位の子ども」から「共同性優位の大人」へ




□「吸う」こと「噛む」こと




□子ども固有の世界体験

 「遊び」の世界と「迷宮(迷路)」への関心



 寺本潔『子ども世界の地図』黎明書房1988
「迷宮」~「隠れ家」「秘密基地」「怖い場所」



異境で遊ぶこと


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