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「常識人の作法」加藤秀俊 講談社 2010年 ② [読書記録 一般]

「いわゆる国民の声を作るのはこの亜インテリ階級だ」




今回は、3月18日に続いて、加藤秀俊さんの
「常識人の作法」の紹介 2回目です。


おもしろさを教えてくれる加藤さんの本。
新鮮な「学び」ができます。




出版社の案内には、


「『あたりまえ』をくつがえす異端の社会学!理路整然、博覧強記、痛快無比。社会学の泰
 斗が『世の変な常識』に挑む書き下ろしエッセイ集! 歴史、民俗、風土などさまざまな
 角度から現代の世相を鋭く分析」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「サクラの開花は開花宣言?」
- テレビ番組で「気象情報」があまりにショー化していないかと思ってしまいます。
  淡々と、要点だけを伝えてほしいとわたしは思います。 


・「もと桜の開花は庶民の季節感覚の問題 ~ 風雅   → 官僚」
- どこまで「公」が家庭の中に入ってきてよいのか?
  家庭、家族、個人は「公」のものか?
 「虐待」「体罰」の報道を見聞きすると、いろいろなことを考えてしまいます。
 

・「興趣や美学を科学がいじくりまわす風潮
『宵のうち』→『夜のはじめごろ』に置き換えた」


・「国会論戦のヤラセ
 ~ 役所の担当者より仕入れ
  脚本のお膳立ては各省庁の役人」




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☆「常識人の作法」加藤秀俊 講談社 2010年 ②

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◇科学と感性

□体験としての自然   
  
 サクラの開花は開花宣言?



□開花宣言の不思議  

 1951~ 標本木
   マスコミの姿勢は正しいか?



もと桜の開花は庶民の季節感覚の問題 ~ 風雅
   → 官僚
公式主義の恐ろしさ

   「春一番」もと漁民 ~ 春先の海上での強風

   「木枯らし一号」    美学を科学用語に翻訳するおかしさ


 
□梅雨のあとさき 
 
「梅雨入り」「梅雨明け」

梅雨 … もとは西日本を中心とした日本の農事暦と機内の風雅が結びついて、できあ
     がった一種の「季語」のようなもの

 → 1年の中でやや雨の多い時期に



□失われた美学  

 気象庁・マスコミ各社 
  ~ 初雪 春一番 桜前線



□大陸生まれの節気に新暦・旧暦がゴシャゴシャ

 気象庁は安倍清明にさかのぼる陰陽師の現代版



興趣や美学を科学がいじくりまわす風潮
「宵のうち」→「夜のはじめごろ」に置き換えた

 ※ 現在はしていない 
   メディア  発表 → 宣言として






◇演劇化する現代

□「ヤラセ」の構造 

 ヤラセは日常茶飯事


 グルメ番組

 ~ 取り上げるからおいしくなる 

いかにおいしいか強調 = ヤラセ ヤラセは嘘の固まり



□原稿棒読み 

 国会論戦のヤラセ

 ~ 役所の担当者より仕入れ

脚本のお膳立ては各省庁の役人

官僚群は日本国を動かす



□振り付け・根回し 

 株主総会とヤラセ 
   質問はサクラ



□演技する社会 

 コマーシャルは「ヤラセ」の連続
   嘘を承知で見ている


 サム・S・べーカー(米国人「許される嘘」1968)


「イベント」も「ヤラセ」の連続
   結婚式も







◇半端なエリート

□「エリート」対「マス」


 ラスウェル
 「エリートとは権力を持っている人間のことである。そうでない残りはマスである」

 ・エリート(えらい人) 
    選良,高級官僚,法の番人,マスコミ(第四権力)

 ・文字階級の歴史 
  「近つ飛鳥博物館」南河内

  日本最古のお役人は大陸で訓練を受けた外国人グループ
「文字が分かる」=エリート
文字のない時代の学問「考古学」

文字以後「歴史学」


 大新聞 かな文字→小新聞


□学歴と社会変動 

 人口の半分が大学出



□「亜インテリ論」再考 

 半端なエリート(学卒50%)

 「いわゆる国民の声を作るのはこの亜インテリ階級だ」


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