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「子ども観の戦後史」野本三吉 現代書館 2007年 ⑨ [読書記録 教育]

「僕らが生きていると実感できるのは,他者との関わりを通してである。他者との信頼関
 係の中で,他者にとって大切な存在であることを確認できて初めて僕らは安心して行動
 することができる。その最も基本的な部分を失ったまま,現代の少年は生きているのか
 もしれない。」








今回は、3月17日に続いて、野本三吉さんの
「子ども観の戦後史」の紹介 9回目です。


出版社の案内には、



「敗戦以来、日本人の『児童観』はどのように変化したか、子どもを把えた戦後の書籍を
 通し、子どもを取りまく社会現象の変化の中での子どもを見る眼、子ども自身の生活の
 変遷を追ってみた。社会構造の変化を通した人間関係の変遷の中での子どもの変容をみ
 る。」




とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「消滅した家族と信頼性  - 安心感と信頼感」


・「自分の内的世界の拡大
→ 単純な他者の言葉や行動に対して自分が思いもかけぬ反応や行動をしてしまうこ
   とになる」


・「関係の豊かさ,関係の成熟を!」



先日、妻と西遠地方の観光地巡りをしました。
掛川城、大日本報徳社、可睡斎の雛祭り、ヤマハコミュニテイセンターへ。
楽しめました。

○掛川城と大日本報徳社
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○可睡斎の雛祭りと東司
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○ヤマハコミュニテイセンター
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☆「子ども観の戦後史」野本三吉 現代書館 2007年 ⑨

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◇いじめの構造

□いじめられた体験



□いじめの民俗学的背景

『いじめと民俗学』礫川全次・田村勇編著 批評社 1944


森田洋司(大阪市大)

「いじめとは,同一集団内の相互作用過程において,優位に立つ一方が意識的に或いは
  集合的に,他方に対して精神的・身体的苦痛を与えることである。」


 民俗学的5要素
① 供犠 共同体の危機

  ② 祝祭(祭祀) |

  ③ 制裁 クラス共同体の安定を保とうとする行為

  ④ 差別

⑤ 嗜虐



 




◇分裂症の時代と子ども

□消滅した家族と信頼性  

 安心感と信頼感



□社会と自分との深い断層

『少年Aの深層心理』矢幡洋著 青弓社 1998

 自分の内的世界と外部の世界との対立



自分の内的世界の拡大

→ 単純な他者の言葉や行動に対して自分が思いもかけぬ反応や行動をしてしまうこ
   とになる

  = 自分で自分をコントロールできなくなってしまう



□完全なる所有・完全なる支配

 自分自身の独自性,ユニークさに固執



他者に脅威を与える理想


「透明な存在」
ありのままに受け止めるのではなく,「ありうべき理想像」の枠の中に入れ込むこと
 に夢中になって子供たちを見ていないことに対する表現



「僕らが生きていると実感できるのは,他者との関わりを通してである。他者との信頼関
 係の中で,他者にとって大切な存在であることを確認できて初めて僕らは安心して行動
 することができる。その最も基本的な部分を失ったまま,現代の少年は生きているのか
 もしれない。」



     現代社会そのものが分裂症的状況



関係の豊かさ,関係の成熟を!

 






◇依存から独立への転換期

□子どもの言い分,大人の言い分



□子どもをどう見るか

 野口春哉 整体教室 ~ 身体の歪み偏り

『叱言以前』1976 『叱り方ほめ方』1970 『躾の時期』1970全生社



 注意を向けてほしいから叱られることや悪戯をする
(子どもの依存)



依存から独立へ



□模倣と自由への欲求

 独立期 - 自由を求める


気の充実- やる気をいかに喚起するか


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