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「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ③ [読書記録 一般]

今回は、5月13日に続いて、谷沢永一さん・渡部昇一さんの
「詠う平家 殺す源氏」3回目の紹介です。



出版社の案内には、


「『平家物語』で現代社会に通じる日本人のアイデンティティを再発見する きらびやかな
 印象のある『平家物語』は、戦乱と権力の構図を浮き彫りにした日本人論である。本書
 は平家物語を題材に、朝廷、平氏、源氏に見る権力の流れや、人間 の欲望、甘さ、残
 酷さなどを、二大論客が鋭く語る。」


とあります。


なるほど、なるほどと頷いてしまう本です。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「日本人の記録に対する情熱は圧倒的だ」


・「九郎判官のことはくはしく知りて書きのせたり蒲の冠者の事はよく知らざるけるにや
多くのことどもしるしもらせり」


・「平家物語が日本人に植え付けた『畏れ慎む心』」






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☆「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ③

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<物語創作の「謎」に迫る>

◇誰がどのように著したか

□集団による綿密な文献と現地踏査が為された創作

中心は信濃前司・中山行長

正史でもなく宮廷文学でもない在野の物語

慈円の庇護 慈円の父は関白の藤原忠通

  構成に向かって語りかける物語



□ロッキード裁判の真相は闇の中



□ネタ本は「吉記」「玉葉」「百練抄」



□日本人の記録に対する情熱は圧倒的だ



□9箇所も似ている記述がある「六代勝事記」
   後鳥羽上皇の院政への批判

  慈円の元でタネ 仕上げは一人



□吉田兼好「徒然草」226段

「行長入道平家物語を作りて生仏といひける盲目に教へて語らせり」

「九郎判官のことはくはしく知りて書きのせたり蒲の冠者の事はよく知らざるけるにや多
 くのことどもしるしもらせり」








◇創作のカギを握る慈円の微妙なかかわり

□「愚管抄」と「平家物語」との間に横たわる謎

  「愚管抄」は「平家物語」を参照した


内藤湖南 日本史学史は5冊で足りる

  「大鏡」「愚管抄」「神皇正統記」「読史余論」「大勢三転考」
慈円は「平家物語」を批判している


 □平家物語が日本人に植え付けた「畏れ慎む心」


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