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「家族学ことはじめ」小此木啓吾 講談社 1999年 ⑨ [読書記録 一般]

「今の日本  
 = 眼前の自分自身の生活と人生を考えることに精一杯で,子供のことや子孫のことま
  で考えるゆとりを失っている。」




今回は、6月2日に続いて、小此木啓吾さんの
「家族学ことはじめ」9回目の紹介です。




出版社の案内には、


「人生の大半を一緒に過ごし、日常の悩みや喜び、将来の不安や希望をともにする家族。
 その形態は、時代とともに変化しているため従来の家族意識には歪みが出ています。長
 年精神科医として活躍してきた著者のこれまでの新聞、講演などからわかりやすいエッ
 センスを抜き出し、家族という小さな共同体の中でのそれぞれの役割の重要性を具体的
 に教えてくれます。」



とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ホテル家族・幻想家族」


・「視界ゼロ家族論」


・「みんなが自分のことしか考えられない『個』になっていく不安とモラトリアム国家の
  崩壊というのが今の日本の特徴


・「和 = 首輪の輪」


・「自分のことしか考えられないアメリカ社会」



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☆「家族学ことはじめ」小此木啓吾 講談社 1999年 ⑨

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◇これからの家族(1)

□生老病死の舞台は家庭



□Doing精神



□家庭のない家族  

 ホテル家族・幻想家族



□「モラトリアム国家日本」の行方



□視界ゼロ家族論
 人々の居住場所とか帰属意識とかよい人間関係とか,そういうものが失われ、皆が根無
し草みたいになっている。



 いろいろなものに属していた自分が失われ,どこに自分の身を置いていいか分からない
不安感が大きくなる。



□「モラトリアム国家日本」の行方

 日本人「和を以て貴しと為す」

和 = 首輪の輪

「個」になれない → しかし,そこに安心感

↑↓

 みんなが自分のことしか考えられない「個」になっていく不安とモラトリアム国家の崩
壊というのが今の日本の特徴



□モラトリアム国家日本

 ① アメリカからモラトリアムを提供され今日の繁栄を享受

② モラトリアムの状態にある人々を大事にし,平等に扱うとい社会福祉的な側面を持
  った国という意味でのモラトリアム国家



①②両方の危機の時代


↑↑↑↑↑↑↑↑↑

 国際社会はモラトリアムを認めてくれない

 ↓

 日本の精神的主体性 = アイデンティティが回復必要



□次の世代に何を残すのかを考えて

 不安
 ~ 戦後五十年間私たちが頼りにしてきたものの考え方や社会のシステムに対する信頼  
頼を失い始めているから



「ジェネラティビティ」を失う

 = 次の世代を産み育てる心



○今の日本  

 眼前の自分自身の生活と人生を考えることに精一杯で,子供のことや子孫のことまで考
えるゆとりを失っている。

(例) ① 地球温暖化

   ② 少子化

「ジェネラティビティ・クライシス」

 
 心のよりどころである企業の変貌


 自分のことしか考えられないアメリカ社会                     
(アメリカ風個人主義)

↑↓

しかし,日本人は常に外のものに頼りお互いに依存しあいながら、また,それを生き甲
斐にしてきた心の習慣を持っている。


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