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「日本の大課題 子どもの貧困」池上彰 ちくま新書 2015年 ③(最終) [読書記録 教育]

「『教育の力』だけが負のサイクルを断ち切る」







今回は 6月 3日に続いて、池上彰さんの
「日本の大課題 子どもの貧困」3回目の紹介 最終です。



出版社の案内には、

「社会が大きく変化するなかで、『家庭』で育つことができない子どもが増えている。貧
 困、虐待、DVなどの理由により、家庭から隔てられた子どもは、健康や学力の面で不
 利を強いられる。その数およそ7万人。経済格差が極まりつつあるいま、世代間連鎖を
 断つために『社会的養護』の必要性が高まっている。『子どもの貧困』の本質を映しだ
 す児童養護施設の現場から、問題の実態をレポートし、その課題と展望を明快にえが
 く。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「目的『よき納税者を育てる』」


・「信条『あきらめない みすてない』」


・「多重逆境
 -  貧困 経済的困窮 親の精神疾患 不利な学歴 ひとり親家庭」


・「入所児童の75%が両親の離婚」




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☆「日本の大課題 子どもの貧困」池上彰 ちくま新書 2015年 ③(最終)

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◇対談を終えて 池上彰

「一部の人達が昼夜を問わず献身的に働くことでかろうじて成り立っている児童養護施設、
少数の篤志家が私財を投げ打って維持してきた児童養護施設。よくもまあここまで来た
ものだ。しかし、果たしてこれは持続可能な制度になっているのだろうか。」

 

□新潮流 

 グループホーム

 目的「よき納税者を育てる」



□「教育の力」だけが負のサイクルを断ち切る
  
 自助 公助 共助 







◇あきらめないみすてない 高橋利一
 
 社会福祉人に求められているもの
  
   信条「あきらめない みすてない」 
 






◇子どもの現実 池上和子

「貧困と児童虐待は相関関係にある事象」 

1.子どもの貧困の現状

児童相談所の一時保護 - 虐待相談家庭の厳しい状況

一時保護501件中(数字の元は不明=ハマコウ)
生活保護 19.4%

非課税を合わせると 44.8%

学歴   母 中卒51%  高卒40%

父 中卒39%  高卒39%



2.多重逆境

多重逆境

  -  貧困 経済的困窮 親の精神疾患 不利な学歴 ひとり親家庭

 ① 貧困、借金、金銭的逼迫


 ② 子どもの虐待 児童保護


 ③ 家族の暴力 DV


 ④ 親の疾病 障害


 ⑤ 親の物質乱用(薬物 アルコール シンナー ライターなど)


 ⑥ 親の精神疾患


 ⑦ 親の留置服役


 ⑧ 親の犯罪、反社会的行動
 
□児童施設に置ける多重逆境の問題

イギリス 多重逆境の家庭の子ども 国全体で2% 14万人
 

□見えない貧困 - 生活保護につながらない家庭

 37.9% A児童施設


□家庭のパターンと親との別れ


□親を失う経験


□精神的に追いつめられる母親たち

 入所児童の75%が両親の離婚
 

□A児童養護施設入所児童の逆境的状況
 
 生活保護   37.9%

親の離婚 75%

母精神疾患  48.3%

死別(父、母) 20.6% 

拘留     24.1%

DV     29.3%

 母の学歴   中卒38.5% 
 

□学歴の背後にある問題


□母親の精神疾患の深刻さ


□データに表れない父親


3.国際的動向

イギリスにおける子どもの貧困への視点
リスク6倍







◇多重の喪失と分離 池上和子

 統計では把握できない問題


生活の連続性の喪失


思い出の喪失


環境の困難により発生する養育の混乱







◇教育ネグレクト

剥奪的な養育環境が学習に及ぼす影響
イギリス・ルーマニア養子研究(ERA研究)
ラター 1990~1992 ルーマニア孤児の研究







◇親の問題とどう取り組むか 池上和子

1.入所児童の親が抱える心理的問題 

  関係を結ぶ困難



2.親をめぐる心理的問題



3.実の親との心理的問題

  親とコンタクトをもつ意義



4.親とのコンタクトに必要なアセスメント
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