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「過去への旅」小此木啓吾 近代文芸社 1996年 ③ [読書記録 一般]

今回は、7月5日に続き、小此木啓吾さんの
「過去への旅」3回目の紹介です。



出版社の案内には、


「『過去への旅』それは思い出という心の財産と再会し、心をより豊かにする旅である。
 精神分析医の権威である著者が、自らの幼少期の体験を通して自我の確立を探り、現代
 社会の身近な課題についても考察する。」



とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「過保護で,一人ひとりの子供を大事に育てて王子さまお姫様のような温室育ちの子供
 が増えていることがいじめの元凶」


・「いじめを受けた際の反撃の仕方を心得ないケンカのできない人間が増えている」


・「ハト社会の裏側に潜む人間の攻撃性が陰湿ないじめをつくり出している」


・「 村八分にするくらいの心構えが必要」


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☆「過去への旅」小此木啓吾 近代文芸社 1996年 ③

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◇いじめの心理

□その社会的背景とサディストたち




□現代の若者の中には,あまりにも攻撃に対して力弱くひ弱の増加

「そのような子供たちに対して,学習も職場も温室で,ちょっとでもよくない環境があっ
 たら,その環境の方が悪いと,頭にカッカときて,教師や職場を訴える親が増えている」






□社会的背景

1 過保護で,一人ひとりの子供を大事に育てて王子さまお姫様のような温室育ちの子供
 が増えていることがいじめの元凶


2 世の中が平和で人権が大切にされているために,どうしてもそれを侵害されたり脅か
 されたりするような迫害,いじめは,たちまち大きな反響を引き起こす


3 いじめを受けた際の反撃の仕方を心得ないケンカのできない人間が増えている

  ハトになれハトになれ言われているので襲われた時,つつかれた時,突然ワシになっ
 たりタカになったりすることができない心理構造



ハト社会の裏側に潜む人間の攻撃性が陰湿ないじめをつくり出している
 ※ドイツ・精神分析学者 アレキサンダー・ミッチャーリッヒ
「攻撃性は人間の本性であるという事実を抑圧することなしに人々が素直に認めた上で
  の平和論でなければ役に立たない」




□いじめる側のパーソナリティ

1 いじめる側に苦痛の実感が欠けている 本人が善意の場合も…


2 いじめる人が正義の味方になってしまう

  自分たちは正義の味方だと思いこみ相手を悪者だと思いこむと容赦ない迫害と攻撃を
 向けることができる


3 いじめを楽しむ諧謔者(サディスト)たち

自分にとっての弱い人を見出してはいじめを繰り返す



村八分にするくらいの心構えが必要


4 密かないじめ

相手を無視したり,誰も口をきかなかったり,困っているのに助けてあげなかったり
 消極的ないじめである



  見かけ上は穏やかに見せかけて,裏では消極的ないじめをし続ける


5 特定のAとBの間に起こるいじめ

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