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(1)キーワード「レクリエーション」 ⑧(最終) (2)「幸せになるための学校」松崎運之助①【再掲載 2011.5】 [読書記録 一般]

「その保母さんはニコニコと笑って、声をかけてくれるんです。そしていつも
 『いらっしゃい、いらっしゃい』
 って、保育園の庭の奥の方に桜の木があるんですが、そこまで連れていって、エプロン
 のポケットからちり紙に包んだおやつの残りを渡してくれるんです。
 家に帰って食べなさいね。仲良く食べるのよ、けんかしないでねって渡してくれました。
 そして、その保母さんがその後で必ず言ったことは、他の先生にはないしょだからね。
 他の先生には言わなくっていいのよって、それだけ念を押していました。
 そして、腰をかがめて私の目をじっと見つめながら、
 『がんばるのよ』
 って、一言おっしゃった。この一言でどれだけ救われたかわかりません。」







今回は、8月3日に続いて、わたしの教育ノートより、
キーワード「レクリエーション」でまとめたものの紹介8回目、最終となります。



気分転換のゲーム、
うまくいくと、学級にあたたかなものを届けてくれます。



学校ばかりではなく、いろいろな時にいろいろな場所で楽しむことができます。




もう一つ、再掲載となりますが、
松崎運之助さんの「幸せになるための学校」②を載せます。
夜間学校の生徒さんから学ぶことは大きいと感じました。







浜松出身の女性講談師・田辺一邑さんの第11回独演会が8月18日(日)14時より、
浜松駅近くの浜松市地域情報センターホールで開かれます。
今回の演目は「青山士」他一席です。ゲストもいらっしゃいます。

青山士(あおやま あきら)さんは、静岡県磐田市生まれの土木技術者。
パナマ運河建設に関わった方として、知られる方だそうです。
不勉強なわたしは失礼ながら存じ上げませんでした。
楽しみです。

詳しいことは以下のサイトをご参照ください。
※浜松市文化振興財団のサイト
https://www.hcf.or.jp/calendar/detail.php?id=23106

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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。

浜松ジオラマファクトリー





(1)キーワード「レクリエーション」 ⑧(最終)

◇しりとり絵描きゲーム
    
 一チーム5~6人

円陣もしくは縦隊

用意:画用紙 サインペンをチーム数

バトンの代わりにサインペン

リーダー テーマの末尾の字で始まるものの絵を描く




 リレー(一人三分交代)
15分ぐらいの制限時間で

できるだけ多く書けたチームの勝ち







◇対抗ゲーム 
 
□お縮みさん

 二人一組で向かい合う

 ジャンケン
     勝者は敗者の頭を手で押さえ5㎝下げる

敗者はそのままの姿勢でジャンケン



早く姿勢が崩れた方が負け



<お開きさん>
  足を左右に開いていく








◇チャレンジランキング 
 
 ① 登り棒しがみつき 


 ② フラミンゴ(目隠し片脚立ち) 


 ③ バック走50m


 ④ けんけん50m  


 ⑤ 駆け上り(階段)


 ⑥ カエル








◇遊びのリーダー
  
 ① みんなを見渡せる位置に立つ

 ② 明るい表情と大きな声で話す

 ③ ほめながら盛り上げる
    「○○班うまい!」

 ④ 説明は短く,少しずつやりながら

 ⑤ 隊形作りも遊びでやる

 ⑥ みんなを集中させる 
    「数拍手」ポンポン

 ⑦ 遅れた人・グループを援助する







◇学校ギネス

 案山子  
   鉢巻き → どれだけ立っていられるか


 正座   
   頭の上に玉を載せる


 紙飛行機
   広告で作って距離を比較







◇学級開きゲーム
 
□自己紹介ゲーム 
  5分(前の人を入れながら)



□並び競争 

 背の順,誕生日の早い順,家から学校まで遠い順,名前の画数が少ない順








□ジャンケン
 
 ①ジャンボジャンケン  
   身体全体を使ってグーチョキパーを表現しよう


 ②ロンドン橋

  ダイナミックなゲーム化 両手十秒 片手十秒 ジャンケン勝負








◇新聞紙パフォーマンス
 
 発問  新聞紙を使って楽しくできる運動を四つ言いなさい

1 尺取り虫

2 胸において走る   落ちないように

  3 片手につけて走る 落ちないように

  4 スケート等






◇掛け算ビンゴ
┌─┬─┬─┐ ① 九マスの中に九九のある段の答えを自由に書かせる。
│6│27│ 21│ ② 教師が「三五」と言うと子供たちに「十五」と言わせ,自分の
├─┼─┼─┤  マスの15の上に×を書かせる。
│18│ 3│ 15│ ③ 4回言う
├─┼─┼─┤ ④ 3つ×が並んだら「ビンゴ」と言って立ち上がる
│12│24│ 9│ |
└─┴─┴─┘ その人は勝ち







◇体育ゲーム・バコバコ
 
□準備  

 段ボール箱4個以上(大きさいろいろ)  

サッカーボール(人数分)
 


□概要  
 ① クラスを2チームに分ける

 ② キックインから段ボール箱

 ③ 体育館で

 ④ 自分でボールを取りに行く

 ⑤ キックインに戻るときはコートの外を通る

 ⑥ 段ボール箱付近 → 教師がひろう

 ⑦ 制限時間内に段ボール箱を相手側に多く移動させたチームの勝ち














(2)「幸せになるための学校」松崎運之助①【再掲載 2011.5】

◇朝の儀式

 当時、私は学校へ行く前に妹と弟を保育園に連れて行っていました。今でも覚えていま
すが緑が丘保育園というところでした。


 そこに預けて私は小学校に行っていたんです。
 
 学校に行くと先生はすぐ

「はい、手を出しなさい」

と衛生検査みたいなことをするんです。

 何かというと、爪の検査です。爪がちゃんと切ってあるかどうかという検査なんです。

 家には爪切りなんてないですから、私の爪はいつも伸びっぱなしだったんです。爪の中
も汚れている。

 すると、女の先生がヒステリックに言われるわけです。

 あなた本当にだらしないわね、汚いわね、不潔ね。昨日も言ったでしょ、何回言えばわ
かるのって、それで両手をひっぱたかれるわけです。


 で、次にハンカチを出しなさいと言います。

 ハンカチなんか持っていませんから、するとその先生に、また忘れている、本当にどう
しようもない子だわねと、ハンカチの分をまた、たたかれるんです。


 当時は、たたかれることをそんなに重く考えてはいませんでした。

 朝の儀式くらいに思っていました。

 私の一日はたたかれることから始まるくらいに思っていましたから、それはどうってこ
となかったんです。


 ただ、たたかれた後にその先生が吐き捨てるように言うんです。


「あなたのお母ちゃんはいったい何やってるの」


「あなたの母ちゃんはいったい何を考えてるの」


と、そういうことを私の前で、クラスのみんなの前で吐き捨てるように言うんです。


 これは子ども心にこたえましたね。


「あんたのお母ちゃん何やってるの」


って言われてもね。


 うちのお母ちやん、一生懸命働いているんですよ。

 私たちの大好きな母親なのに、そんな軽蔑したような言い方をされると、それは心の傷
となって残りました。


 それで、ああ、学校の先生というのはどこか丘の上のお屋敷のレースのカーテンがかか
った部屋の中でピアノを弾いているような、そういうところのお嬢ちやん、お坊ちゃんが
先生になって、自分のわかっている世界の子どもにはとても親切に教えてくれるけれど、
そういうところからはずれている私たちみたいな人間に対してはまったく冷たい人たちな
んだなと、強く思いました。


 人の気持ちに対する想像力のない人たち、そういう感じを持っていたんです。


 だからどんなに落ちぶれても、物もらいをしても、学校の先生にだけはなるまいと当時
はかたく思っていました。


 あんな先生より隣のインチキの万年筆売っている人たちの方がよほど人間味がありまし
た。







◇マリア様


 でも、そういう私たちの生活を励ましてくれる、支えてくれる人が世の中にはいるんで
す。


 だから世の中ってのは捨てたもんじゃありません。

 それは保育園の保母さんでした。


 私は保育園の保母さんの前に立つと素直な気持ちになれるんです。


 私にとって保母さんというのはマリア様みたいな存在。


 本当に私たちを支えてくださったんです。


 私が保育園に迎えに行くと必ず声をかけてくださる保母さんがおられたんです。


 ただ当時は5時のお迎えでして、5時に行くとお迎えのラッシュでなかなか声をかけて
もらえません。

 で、子どもなりに計算して5時5分前に出かけていって、その保母さんがいそうなとこ
ろへ行って、見つけてもらおうと、顔を出したり引っ込めたりしていました。


 すると、いつも必ず見つけてくれて、す今に声をかけてくれたのです。


 声をかけてもらうってことがどれほど嬉しいことか、小学校でも先生が声をかけてくれ
たけれど、それはしかられる時だけでしたからね。


 ときに用事を言いつかって声をかけられることもあるんですが、私なんか学校で声をか
けられるとビクッしたものです。


 だから、励ましてもらうために声をかけられるなんて夢の世界でした。


 その保母さんはニコニコと笑って、声をかけてくれるんです。そしていつも


「いらっしゃい、いらっしやい」


って、保育園の庭の奥の方に桜の木があるんですが、そこまで連れていって、エプロンの
ポケットからちり紙に包んだおやつの残りを渡してくれるんです。


 家に帰って食べなさいね。仲良く食べるのよ、けんかしないでねって渡してくれました。


 そして、その保母さんがその後で必ず言ったことは、他の先生にはないしょだからね。

 他の先生には言わなくっていいのよって、それだけ念を押していました。


 そして、腰をかがめて私の目をじっと見つめながら、


「がんばるのよ」


って、一言おっしゃった。この一言でどれだけ救われたかわかりません。


 子どもは小さいから悩みだとか苦しみだとかは大人の二分の一だとか、つい思ったりし
ますが、子どもは子どもでつらい時は100パーセントつらいし、嬉しい時は100パー
セント嬉しいわけなんです。それは大人と同じなんです。


 人間として同じような目線で同じように励ましを送ってくれる、これは子どもたちにも
十分わかることなのです。


 学校の先生はいい話を私たちにたくさん聞かせてくれました。


 あなたがたでも一生懸命勉強すれば野口英世みたいになれるとか、シュバイツァーがど
うしたとか、エジソンだとか、それは話としてはわかるし、いい話だと思うんですが、当
時の私には心に響かないんです。


 それはなぜかと考えると、これは理屈の世界なんです。こうすればこうなるという、理
屈の世界。


 しかし、人間は理屈で動くほどちゃちなものではありません。それは子どもでも同じで
す。


 それに比べると、保母さんは、当時は今よりも子どもも多かったろうし、労働条件だっ
て劣悪だったと思うんです。

 家庭だってそんなに楽なことはなかったと思うし、たいへんなことをいっぱい抱えなが
ら、それでも、まわりの人間に励ましをおくってくれました。


 その人の励ましがあったから、私は人間を信じられるようになりました。大人でも何か
いばっていて冷たい感じのする人も多かったんですが、世の中にはこんな人もいるんだと、
子どもにとってそれが一つの目標にもなるわけです。


 大人から見るとたかだか小学校3年生に何がわかるかと思われるかもしれませんが、そ
んなことはありません。小さい子どもたちでも同じだと思います。人間として同じ目線で
見てると思います。


 学校の先生は、当時私たちが住んでいるところには嫌がって家庭訪問に来ませんでした。


 臭いとか汚いとか、いろんなことを言われましたから、それは仕方がないと思うのです
が、ただ、その保母さんは休日の買い物の行き帰りなんかの時にちょっと寄って、声をか
けたりしてくれていたんです。


 その保母さんは私が中学生になった時に原爆病で亡くなられました。


 私に励ましをおくってくださっていた時もすでに身体中蝕まれていたのではないかと思
うのですが、それでも、それだからかも知れませんが、まっすぐに心を届けてもらえた、
そのことを本当に感謝しております。


 そういうことがありますから、保母さんは私にとってマリア様なんです。


 ひょっとしたら、それは古き良き時代、物はなかったけど、人間がお互い信じ合い支え
合って生きていけた、そういう時代だから生まれたすてきな話なのかも知れません。


 でも、人間がいる以上どこでもそういうことはあり得るし、今でも人知れずそういう話はあるだろうと思うのです。

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