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(1)「社会科の授業ミニネタ&コツ」上條晴夫・佐藤正寿 学事出版 2006年 ③ (2)「どうぞ人に話しかけませんようにとわが子に祈る母親です - それでいいのですか?」  冨田冨士也(子ども家庭教育フォーラム代表) 『月刊少年育成』2004.8月号 【再掲載2013.9】 [読書記録 教育]

今回は、10月 2日に続いて、上條晴夫さん、佐藤正寿さんの
「社会科の授業ミニネタ&コツ」の紹介3回目です。



出版社の案内には、


「社会科の授業で使える『楽しく体験的に学べるちょっとした仕掛け』を集めたミニネタ
 集。子どもたちの心と目を授業・勉強・教師の方に向かせ、教室の空気・雰囲気を前向
 きで明るいものに変えるための工夫が満載。」


とあります。





今回紹介文より強く印象に残った言葉は…

・「学区の音拾い[ビデオカメラ]」


・「見学依頼文で電話応対してみよう」


・「見学時の様子をお隣さんに説明する」


・「安全のまとめはキャッチコピーで」





もう一つ、再掲載となりますが、『月刊少年育成』誌より、冨田冨士也さんの、
「どうぞ人に話しかけませんようにとわが子に祈る母親です - それでいいのですか?」
を紹介します。

考えてしまうこと、ありますね。




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(1)「社会科の授業ミニネタ&コツ」上條晴夫・佐藤正寿 学事出版 2006年 ③

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◇ミニネタ&コツ101

<3年>

1 地域のシンボルクイズ       

   写真 → 地図に



2 校歌に出てくる○○って知ってる?



3 東西南北応援団          

   ひがし~にし~みなみ~きた



4 これは何の音? 

   学区の音拾い[ビデオカメラ]



5 地図記号を創ろう         

   教師が出す

   → 5分でノート→班で話し合い代表



6 地図記号作文を読み取ろう     

   3つ以上使って → 学校からスタート
     (作り話もOK)



7 チラシは本当?          

   スーパーマーケットの見学で






<3~5年>     

8 コンビニ店内記憶力テスト

   見取り図



9 見学依頼文で電話応対してみよう



10 宝探しゲーム           

   学区地図配布  教師が説明(児童は線入れ)



11 吹き出し質問トレーニング     

   教科書の写真資料
   
     → 吹き出し書かせ、質問を入れさせる



12 ペアで見学の説明をしよう     

   見学時の様子をお隣さんに説明する

「中にあったもの」「発見したこと」「思ったこと」



13 仕事バラバラ事件        

   写真を各班に配布 → 「順番に並べよう」



14 航空写真を利用しよう       

   地図帳・インターネットより 航空写真HP
   
   「いくとこガイド」「グーグルローカル」「ライブドアマップ」



15 簡単アンケートで資料作成

   B5版 パン派?御飯派?とその理由 → 資料に



16 質問マニュアルを作ろう      

   児童の質問をマニュアル化






<4年>

17 幾つ言える? 先生と勝負!    

   交通事故で活動する 

   火事で活動する



18 耳を澄ませば…          

   まちで交通の様子 

   3分間耳を澄まして



19 安全のまとめはキャッチコピーで  

   一時間毎にキャッチコピー

→ 単元新聞の見出しに



20 どれぐらいできれいになる?    

   水槽に水 → みそ汁一杯分を入れると

「きれいにしてみよう」 ← 盥一杯の水が必要



21 今日のごみさん



22 風呂敷の中は?          

   ダンボールもOK 

   昔の道具などを入れる



23 「昔の道具博士」実践       

   教科書の絵を拡大

  名前の分かるものに鉛筆で○印 隣に名前



24 「先人の開発」台詞コンテスト   

   為し遂げられたときの思いを…班で話し合い



25 ○○地方(○○県)特産定食を創ろう

   メインディッシュ、飲み物、汁物、デザート



26 県の形が何に見える?       

   白地図  県の例示 ~ 何に思える?一分

白地図に書き込む



27 都道府県速読競争         

   地方毎 順番は事前に指導 

   個人→ペア→個人


28 都道府県から動物を探せ      

   熊本県 → クマ 

   ノートに箇条書き(2分間)
(白地図)








(2)「どうぞ人に話しかけませんようにとわが子に祈る母親です - それでいいのですか?」  冨田冨士也(子ども家庭教育フォーラム代表) 『月刊少年育成』2004.8月号 【再掲載2013.9】

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 講演などで聴衆に向かって、


「人はけんかしてもあきらめなければ必ず仲直りできる」


と私は力説する。



 気負うのは自分に言い聞かせているわけで自信がないのである。




 昨日も夕飯の時間のことで母親に


「わがままを言わないでくれ」


と怒鳴ってしまった。




 母親も私の言い方が激しすぎたのか


「そんな言い方はないだろう。世間の人にどっちが正しいか聞いてもらってみろ」


と言い返してきた。食卓の気まずさに妻と娘が


「お父さんも、そんなに大きな声で怒らなくてもいいのに…」


とたしなめてきた。




 一晩あけた今朝、母親に勇気を出して


「おはよう」


と声を掛けたら同じ言葉が返ってきた。すこしずつ時間をおいて仲直りの日を迎えたいと
思っている。 



 親子関係でも意地を張ると仲直りの日は遠退くが、他人の関係は同居しているわけでも
なく「逃げられる」関係だから親子や家族以上に仲直りには時間がかかるものである。


 つまり仲直りしなくても生活ができてしまう可能性があるからだ。


 しかし家族のように抜き差しならない関係は仲直りしなかったら家庭は崩壊してしまう
ので努力する。崩壊を乗り越えるためにも仲直りの「学習」をするわけである。


 だが、けんかして仲直りの本領発揮は他人との関係である。



 他者を信頼できるのは仲直りの経験をつみ重ねてきたからではないだろうか。


 その学びが希薄だとどうしても自分の思いを口にする前に飲み込んでしまいがちであ
る。それでいてときに伝えきれないもどかしさを唐突に意気込んで喋ってしまい、その場
の雰囲気を緊張感につつみ込んでしまうこともある。


 仲直りには「時間がかかる」という学びを途中で投げ出したり「あきらめない」で、相
手とけんかしても手のとどくところに身をおきたいものである。




 6歳の男の子をかかえた母親(37歳)が手紙につづる。


「けんかしたらおしまいとずっと思っていました。だから人と話すことが恐くてなかなか
 出来ませんでした。でも仲直りを『あきらめない』ことが仲直りの日に近づくことにな
 るとうかがって気持ちが楽になりました」


 講演会のアンケートに手紙を添えて思いを書き込んでくれた。


 母親が自分の「けんかしたらおしまい」という感覚に気づいたのは6歳の子どもの行動
がきっかけだったようである。


 幼種園では大人しい子どもだが家では一度怒り出すと手がつけられない乱暴さがあった
という。父親にも「パパのバカ」と罵声をあびせたり、急に叩いて突きとばしたりするこ
ともあった。


 ただ気になったのは園の先生が言った


「友だちが一人もいないように思います」


だった。それは母親自身のことでもあった。



「私は人と話したりすると余分なことを言ってはいなかったかと反省してばかりいるよう
 な人間なんです。だから一歩、外に出ると緊張して疲れやすいのです。ところが子ども
 はやたらとよその人に話しかけるような子だったんです。それで『どうぞ話しかけませ
 んように』とお祈りしたり、しつけの行きとどいている子どもと思われたくて『静かに』
 を口癖になるまで言ってきました。そのうちに息子は外では大人しい子になった気がし
 ます。私もあいかわらず人に声をかけられたら何と話をしようかと考えてしまい見た目
 は大人しい母親になっていたと思います。
  私は人と話をしたあとは自分の母親に会話の仕方が良かったかを確認しないではいら
 れなくなりました。
  そんな息子と私が家のなかで二人でいればどうなるか分かりますよね。会話は途切れ
 ていらいらです。
  ところが二人をみて主人は怒ることがまったくありません。息子が泣こうと叩こうと、
 一切相手にせずに泣いている子を一時間でもビデオで撮れてしまえる人です」



 母親は講演会場でこんな日常を想い出していたのである。


 そのとき、私の「指示」で隣同士で気づいたことを分かちあう「ミーティング」が求め
られたのである。



 母親は「パニック状態」になったという。しかし、園にいっていつもこんな状況に立た
されている息子を想うと「これでいいのだろうか」と自分自身に問いかけた。そして語り
始めたことは「自分の心の固さ」だったという。するとこれまでは講演会にいっても心に
余裕がなく聞こえてはこなかった隣同士のおしゃべりが心地よく聴こえてきたようであ
る。



「商売人の家に育った私はカギっ子の友だちから『うらやましい』と言われてきましたが、
 毎日『裁判所』に帰るような気持ちでした。両親は先生の味方で、私は不器用でまわり
 を不愉快にさせる人間としてみられていたと思います。だから息子には友だちをいっぱ
 い作ってほしいと一方的に思って、自分はそのこと(人間関係)から引いていたのです
 ね。
 けんかができて、仲直りすることもできる、そんな体験を一度もしたことがないので、
 機会をみつけて、これからやってみようと思います」




 けんかできない自分を「あきらめないで」、そのことを発信する努力をつづけていけた
らと私も思っている。もしかしたら私の母親も老いにムチ打って言い返してくれているの
かもしれない。



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