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草柳大蔵さんはこんなことを35 [読書記録 一般]

「父とは生涯に3度叱りつける存在である」

「1番目は、子どもが嘘をついたり、盗みを働いたり、弱い者いじめをしたときはこっぴ
 どく怒れ。
 2番目は、人を裏切ったとき。友人でも、先生でも、社会の人でも、とにかく自分の子
 どもが卑怯な心から人を裏切ったときはこっぴどく怒れ。
 3番目は、母親に手向かったときにこっぴどく怒れ。」

                                    森信三氏





今回は、12月 2日に続いて、わたしの読書ノートから、
「草柳大蔵さんはこんなことを」35回目の紹介です。





今回は、「続午前8時のメッセージ」(静岡新聞社)からの紹介です。




出版社の案内には、


「評論家・草柳大蔵が送る待望の第2弾。家庭、学校、社会、さまざまな角度から子ども
 の心を見つめ、輝く未来のために祈りを込めて語る珠玉の99話。」


とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「父とは生涯に3度叱りつける存在」


・「東井義雄先生」「升田幸三さん」「森信三先生」






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☆草柳大蔵さんはこんなことを35


☆「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年 (2)

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◇父とは生涯に3度叱りつける存在

 東井義雄先生という大変な指導者がいらっしゃいました。


 この先生が、6年生の理科の時間に、カエルを一匹ずつ捕まえて解剖をさせたんです。


 先生が教壇の上に立っていると、ヒソヒソと子どもたちが何かをつぶやいている声が聞こえる。


「何を言っているんだろう?」


と教壇から下りて耳を澄ますと、


「カエルさんごめんね。カエルさんごめんね」


と言いながら、カエルのお腹を子どもたちが開いていたというんですね。


「この『カエルさんごめんね』に対してどう答えてやるか。子どもたちが納得するように答えられるのが教師ではないかと子どもに教えられた」


とエッセイの中で書いていらっしゃる。


 私は息を呑みました。


 こういう人が本当の教師なんだな、と思いました。
 



 東井先生のお父さんは、貧しいお寺の和尚さんでした。


 生まれついてのお人よしで、他人の借金の連帯保証人になったために差し押さえをくら
い、お寺の中のものをすべて持っていかれてしまったんですね。


 それでもお酒をやめないで、時々道で寝ていたんだそうです。


 先生はお父さんを起こして、その重い体を引きずってお寺に運んだけれども、どうして
もお父さんが憎めなかったそうです。


 その後、師範学校にお入りになるのですが、いよいよお父さんが、お酒の飲み過ぎで肝
臓を悪くしてお亡くなりになるんです。


 その臨終のときに、「チチキトク」という電報を貰った東井先生は、深夜に10キロの
道を自転車を漕いで駆けつけるんですね。


 そのときお父さんが目を覚まして、


「わしこそ、幸せのど真ん中。こんな遠いところまでせがれが来るもんなあ」


と言った。


 それが臨終の言葉だったというんですね。


「わしこそ、幸せのど真ん中」、


ちょっといい言葉ですね。




 また、升田幸三さんという将棋の天才がいます。

 この方のお父さんも村一番の飲み助で、その上に博打好きなんですよね。


 升田さんは、子どものころから将棋が強かった。


 そこで、家出を決意するんですね。


 それをお父さんに言うと暴れて怒られるから、墨をすって、細い筆を探してきた。


 お母さんが一所懸命に仕立物をして家計を支えているのですが、そのお母さんのものさ
しを裏返して、


「日本一になるまで帰りません」


と書いて家出をし、大阪に出てくるんですね。                  、




 教育者の森信三先生が、

「父とは生涯に3度叱りつける存在である」

と言っています。



 1番目は、子どもが嘘をついたり、盗みを働いたり、弱い者いじめをしたときはこっぴ
どく怒れ。



 2番目は、人を裏切ったとき。友人でも、先生でも、社会の人でも、とにかく自分の子
どもが卑怯な心から人を裏切ったときはこっぴどく怒れ。



 3番目は、母親に手向かったときにこっぴどく怒れ。


 この3つを挙げていらっしやいます。

 また、「父は働いている姿をなるべく見せろ」

と言うんです。

 これはいいですね。



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