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草柳大蔵さんはこんなことを38 [読書記録 教育]

「挨拶は心の定期預金だ」






今回は、12月11日に続いて、わたしの読書ノートから、
「草柳大蔵さんはこんなことを」38回目の紹介です。





今回も、「続午前8時のメッセージ」(静岡新聞社)からの紹介です。




出版社の案内には、


「評論家・草柳大蔵が送る待望の第2弾。家庭、学校、社会、さまざまな角度から子ども
 の心を見つめ、輝く未来のために祈りを込めて語る珠玉の99話。」


とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「熊本の『慈愛園子供ホーム』の園長さんで、潮谷愛一さん」


・「デミアンという人は、イギリスからハワイのモロカイ島に、宣教師として派遣された
牧師さんなんですね」


・「『あなた方は…』から『私たちは…』への変化。」


・「中村諭先生」
- わたしも、著書、ラジオ番組、お手紙等から大切なことを教えていただきました。





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☆草柳大蔵さんはこんなことを38

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☆「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年(4)

◇挨拶は心の定期預金

 熊本の「慈愛園子供ホーム」の園長さんで、潮谷愛一さんという方のお話をしたいと思
います。


 妻の潮谷義子さんは、熊本県知事でいらっしやいますが、この方と名刺を交換したときに、私はあっ、と驚きました。


 職業柄、1年間に1万人くらいの方から名刺を頂きますが、潮谷さんの名刺には、名前
の横に点字が打ってあったんですね。


 そのご主人の潮谷愛一さんは、こんな話をしています。


 学生のころ、お父さんの本棚からデミアンという神父さんの話を書いた本を引き出して
読みました。



 デミアンという人は、イギリスからハワイのモロカイ島に、宣教師として派遣された牧
師さんなんですね。


 モロカイ島は、ハンセン病のための施設があり、隔離された患者さんが集団で暮らす島
です。


 デミアンさんはそこへ行って、ハンセン病の患者さんたちに、神様の話、信仰への道、
人を愛すること、世の中を美しく生きることなど、いろいろなお話をされるんです。


 ですが、全く受け入れてもらえないんですね。


 ところがある夜、焚き火を囲んで、みんなで話をしていた。


 すると、パチパチッと薪がはねて、火の粉がデミアンさんの手に掛かるんです。


 しかし、熱くも何とも感じないんですね。


 要するに、デミアンさんもすでに感染していて神経が麻痺し、熱さを感じなかったんで
す。


 デミアンさんは、そのときからハンセン病の患者さんたちに対する説き方を変えました。


「あなた方は…」という言い方から、「私たちは…」という言い方にしたんですね。


 それによって一気に、患者さんたちの間にとけ込めるようになったんです。


「あなた方は…」から「私たちは…」への変化。

 実に簡単なことなのですが、人間の心と心が重なるとは、まさにこういうことですよね。



 中村諭先生という方がいらっしやいます。


 この先生は教員生活31年のうちの23年間を、崩壊寸前の学校ばかりに教諭、教頭、
学校長として派遣されました。


 中村先生は、

「組織や集団の秩序を回復したいと思ったら、一番最初にすることは挨拶じゃないか。当
 たり前のことだ」

といって、学校で生徒の顔を見るたびに、「おはようございます」「こんにちは」「さよう
なら」「元気?」などと言い続けるんですね。


 最初は、生徒の方が変な顔をして、そっぼを向いて足早に去っていきます。


 そのときに「こら、待て。おまえは何で挨拶をしないんだ?」と言ってはいけないとい
うんですね。


 そうではなく、それでもニコニコして「おはようございます」と言い続ける。


「挨拶は心の定期預金だ」と言うんですね。


「必ず相手の心に積み重なっていく。相手は気持ちの負担を感じて、小さい声で『おはよ
うございます』と応えるようになる」というんです。


 次の話も続けます。(以下、略)


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