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草柳大蔵さんはこんなことを39 [読書記録 教育]

今回は、12月14日に続いて、わたしの読書ノートから、
「草柳大蔵さんはこんなことを」39回目の紹介です。





今回も、「続午前8時のメッセージ」(静岡新聞社)からの紹介です。




出版社の案内には、


「評論家・草柳大蔵が送る待望の第2弾。家庭、学校、社会、さまざまな角度から子ども
 の心を見つめ、輝く未来のために祈りを込めて語る珠玉の99話。」


とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「一波は動かす、四海の波」


・「最近の母子手帳は、『抱いた方がよい』『添い寝をした方がよい』『おっぱいをやった
方がよい』というふうに変わりました。」





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☆草柳大蔵さんはこんなことを39

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☆「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年(5)



◇「一波は動かす四海の波」です

 前にご紹介した中村先生の赴任された学校は、宝塚市内の中学校で、この20年間の犯
罪件数が、毎年市内でナンバーワンという学校だったんです。


 それが、挨拶を続けていくことですっかり穏やかな学校になって、よその人が校門を入
って来ても、「こんにちは」と生徒の方が挨拶をするような学校になったといいます。



 中村先生に転任の時期が来て、いよいよ学校を去ることになりました。


 最後の卒業式で、代表が謝恩の辞を述べるのですが、途中で自分が感極まってしまって、
全くのアドリブになってしまうんですね。


 少し読んでみます。「数え切れないほど言い争いをして、先生には迷惑を掛けてしまい
ました。でも、それも俺の中ではめっちゃ良い思い出になりました。


 先生の方も、『良い思い出ができた』ということにしておいてください。これからも、
俺みたいな問題児が現れるかもしれないけど、挫けずに頑張ってください」と言うんです
ね。



 その後、今度は生徒会長が立ち上がって「僕たちの気持ちです。先生、どうぞ受け取っ
てください」と言うんです。


 「何だろう?」と思って立っていると、ピアノの前に生徒が座って、『仰げば尊し』を
黙って弾き、学生の大合唱が始まった。


 もちろん、先生も生徒もポロポロ泣いてしまったそうです。


 中村先生がお書きになっているのですが、関西方面の学校では、昔からいろいろな問題
があって、いまだに『仰げば尊し』を歌わせないことになっているんだそうですね。


 しかし、「一波は動かす、四海の波」、一つの波が動けば、海の波は動くんですよね。


 何もしないで、「言葉つきが乱暴だ」「すぐキレる」「危ない」というだけで、子どもた
ちに対して距離感を持ってしまう。それが一番の大きな問題なんです。



 なぜ、大人が踏み込んでいかないのでしょうか。


 そうやって、分かってくれる子、つまり、お互いに心を交換できる子を増やしていくこ
とによって、つっぱっていた子が、「つっぱっていてもつまんねえよな」と、必ず応えて
きます。


 根っからの悪い子なんていないんですよ。


 私は、そこをもう一度考えてみたいという気がします。


 中村先生を始めとしたいろいろな方が、今の日本の教育崩壊について一所懸命にお考え
になっていらっしやいます。


 大きな問題は、昭和40年に配られた母子手帳の中に、西洋型教育理論を導入して「子
どもが泣いても抱いてはいけない」「添い寝をしてはいけない」ということが書かれ、そ
れを信奉したお母さんたちが、子どもに対するスキンシップを忘れてしまったということ
です。



 昭和40年に15を足すと55年ですね。


 そのころからキレる子どもが出てくるんです。


 なぜ15を足したかといいますと、中学3年生ということですよ。


 ようやく、最近の母子手帳は、「抱いた方がよい」「添い寝をした方がよい」「おっぱい
をやった方がよい」というふうに変わりました。



 人間って正直ものです。



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