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「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ① [読書記録 一般]

今回は、武光誠さんの
「地名から歴史を読む方法」1回目の紹介です。





出版社の案内には、


「由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘め
 られている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸
 時代の城下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかり
 にこの国の成り立ちを明らかにする。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「近年行政効率を図る住居表示の変更で多くの地名が失われつつある」


・「旧藩ごとにまちまちだった法律と税制」


・「『府中』は伝統地名 
  広島県の府中が一日早く申告
東京が意地を張った    → 二つの府中市」


・「対等合併したところに合成地名が多い」






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☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ①

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◇県名と県境

□日本 

 小字名約1000万件 

 俗称は1億を超す



□近年行政効率を図る住居表示の変更で多くの地名が失われつつある



□県名を旧国名から引き継がなかった理由

 旧藩ごとにまちまちだった法律と税制
  

 → 明治4(1871)年7月14日 300県余り

  〃 11月 ほぼ現在と同じ

明治23(1890)年 現在につながる
  


□県名と県庁所在地 

 古代の郡名からとったもの

  - 岩手 群馬 宮城 茨城 石川 愛知 香川 三重



□開拓使の流れを汲む現在の支庁

 北海道日本全国土の22%(84000平方キロメートル)


 明治15(1882)年
   3県区分(札幌県、函館県、根室県)


 明治19(1886)年
   廃止


 明治30(1897)年 
   19支庁に → 現在14支庁







◇愛着地名

□大化元(645)年 

 国司を東国に派遣した → 国境



都から国ごとに国司を派遣 = 地方行政

    670年前後に国々の国境が一つに



□豪族発祥の地名から

 出雲氏 - 出雲国  


 吉備氏 - 吉備国。備中国、備後国 


 上毛野氏 - 上野国 


 筑紫氏 - 筑前国、筑後国



□大和朝廷 

 3世紀後半~4世紀初頭


 三輪山(桜井市)近くの有力遺跡・纒向遺跡


 古代に大和と呼ばれた

   大和国 → 日本国



□旧国名をつけた市が生まれたいきさつ = 旧国名への愛着

「府中」は伝統地名 

  広島県の府中が一日早く申告

東京が意地を張った    → 二つの府中市
  


□合併で生まれた旧国名をもつ市町村







◇町村合併による合成地名と消えた地名
  
□近代につくられ、本来の意味を失った地名 - 合成地名 

 愛知県蒲郡市 = (西之郡村+蒲形村)の合併による


 愛知県稲沢市 = (稲葉村+小沢村)の合併による



□合成地名がつくられた理由

 明治維新直後  全国に7万町村



明治22(1889)年 1万6千町村に減


 「村」の変化
江戸時代の「村」= 農村の共同体を一つの行政区画にまとめたもの

  近代の「村」は = 行政の都合による区分


 対等合併したところに合成地名が多い

  長野県豊科村は合成地名 明治7(1874)年

= 鳥羽村 + 吉野村 + 新田村 + 成相村の頭文字をとってつけられた



□町村合併で消えていく地名

 鈴鹿市は郡名から採った


 昭和17(1942)年政府の指導により2町12村が合併 = 軍都整備育成のため

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