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「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ⑤ [読書記録 一般]

今回は、2月1日に続いて、武光誠さんの
「地名から歴史を読む方法」5回目の紹介です。





出版社の案内には、


「由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘め
 られている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸
 時代の城下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかり
 にこの国の成り立ちを明らかにする。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「日下 - 日当たりの良いところに草が生える = 草香(くさか)」


・「渡来系技術者が残した地名 - 陶部、衣縫部、服部、鍛冶部、鞍部」


・「中世までの山賊・海賊は要地を押さえる島の小領主」


・「古代の3関  =  鈴鹿の関・不破の関・愛発(あらち)の関」






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☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ⑤

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◇古代豪族の領地に因む地名

□古代の氏姓制度

  日本全国の豪族層が何らかの形で王家と血縁関係もしくはそれに準じた関係にある
 という主張のもと大和朝廷の全国支配が…




□曾我部や宗我部の地名のルーツとは

 蘇我氏支配下の地方豪族



□全国に「くさか」と読む地名がある理由 
    
 5世紀

名代 = 王族が朝廷から与えられた領地

  大草香皇子 - 日下部

忍坂大中姫 - 刑部


  日下 - 日当たりの良いところに草が生える = 草香

      「日の下」→「日下」くさか




□三宅地名のルーツ 屯倉

 6世紀 

  名代より屯倉が重んじられた

    みやけ = 大王の屋敷



大王が地方に派遣する役人がとどまる屋敷「屯倉」

  ↓

領地全体が「屯倉」に


 「屯倉」 → 「御宅」 → 「三宅」に







◇古代朝廷の職名に基づく地名
  
□伴造から変化して今に残る地名
  



□渡来系技術者が残した地名 

 陶部、衣縫部、服部、鍛冶部、鞍部  




□秦氏の勢力拡大で全国にできた地名

 5世紀末 
   秦氏と東漢氏

秦部 漢部

秦氏    秦、波多、波田、幡多、羽田、幡 -稲荷社


      漢氏    綾部、綾瀬、綾野、綾川








◇古代の土地区画を今に伝える地名とは

□条里制とは  

 条、里、坪


 一辺6里(109m)四方の正方形の区画を一つの里


「里」を36の「坪」に分け、「里」の中に1条2里5の坪

  一坪 = 約18m四方
  



□「坪」地名  

 讃岐平野西部に多い








◇国府に因む地名
  
□後世の町作りに影響を与えた国司制度  

 地方拠点 = 国府 

 建物は「国衙」(国庁)


 郡衙 郡府概念はない

= 郡司支配は官僚的なものではなく弥生時代以来の地方豪族としての郡司
                   
   = 個人の権威によって成された


 国司制度 
   7世紀後半(大化の改新)~8世紀初め(大宝律令)

いったん国衙ができると中央文化の入り口として重んじられた

国衙  官道沿いの交通の要地に造られた

        ↓

   中世にはいると中心地として栄えた
  



□国分寺と一の宮 

 船所、税所、納所 - 祭祀が重要



 平安末以降 
  「総社」=手間を省く施設

船渡 船戸 舟外

船居 船井 … 船をおさめたところ

船橋 舟橋 … 桟橋




□様々な関の字の付く地名

 関所 … 関銭徴集

中世までの山賊・海賊は要地を押さえる島の小領主


 古代の3関 
    鈴鹿の関・不破の関・愛発(あらち)の関


 船を臨検する関もあった
   = 佐賀関町 周防3関(上関・中関・小関)


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