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「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ③ [読書記録 教育]

今回は、2月14日に続いて、野口芳宏さんの
「野口流 授業の作法」の紹介3回目です。


学校といえば、何より授業。
野口さんが、授業に当たってあるべき教師の姿を示してくれます。



出版社の案内には、


「発表のさせ方、説明の仕方…どうしていますか?授業実践を中心に、教室での基本的な
 心構えから、準備と宿題、通知表に対する考え方まで。心得ておきたい、名人に学ぶ教
 師が児童に対する姿勢。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「具体的で分かりやすい問題提示が基本」


・「音読の緩急濃淡を評価」


・「常日頃から具体的な道筋を教え希望と活力を与える」


・「授業の目的は『正解』を出すことだけではない。一人一人の子どもを『伸ばす』ことこそ大切」







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☆「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ③

1.JPG

◇授業実践の作法①

 ◎実際の授業はハプニングの連続 それぞれのトラブル・悩み事にどう対処するのか 
 
 
(1) 聞かせる - 具体的で分かりやすい問題提示が基本  

 うけねらいの導入は,不要かつ無意味

 導入と興味付けの段階 

→ ごくあっさり,優しい話し方で,具体的にポイントを示し,課題意識を高める

  ×命令調 ◎誘い込むように


 問いかけでは,さり気なく本時の目標・内容・期待・成果を組み込んだ語り


 ※ 「自分の益になる」と感じる言葉には誰しも耳を傾ける

 



(2) 自覚させる - 手本を明確に示す。到達点を分からせる
    
「読めていない」ことを自覚させるところから 

  音読の緩急濃淡を評価
  
  「今は下手だけど,間もなくすごく上手になりますよ」

「口を大きく開いて読む。テンでは止まる。マルでは休む」(板書)

「さあテン先生のように読んでみよう」(範読)


※ 「できている」の思いこみが落とし穴になる

 




(3) 身に付けさせる - 子どもの耐性を育てる

 目標と達成時間を具体的に示すべき

常日頃から具体的な道筋を教え希望と活力を与える

①道筋は具体的であればあるほどよい

②達成への時間は短ければ短いほどよい


 ※ 小さな成功体験の積み重ねが,耐性虚弱児を変容させる

 




(4) 克服させる - つまずきや間違いこそが授業を豊かにする

 できないときこそ,しめたと思え
「できない人は手を挙げよ」

 →「たいしたもんだ。分からないことが自分で分かるのはとても大切なことだ」

   口をつぐむ子 ← 「ノート発言」


 教師の柔軟さと強さ
  ・「できないこと」を歓迎する

  ・「見せかけの正解」の不備に気付かせるために,時に誘導尋問も活用する


 ※ 授業の目的は「正解」を出すことだけではない。一人一人の子どもを「伸ばす」ことこそ大切

 




(5) 傍観させない - 参加せざるを得ない仕掛けを用意する

 二択・三択方式で全員を巻き込む

× ・教師の一方的なしゃべり方で進んでいく授業

     ・一部の「優等生」が答えるだけの授業 


 強制的に全員を表舞台に立たせる


 ※ 誰もが「参加したくなる問い」を用意し,「逃げられない場」をつくる

 




(6) 発言させる - 書かせることで抵抗感をなくす

「ノート発言」をさせる

まずノートに書かせる 単純問いかけ「○と思うか×と思うかかいてごらん」


ノート発言の効用 
     ①人の意見に左右されず各自に判断させられる

②全員が自分の立場を明確にせざるを得ない

③書かせることで曖昧さやごまかしを排除する

④引っ込み思案の子も照れ屋の子も抵抗なく参加できる


 1分間の作業  → 挙手させ,おおよその数をつかむ → 討論開始


 ノート発見は短い時間で何度も繰り返す


 ※ ノートに「書く」ことで発言させる。考えさせる。参加させる。


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