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「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ④ [読書記録 教育]

今回は、2月17日に続いて、野口芳宏さんの
「野口流 授業の作法」の紹介4回目です。


学校といえば、何より授業。
国語の大家、野口さんが、授業に当たってあるべき教師の姿を示してくれます。



出版社の案内には、


「発表のさせ方、説明の仕方…どうしていますか?授業実践を中心に、教室での基本的な
 心構えから、準備と宿題、通知表に対する考え方まで。心得ておきたい、名人に学ぶ教
 師が児童に対する姿勢。」


とあります。


子ども発言したい意思をどうとらえるか、
子どもの発言意欲を高めるためには、
ポイントは、
等々について分かりやすく教えてくれます。






今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「多様な発言は自然に生まれるのではない。教師が仕掛け,組織するもの」


・「子どもの『発言サイン』は宝の山。日頃からの観察がその宝を発掘する。」


・「何のために発言させるのか。その原点を常に問い直す。」


・「教師自身が意識的に『ずばりと一言で』伝える習慣を身に付ける」






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☆「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ④

1.JPG

◇授業実践の作法②

(7) 意見を引き出す - 意図的に「話し合い」を仕掛ける

 「ノート発言+机間巡視」で解決できる


□二択三択の解答に対して 

 → 「なぜそう思ったのか,理由をずばりと一言で書いてごらん」



□教師の発問に対して 

 →「自分の考えをノートにずばりと書きなさい」


 ポイント = 「一言で」「ずばりと」



机間巡視で 対立意見や個性ある考えを「発見」していく


※ 多様な発言は自然に生まれるのではない。教師が仕掛け,組織するもの

 




(8) 発言をとらえる - 優れた観察者を目指す

□「発言サイン」を見逃していないか

 豊かな感受性のある子ほど内気になりがち… = 才能の損失



 言葉にならない発言サイン
① 挙手 / 挙手の数だけ見ているようでは教師失格

  ② ノート発言 / 何も書けない子どもは「分からないよ」というサイン
  ③ 朗読 / 巧拙や力のこめ方で,子どもの気持ちがはっきり読み取れる
  ④ 表情や態度 / これが重要。頷き,目の輝きに現れる無言のサイン

   ↑

 教師は一瞬を見逃さないこと
「言いたい」という一瞬のタイミングを見落とさない


※ 子どもの「発言サイン」は宝の山。日頃からの観察がその宝を発掘する。

 




(9) 空回りさせない - ただ声を出すことが目的ではない

□無意味な発言推進策をしていないか

 妙な工夫 
  例) ・発言するたびにカードに○印

・発言開始時に「いいですか」 末尾に「どうですか」

・発言終了時に全員が拍手

・発言終えた子どもが次の発言者を指名
まるで宴会芸→教師がきちんとリードしなければ実のある話し合いにならない
 
  ・ある発言が終わると次に言いたい子が立ち自由に発言
活発なのは結構だが,結局力のある者だけが発言することになり最終目的に導
     くことが困難



 「何のためにやるのか」しっかり自覚を!
    

※ 何のために発言させるのか。その原点を常に問い直す。

 





(10)発言を締める - 簡潔に言い切る訓練を重ねる

□発言はいつもずばりと一言で

× ・一時に多すぎる発問・指示

・抽象的すぎる発問・指示 =教師自身の「長々とした抽象的」話し方

・複雑すぎる発問・指示

※ 教師自身が意識的に「ずばりと一言で」伝える習慣を身に付ける

 





(11)伝える力を育てる - 一言で話す訓練で伝達力を育てる

□「発言しながら指を折れ」

 「ずばりと一言で」の徹底化 

→ ・短い文を重ねて話すようになる

・はっきりと言い切るようになる

・「最初に,次に,三つ目は…」指を折りながら話すようになる

  ・箇条書き式発言が習い性になる



 一致点や相違点が明快になる

※ 短く話す訓練の積み上げが,箇条書き式発言も身に付けさせる


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