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「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ⑥ [読書記録 教育]

今回は、3月7日に続いて、野口芳宏さんの
「野口流 授業の作法」の紹介6回目です。



読み直すたびに身が引き締まる思いがします。



出版社の案内には、


「発表のさせ方、説明の仕方…どうしていますか?授業実践を中心に、教室での基本的な
 心構えから、準備と宿題、通知表に対する考え方まで。心得ておきたい、名人に学ぶ教
 師が児童に対する姿勢。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『なぜか』を考える習慣が思考力を育てる」


・「力ある褒め言葉は,教師自身の感動が生み出す」


・「本気で怒る・叱ることのできる強さと信念を持つ」


・「授業の流れを妨げる発言も,取り上げ方で学力形成の材料になる」


・「欠点の治療法を見つけ出すことこそが評価です」


・「一人で一枚の絵を仕上げる力を育てましょう」


・「優劣をきちんと明示することで,成果と課題を明らかにする」





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☆「野口流 授業の作法」野口芳宏 学陽書房 2008年 ⑥

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◇授業実践の作法④

(17)考えさせる - 解答よりも疑問を提示し続ける

□「なぜか」を問い続ける 
       
 優れた行動や価値ある発言には必ず説明可能な理由や根拠がある



その真意を探ろうとして「なぜか」と問いかける

しかし,鍛えられていない子どもは「なぜか」に弱い

    → 「わかりません」「なんとなく」 = 思考放棄 


◎野口
「『なぜか』に強くなりなさい。なぜ自分はそう考えたのか,感じたのか。ギリギリと自
 分自身に問うてみるのです。本物の学力が伸びるのはその時からです」


※ 「なぜか」を考える習慣が思考力を育てる

 





(18)ほめる - 教師が柔軟で多彩な価値観を持つ

□感動のない褒め言葉では伝わらない

 正解よりも変容をこそ褒める
      
 教師の表情から子どもたちが教師の本音を探り出してしまう 


※ 力ある褒め言葉は,教師自身の感動が生み出す

 





(19)叱る - 熱い思いを失ってはならない

□時には本気で怒ることも必要

 全身全霊で子どもを叱る3場面
① 同じ注意を二度され,しかも反省の色が見られず,次も同じ行動が出たとき。

   ② 他人の迷惑になるようなことをして,おもしろがっているとき。

   ③ 大きな事故につながる悪ふざけをしているとき。
    

※ 本気で怒る・叱ることのできる強さと信念を持つ 

 





(20)珍答・奇答に対応する - その判断で教師の力量が試される

□謙虚な耳で聞き,冷静な目で判断する

 ① 真意をくみ取る


 ② 横道にずれたら即座に打ち切る

「話がずれてしまったね,この話はここで打ち切ろう」

「元の問題は○○だったのに,今は××について話し合っている。元に戻そう」


※ 授業の流れを妨げる発言も,取り上げ方で学力形成の材料になる

 





(21)診察・診断する - 評価の目的は課題克服にある

□評価はランク付けではない

 日々の授業の中で子どもたちの学習能力や理解度を確かめていく「診察」と,その結果
を総合的に判断し,適切な対策を決める「診断」。この立体的な行為が評価。


 × ランク付け


 ◎「その子どもが何を苦手とし,どう指導すればいいのか」 
   具体的に教師が見つけ出す
    

 ×「確認型」 → 発見型・訂正型・変容型
    

※ 欠点の治療法を見つけ出すことこそが評価です 

 





(22)答えを出させる - 自分だけの力で完全な答えを導き出す訓練を

□答えの寄せ集めは答えではない

 例) ×「じいさまの人柄が分かるところに線を引きなさい」



◎「じいさまの人柄が分かるところが5つあります。その5つに線を引きなさい」

= 何が正解なのか明確に示す


※ 一人で一枚の絵を仕上げる力を育てましょう

 





(23)達成感をつくる - 欲求不満を残さない明快な評価

□正誤をきちんと明らかに  ×「垂れ流し授業」

 例) 「これらの考えの中で一番大切だと思うものはどれか」

「これは望ましくないと思うものはないか」

「明らかに誤りだと思うものはないか」

「一つにまとめてもよいという意見はないか」

「この二つではどちらが優れた考え方か」

「これらの考えにABCの3段階で評価してみよう」


※ 優劣をきちんと明示することで,成果と課題を明らかにする

 





(24)つなげる - 節目毎のまとめを大切に

□記憶に残るよう,成果を簡潔にまとめる

 「この話し合いで○○が明らかになりましたね」

 「しかし,まだ××については解決していませんね」

 「新たに△△が問題になってきましたね」



束ねの言葉で授業の流れが明確になる


 授業のまとめ方
①タイトルでまとめる  
     箇条書き的にタイトルを付けてまとめる

②経過をまとめる
     端的に授業の経過をまとめる

③板書を生かす     
     重要事項を赤枠で囲ったり,消したり

復唱等も

  ④次時への期待を持たせる   
     次の時間は○○ができそうだね

  ⑤励ましや希望の言葉を贈る 
     次の時間はいよいよ大詰めだ 楽しみ


※ まとめと束ねを授業の節々できちんと行う


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