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(1)「表現力のレッスン」鴻上尚史 講談社 2005年 ③ (2)中日春秋  2020.4.11 【中日新聞 東海本社版朝刊コラム】 [読書記録 一般]

今回は、4月7日に続いて、鴻上尚史さんの
「表現力のレッスン」の紹介 3回目です。


「表現力」の付け方、大変注目されています。。



出版社の案内には、


「あなたの周りにもいませんか? 特別美男美女というわけではないし、ファッションが
 ばっちり決まっているわけではないけど、何だかカッコいい人。じつはその人たちは素
 敵な表現力を持っている人たちです。そして表現力は『技術』なのです。技術ですから
 練習すれば誰でも身につけることができます(もちろんプロのレベルとまではいきませ
 んが)。それなのに日本ではその技術を教える本もなければ、教える場もほとんどない
 ようです。
 それはすごくもったいないことだと著者は言います。
 ファッションやメイクの方法を身に付けるように、表現力を身に付けて、もっと魅力的
 になりませんか、と著者は言います。
 この本を読むと、誰でも楽しみながら表現力を身に付けることができます。おそらく自
 分の体や声について新しい発見もあるでしょう。そして必ず実践していただくことで、
 日々のコミュニケーションもまた、楽しくなるはずです。」




とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ムチャクチャ語レッスン」


・「目隠しウォークレッスン」


・「緊張レッスン」


・「感覚の再体験レッスン」






もうひとつ、昨日の中日新聞のコラムを載せます。
強制されないですむように、精一杯の自分の力を発揮しなければと思います。






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(1)「表現力のレッスン」鴻上尚史 講談社 2005年 ③

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◇レッスン6  声で遊ぶ
  
□ムチャクチャ語レッスン1  砂浜1 

 2人 背中合わせで体育座り
       

 → ムチャクチャ語で相手を口説く「これから何を食べるか」


   ヘラムチャにしゃべる




□ムチャクチャ語レッスン2  砂浜2

 突然日本語に戻す 


 1分ごとでも,合図でも 


 とにかく楽しむ ×批判,反省




□ムチャクチャ語レッスン3  旅人

 A ムチャクチャ国Aから来た人   


 B ムチャクチャ国Bから来た人




□ムチャクチャ語レッスン4  詩人

 一人はムチャクチャ国から来た詩人
   一人は日本語通訳
    

 即興で楽しむ → 交代
   目的は笑いではない




□ムチャクチャ語は難しい

 気が付くとあるパターンにはまってしまいがち

 → 相手のムチャクチャ語を聞いて,自分のムチャクチャ語のボキャブラリーを増やす









◇レッスン7  五感を刺激する

□目隠しウォークレッスン

 Aが目隠しをして歩き,Bが見守る
 タオル,ハンカチ,アイマスクで実際に目隠し


 BはAが危険なときだけそれを知らせる(Bはガード役)
「ストップ。右か左へ行きます」

「ストップ。後ろに戻るだけです」

階段だけは「ストップ。階段があります。段差でも」



15分間で交代


 一度だけAは全力疾走(自分なりの) Bは適切にストップ



場所を想像
目隠しを取ったら今まで歩いてきた道を出発点まで逆に戻る
  



□視覚を遮断すると分かってくるもの  




□身体感覚とは … 体全体で感じる能力 体全体で対処する能力

 別役実 
  「新宿より澁谷の方が人込みでぶつかる」
 
   = 若者の身体感覚が怪しくなってきた








◇レッスン8  感情と感覚を刺激する

□緊張レッスン

 一人 リラックスして横に(ベッド)


 床に仰向けに寝る 
   力をだらっと抜く


 両手の指だけ力を入れる(力を入れ指をぐわっと広げる)
指 → 手首 → 首 → 顔 → 胸 → 腹 → 尻 → 太もも → ふくらはぎ → 足



   全身に

  何回か繰り返す
  


□感覚の再体験レッスン 

「今まで一番暑かった日を思い出す」

具体的場面 着ていたもの,一緒にいた人,においは,体の具合は

感覚は,何をした 5~10分間思い出す



思い出したら全身でもう一度体験


 例 「今までで一番寒かった日」
   「今までで一番おいしかったもの」
「今までで一番まずかったもの」など


 五感を何度も再体験してビビッドでいるためのレッスン
  


□五感に敏感になる 



□感情の再体験レッスン

 7年前までの
  「とても楽しかったこと」(7年以内ではビビッド)

「とても恥ずかしかったこと」



 その時の感情でなく状況を具体的に思い出す
10~20分間


 7年前までにしている理由
スタニスラフスキー(ロシア演出家)システム

  その時の状況,風景,周囲の状況を思い出す

× 「悲しかったこと」「辛かったこと」













(2)中日春秋  2020.4.11 【中日新聞 東海本社版朝刊コラム】

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 ウイルス禍のなかで、カミュの名作『ペスト』が読まれているという。 その二百年あ
まり前のデフォーの『ペスト』も、今読むと引き込まれる。


 『ロビンソン・クルーソー』で有名な英国の作家の小説は、幼少期にあったロンドン
のペスト流行が下敷きだ。


 感染の急拡大による社会の動揺、広がるデマ、不足する病床など今日の出来事を現代の
人々の心理とともに描いているようで驚く。


 教訓をくみ取れる記述も多い。多くの人が地方の〈疎開先に病毒を疎開させてしまい、
安全を求めていった先々でその周囲の人々に伝染させてしまったのである〉。


 感染を自覚せずに都市を脱出した人が招いた痛恨事である。




 感染者の少ない県や都市部に近い保養地などで今、「コロナ疎開」への不安が高まって
いる。


 緊急事態宣言の対象となった地域や感染が広がった土地からの移動が、感染の拡大を招
かないだろうか。


 膨らんでいるのは、ウイルスまでも疎開する不安のようだ。


 病床が乏しい島の来訪者が、増えてしまった例もある。首長らから来訪自粛を求める声
が相次ぐのは当然のことだろう。



 感染の怖さを前にした人間の心理は、昔も今も変わりない。


 デフォーが描く主人公も疎開するか否かで悩み、とどまる決断をした後もまた悩んだ。



 安全にみえる土地を目指すのは、一種の自然な感情だろうが、"教訓"に従う時でもある
だろう。

                  2020.4.11 【中日新聞 東海本社版朝刊コラム】



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