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「官僚の掟」佐藤優 朝日新聞出版社 2018年 ①(前半) / 「昭和30年代」 塩田潮 平凡社新書 2007年 ①【再掲載 2013.2】 [読書記録 一般]

「小泉改革以後、新自由主義の浸透した我々の社会には、成果主義と競争原理が持ち込ま
 れ、富裕層と貧困層との格差が広がり、能力主義による実力の差が可視化されるように
 なった。」









今回は、佐藤優さんの
「官僚の掟」1回目の紹介です。




出版社の案内には、


「自殺の大蔵、汚職の通産、不倫の外務。かつてそう呼ばれ、今も特殊な『独自文化』に
 生息する官僚たち。難関試験を突破したひとにぎりの超エリートが、政策を作り、政治
 を動かし、実質、国家を『統治』している。どんなに不祥事を起こそうと変わることの
 ない『全体の奉仕者」の実態とは何か?官僚の裏も表も知り尽くした著者の実体験にも
 とづく究極の官僚論! 」


とあります。




週刊誌には官邸内の官僚についていろいろと書かれていますが、
実際のところはどうなのでしょうか。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「官僚の背徳にある存在 ~ 親分がそうだから
安倍政権(親分)-『国民をバカにしている』」
 

・「中央省庁は競争なきあったかい社会 
『競争の土俵に上がらない』
 『自分を追求して個性を発揮できなくても生きていける』」



・「『省』の元キャリアの特徴
  誰の部下になったかが出世の決め手」


・「反知性主義内閣
  首相は『自分の感情のコントロールができない』『無知をもって法とする』
  ~『自分が理解したい形で世界を理解する』ために都合のよい要素以外は、いくら正
  論であっても雑音にしか聞こえない」






もう一つ、再掲載となりますが、塩田潮さんの
「昭和31年代」①を載せます。
「プリンス明仁の恋」の項目で 東宮職御教育参与として記されている小泉信三さんは、
先日、再掲載した『ペンは剣より強し』著者の小泉信三さんです。



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(1)「官僚の掟」佐藤優 朝日新聞出版社 2018年 ①(前半)

1.jpg

◇はじめに
 
□霞ヶ関(官界) 

□永田町(政界)





◇こんなに統治しやすい国はない
 
□周期的に来る官僚の危機
 


□自殺の大蔵、汚職の通産、不倫の外務
流動性が低くローカルルールが生まれる
 
  「ここまでならやっても大丈夫」という暗黙の了解
 


□競争の土俵に上がらない

小泉改革以後、新自由主義の浸透した我々の社会には、成果主義と競争原理が持ち込ま
れ、富裕層と貧困層との格差が広がり、能力主義による実力の差が可視化されるようにな
った。


 中央省庁 「競争の土俵に上がらない」
 
      「自分を追求して個性を発揮できなくても生きていける」

                ∥

           競争なきあったかい社会  
 


□ソ連の官僚の鉄のモラル
 


□官僚の落選はない

 2017年度 一般職国家公務員 28.5万人

特別職国家公務員 29.7万人(うち自衛官24.7万人)

地方公務員 約273.9万人
 


□官僚は年次がすべて



□どの上司に評価されたか

 10~15年  横並び(課長補佐ぐらいまで) → 課長からヨーイドン!

 警察庁と防衛省 最初から ←→ 責任が取れるかどうか ~ リスク
 


□「省」の元キャリアの特徴

誰の部下になったかが出世の決め手



□官僚が起こす不祥事

 格差が生まれ国民がバラバラになっている



□ヤル気の搾取とただ働きの心理学

 新自由主義 - 「追い抜く」自分だけ
  
         ×連帯 ×団結 = 消耗的
           
 ただ働き 
   新自由主義の特徴 = 承認欲求
   
   勝つことができるのは使い潰されるまでの短期間だけ
 


□官僚の背徳にある存在

 安倍政権-「国民をバカにしている」
 
 ~ 親分がそうだから



□内閣人事層と首相官邸

 官邸のご意向人事がいくつもある
   
 「天下り」   



□世論と信頼



□信用した自分が惨めになる



□出口戦略も立てられず
反知性主義内閣
 
 首相 - 自分の感情のコントロールができない

     「無知をもって法とする」

~「自分が理解したい形で世界を理解する」ために都合のよい要素以外は、いくら正論で
 あっても雑音にしか聞こえない
 


□超然内閣の根にある反知性主義      

1899 黒田清隆首相
 


□ロシアに似た無関心

 プーチンは不人気でも混乱よりはまし
 


□混乱にはうんざり



□安定さえしていればいい

官僚たちは「一部の奉仕者」として不祥事を繰り返しながらも競争なき世界を享受し、
新自由社会の中で進めている














(2)「昭和30年代」 塩田潮 平凡社新書 2007年 ①【再掲載 2013.2】

2.jpg

◇昭和34年春の4つの出来事

□1955年体制 
  
 昭和30.11.15  自由民主党 対 左右社会党の統一

 

□もはや戦後ではない 
  
 植木等と石原兄弟 S31.1芥川賞
   
 

□ピークの昭和39年 
  
 池田勇人の広島演説 - 所得倍増

 

□ミッチーブーム 
  
 東海道新幹線起工式 

 東京オリンピック招致決定 - 東龍太郎都知事1959年

 

□黄金の1960年代 
  
 対決の岸 → 寛容と忍耐の池田   

 = 経済にシフト

  
 「黄金時代」の4つの代表選手

 

□昭和34年 

 ① 池田所得倍増論 

   
 ② 皇太子成婚 


③ 東海道新幹線起工

       
 ④ 東京オリンピック招致 






◇池田勇人の選択 所得倍増という実験

□月給二倍論 
  
 → 「月給二倍」から「所得倍増」へ 

    中山伊知郎の賃金倍提唱

 

□2つの所得倍増プラン 
  
 不運から強運へ 

 池田前半生は不運 当選一回で蔵相

 

□所得倍増政策の産みの親 
  
 下村治
   マルクス経済学では説明がつかない

 

□下村と「在庫論争」 
  
 高橋亀吉 
 
   → 木曜会の「七人の侍」経済で日本を変える





◇プリンス明仁の恋-「心の師」小泉信三

□「皇室に新しい血を」 
  
 小泉信三(東宮職御教育参与)

 

□軽井沢のテニス 
  
 S33.7.23葉山 天皇2人の結婚に同意

 

□「仲人役」小泉信三  
  
 テニス仲間郁沃会  

 8.15天皇のゴーサイン

 
 東宮職御教育参与 小泉信三 S21.4.1~
S20.5.25 空襲で顔面と右手に大やけど 6ヶ月入院

両まぶたは動かなくなった

寝るときは手ぬぐいで目隠し
 
   近代経済学の立場からマルクス批判

→ スター学者 昭和天皇が小泉を望む

昭和天皇は皇太子を小泉の手に託した

 

□「アメリカの民主主義」に負けた

 小泉信三 明治21.5.4 芝区三田生

父・信吉 紀州藩下級武士 → 明治20慶應義塾塾長

6歳で父を失う → 母親共々諭吉に引き取られ邸に移り住む

大卒後、独・英に3年余留学 → 27歳で慶大教授

 昭和8年 45歳で塾長

 

□皇室にとっての羅針盤

 文部大臣を蹴って東宮職御教育参与に就任


S22.4.27 初めて皇太子と会った


 ※ 戦争で一人息子の小泉信吉を失い、自身も重傷を負いながら、なお無私の心で皇室
  に尽くそうとした

  
 整えられた結婚 恋愛結婚問題 
 
  小泉信三「恋愛ではないがアレンジド・マレッジだ」

  
 菊のカーテンの向こう側 
   学習院・常磐会の反対 → 婚約成立後は「美智子妃いじめ」

  
 美智子妃の「心の師」


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