「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ④ [読書記録 教育]
「例えばここに百人の住民があって其の51人が賛成すれば残りの49人如何に苦痛を感
じるものがあってもそれが適当な政治といふことになる。是はあとから産まれてくる子
孫の町村住民に対して非常に無責任千万な話であります。現在活きて居る人ばかりが日
本国民ではない、日本国家は千万年も続かなければならぬ。我々日本国民は何億兆もあ
とに控えて居るのである。一個人が私事を経営するには自分の利益に依れば宜しいのに、
それでも子孫の計算をする。況や一国の経済政策の未来を考えるときは活きて居る人ば
かりの利益の赴くところに任せてならぬのは当然です。」
(柳田国男『時代ト農政』1910 定本第16巻)
先日、畑中章宏さんの『死者の民主主義』(トランスビュー)を読みました。
ギルバート・キース・チェスタトン(1874-1936)と柳田国男の論が紹介されていました。
- 今の人間が投票権を独占することは、たまたま生きて動いているというだけで生者の
傲慢な寡頭政治以外の何ものでもない
- われわれは死者を会議に招かなければならない
- 今の人間だけが社会を構成し、社会の参加者として意見するだけでなく、死者の希望
や、これから生まれてくる人間の利益を考慮すべきだ
初めて知った、そんな考え方があったのだと衝撃を感じたのですが、
今回「常民教育論」を再読して、30年以上前に自分がメモしていたことに気付き、
それを記憶していなかったことに驚きました。
今回は、4月3日に続いて長浜功さんの
「常民教育論」の紹介 4回目です。
教育に民俗学を取り入れることが必要だと感じています。
そう思わせてくれた面白い本です。興味をもたれた方は、ぜひお読みください。
出版社の案内には、
「柳田国男は戦後日本の混乱と低迷を憂い、監修者となって国語と社会の教科書をつくっ
た。しかし教育界からは無視されて、この教科書は短命に終わった。この柳田の『常民
教育』が教育に生かされていたならば今日の教育の混乱はなかった、と教育学から柳田
に挑戦する。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「 いつも力を合わせていこう
かげでコソコソしないでいこう
働くことが一番好きになろう
何でもなぜと考えよう
いつでも、もっといい方法はないか探そう」
- わたしたちの世代くらいまででしょう、無着成恭さんの語り口を覚えているのは。
・「柳田教育学(は)『疑問を大切にする教育』」
・「文句の力を借りることなく互いに諒解するだけの道が嘗ては備わっていた」
・「農民は昔も今も虚言を述べぬ人である。さうして最も人の言を信じやすい人である」
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☆「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ④
◇柳田教育学の諸相(1)
□柳田学
「連ねる論理」梅棹忠男 と 「接ぎ木の思想」谷川健一
□疑問と教育
日本の学校は偽善的
タテマエだけ教える
|
無着成恭のスローガン
「本音を大切にする」
『山びこ学校』無着成恭の教育方針
いつも力を合わせていこう
かげでコソコソしないでいこう
働くことが一番好きになろう
何でもなぜと考えよう
いつでも、もっといい方法はないか探そう
柳田教育学「疑問を大切にする教育」
分からないことを分からないと言う勇気
×よく分からない
○分からない
※ 分かるか分からないかのどちらか
□児童観と児童論
人の一生
おひのべ 懐妊
帯祝い 5か月目
産立式 出産
紐落とし 3歳
はかま着 5歳
氏子入り 7歳
成年式 15歳
国替え 死亡
個霊 年忌 年祭
祖霊(33年目)年中行事(節句)
神霊 氏神祭り
(庄司和晃『柳田民俗学の子ども観』1979明治図書)
柳田国男
『日本の社会』6年下 実業之日本社 1954
|
子供の世界をもっとのびのびとさせるとともに、大人への橋渡しとしての時代を社会的
に容認すると言うこと
= 子供の主権の回復
□群れと集団
『時代ト農政』1910 定本第16巻
例えばここに百人の住民があって其の51人が賛成すれば残りの49人如何に苦痛を感
じるものがあってもそれが適当な政治といふことになる。是はあとから産まれてくる子孫
の町村住民に対して非常に無責任千万な話であります。現在活きて居る人ばかりが日本国
民ではない、日本国家は千万年も続かなければならぬ。我々日本国民は何億兆もあとに控
えて居るのである。一個人が私事を経営するには自分の利益に依れば宜しいのに、それで
も子孫の計算をする。況や一国の経済政策の未来を考えるときは活きて居る人ばかりの利
益の赴くところに任せてならぬのは当然です。
↑
① 少数者尊重の思想
② 計画の長期性
③ 集団の調和
= 文句の力を借りることなく互いに諒解するだけの道が嘗ては備わっていた
※ 調和のない一致は有害に決まっている
柳田 - 農民に同情
「農民は昔も今も虚言を述べぬ人である。さうして最も人の言を信じやすい人である」
群の力 ~ 「調和」「妥協」
地域の教育 = 群の力
じるものがあってもそれが適当な政治といふことになる。是はあとから産まれてくる子
孫の町村住民に対して非常に無責任千万な話であります。現在活きて居る人ばかりが日
本国民ではない、日本国家は千万年も続かなければならぬ。我々日本国民は何億兆もあ
とに控えて居るのである。一個人が私事を経営するには自分の利益に依れば宜しいのに、
それでも子孫の計算をする。況や一国の経済政策の未来を考えるときは活きて居る人ば
かりの利益の赴くところに任せてならぬのは当然です。」
(柳田国男『時代ト農政』1910 定本第16巻)
先日、畑中章宏さんの『死者の民主主義』(トランスビュー)を読みました。
ギルバート・キース・チェスタトン(1874-1936)と柳田国男の論が紹介されていました。
- 今の人間が投票権を独占することは、たまたま生きて動いているというだけで生者の
傲慢な寡頭政治以外の何ものでもない
- われわれは死者を会議に招かなければならない
- 今の人間だけが社会を構成し、社会の参加者として意見するだけでなく、死者の希望
や、これから生まれてくる人間の利益を考慮すべきだ
初めて知った、そんな考え方があったのだと衝撃を感じたのですが、
今回「常民教育論」を再読して、30年以上前に自分がメモしていたことに気付き、
それを記憶していなかったことに驚きました。
今回は、4月3日に続いて長浜功さんの
「常民教育論」の紹介 4回目です。
教育に民俗学を取り入れることが必要だと感じています。
そう思わせてくれた面白い本です。興味をもたれた方は、ぜひお読みください。
出版社の案内には、
「柳田国男は戦後日本の混乱と低迷を憂い、監修者となって国語と社会の教科書をつくっ
た。しかし教育界からは無視されて、この教科書は短命に終わった。この柳田の『常民
教育』が教育に生かされていたならば今日の教育の混乱はなかった、と教育学から柳田
に挑戦する。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「 いつも力を合わせていこう
かげでコソコソしないでいこう
働くことが一番好きになろう
何でもなぜと考えよう
いつでも、もっといい方法はないか探そう」
- わたしたちの世代くらいまででしょう、無着成恭さんの語り口を覚えているのは。
・「柳田教育学(は)『疑問を大切にする教育』」
・「文句の力を借りることなく互いに諒解するだけの道が嘗ては備わっていた」
・「農民は昔も今も虚言を述べぬ人である。さうして最も人の言を信じやすい人である」
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ④
◇柳田教育学の諸相(1)
□柳田学
「連ねる論理」梅棹忠男 と 「接ぎ木の思想」谷川健一
□疑問と教育
日本の学校は偽善的
タテマエだけ教える
|
無着成恭のスローガン
「本音を大切にする」
『山びこ学校』無着成恭の教育方針
いつも力を合わせていこう
かげでコソコソしないでいこう
働くことが一番好きになろう
何でもなぜと考えよう
いつでも、もっといい方法はないか探そう
柳田教育学「疑問を大切にする教育」
分からないことを分からないと言う勇気
×よく分からない
○分からない
※ 分かるか分からないかのどちらか
□児童観と児童論
人の一生
おひのべ 懐妊
帯祝い 5か月目
産立式 出産
紐落とし 3歳
はかま着 5歳
氏子入り 7歳
成年式 15歳
国替え 死亡
個霊 年忌 年祭
祖霊(33年目)年中行事(節句)
神霊 氏神祭り
(庄司和晃『柳田民俗学の子ども観』1979明治図書)
柳田国男
『日本の社会』6年下 実業之日本社 1954
|
子供の世界をもっとのびのびとさせるとともに、大人への橋渡しとしての時代を社会的
に容認すると言うこと
= 子供の主権の回復
□群れと集団
『時代ト農政』1910 定本第16巻
例えばここに百人の住民があって其の51人が賛成すれば残りの49人如何に苦痛を感
じるものがあってもそれが適当な政治といふことになる。是はあとから産まれてくる子孫
の町村住民に対して非常に無責任千万な話であります。現在活きて居る人ばかりが日本国
民ではない、日本国家は千万年も続かなければならぬ。我々日本国民は何億兆もあとに控
えて居るのである。一個人が私事を経営するには自分の利益に依れば宜しいのに、それで
も子孫の計算をする。況や一国の経済政策の未来を考えるときは活きて居る人ばかりの利
益の赴くところに任せてならぬのは当然です。
↑
① 少数者尊重の思想
② 計画の長期性
③ 集団の調和
= 文句の力を借りることなく互いに諒解するだけの道が嘗ては備わっていた
※ 調和のない一致は有害に決まっている
柳田 - 農民に同情
「農民は昔も今も虚言を述べぬ人である。さうして最も人の言を信じやすい人である」
群の力 ~ 「調和」「妥協」
地域の教育 = 群の力