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「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑤ [読書記録 教育]

「子供と向き合う教師
① 子供の切なる疑問に真剣に答えようとする教師
② 日々学び続けることを怠らない教師」


「『社会人生』」を今の教育は教えているだろうか?」
- (勉強だけが勉強ではないということでしょうか)







今回は、4月19日に続いて長浜功さんの
「常民教育論」の紹介 5回目です。


わたしに民俗学と教育とつながりを教えてくれた一冊です。




出版社の案内には、


「柳田国男は戦後日本の混乱と低迷を憂い、監修者となって国語と社会の教科書をつくっ
 た。しかし教育界からは無視されて、この教科書は短命に終わった。この柳田の『常民
 教育』が教育に生かされていたならば今日の教育の混乱はなかった、と教育学から柳田
 に挑戦する。」



とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「ウソの効用 - 円滑油の役割」
「<ウソ>て<イツワリ>の違い」


・「柳田は既成史学(①文献中心主義 ②英雄支配者中心主義)へ批判と不信」
- 文献史学、考古学、民俗学それぞれが歴史の楽しさを教えてくれます。


・「今の教師は『取次屋』にすぎない」








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☆「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑤

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◇柳田教育学の諸相(2)

□ウソと笑い

 群れの力の社会 = 世の中



 カンやコツ



「笑いは刃物以外の最も鋭利な武器であって、之によって敵を消気させ味方を元気
  づける力は大きなものであった」



ウソの効用 - 円滑油の役割



古人  
遊びとして笑いを誘う冗談としてのウソ

容易に人がウソだと心づいて共々に笑ひ得るような話をした



ウソは本来無邪気なものであった

    <ウソ>て<イツワリ>の違い





□史心の形成
 
 史心 
  - 大事なのが「歴史の学問」



 ※ 客観的に自分の成すべきことを悟り得、また素養と知識をもって次の判断を正確に
  することにある



 国の歩みは国民の歩みだ!
常民の基礎学力としての学問



 柳田 → 既成史学へ批判と不信

  ①文献中心主義

  ②英雄支配者中心主義


※「自分は正直にものを言うならば風俗に安土桃山時代等の区切りのあることをちっとも
  信じない。是が単なる説明の便宜或いは回顧の目標というならば格別、もしも秀吉が
  出てから乃至基経が関白になってから忽然として異なる形の世相が出現したように教
  えようとするものがあったら無法である」



 ① 学習者の自発性とその尊重

 ② 原因を探求していく疑問の重視



 興味づけるタイトル P167~181
「日本の社会」(1~6年)実業之日本社
 




□教師論

 柳田国男 
  著作の読者を小学校教師に限定 = 厚い本を作らず値段を給料一日分

   ・地方民俗資料収集にはムラのインテリが必要

・教育的なる問い



 具現者・実践者 教師への期待



柳田理論の語り部は教師

→ 「社会人生」を今の教育は教えているだろうか?


 
 教師の責務 
   知識欲に応答せしむ先輩



  要務は児童の疑いの整理

↑↓

今の教師は「取次屋」にすぎない



子供と向き合う教師
① 子供の切なる疑問に真剣に答えようとする教師

   ② 日々学び続けることを怠らない教師


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