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「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑥ [読書記録 民俗]

今回は、4月22日に続いて長浜功さんの
「常民教育論」の紹介 6回目です。


わたしに教育と民俗学とのつながりを教えてくれた一冊です。




出版社の案内には、


「柳田国男は戦後日本の混乱と低迷を憂い、監修者となって国語と社会の教科書をつくっ
 た。しかし教育界からは無視されて、この教科書は短命に終わった。この柳田の『常民
 教育』が教育に生かされていたならば今日の教育の混乱はなかった、と教育学から柳田
 に挑戦する。」



とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「地域の教科書を!」


・「現在は(氏存命の頃) 人間を知らない教育論 子供を知らない教育論」


・「柳田国男 
  ① 義務教育期 『平凡人』の教育  中以下に合わせる
 ② 高校教育期 『平凡人以上』の教育」


・「柳田国男(の)国語教育重視(は)良き選挙民をつくる(ため)= 判断力を持つ人間」
- このごろの投票率を見ると…




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☆「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑥

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◇柳田国語教科書の骨格(1)

□柳田国男の情熱


 唐沢富太郎『教科書の歴史』偕成社1980
教科書が日本人をつくった



 柳田国男
   もとは教科書不要論者 ~ 画一形式性



社会科 
    全国どこへ持っていってもとにかく間に合うものにしようとしたらいい加減にな
   ることは、まず請け合い



    地域の教科書を!
 




□独特の教科書観

 柳田国男 
   目先主義に陥ることなく時流におもねることのない独自の領域を開拓



現在は…  人間を知らない教育論

子供を知らない教育論
 




□表現力と判断力

 柳田国男の教科書 
   国語と社会科

谷川彰英他『文明と伝統の授業』明治図書



普及せず



 庄司和晃
  「史心と風土観という二本柱に対する教師の力量不足」
 


 柳田国男 
   ① 義務教育期 「平凡人」の教育  中以下に合わせる

   ② 高校教育期 「平凡人以上」の教育

       ↑

   国語教育 (1)表現力の問題

(2)判断力の問題



とりわけ「日本人に表現力をつけさせること」



 表現力 ~ 話し方、文章力

表現力は話し方を第一歩とする

口達者 - 大抵考えなしにものを言う人 ×



簡潔な表現力の教育
◎ かいつまんで言う
 




□中学国語の構成

 柳田国男中学国語 P204~215

- 話し方や書き方の表現力に非常な力を入れた
 




□判断力の構想

 柳田国男 
   国語教育重視 - 良き選挙民をつくる = 判断力を持つ人間

  「ことわざ」「なぞ」を積極的に取り入れた
 



□「はなむけ」の言葉

はなむけの言葉-青年期の話 P225~228
 




□無知の相続

一年(下)
  「無知の相続」-日本人全体への警鐘

   無知は偉大なる遺産である

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