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「教師の資質」諸富祥彦 朝日新聞出版 2013年 ② / 「教室に正義を」諸富祥彦 図書文化 2007年【再掲載2011.6】 [読書記録 教育]

☆学校休業中の子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」






「1990年代半ば
 親や子どもが教師をコントロールし始めた時代
 ①『わがままを貫き通せば先生はわたしたちの言いなりになるんだ。コントロールで
   きるんだ』という風潮が高まる 
  ② 保護者の変質
 親が子どもの言い分を文字通りそのまま受けとめ事実と信じてしまう
 子どもと親が結託して教師をコントロールする時代になった。」   








今回は、5月3日に続いて、諸富祥彦さんの
「教師の本質」2回目を紹介します。


諸富祥彦さん、本も、話もおもしろく、現場をよくご存じだと分かります。


状況はさらに厳しくなっていると思います。
やりがいを感じることができるのが支えですが…。




出版社の案内には、


「教師の不祥事が取りざたされる今、本当に優れた教師は何をしているのか?いじめへの
 ずさんな対応、体罰、暴言…教師の問題が注目されている現代で、本当に求められる
 資質とは何なのか。『教師を支える会』代表として、全国の学校の問題に取り組んで
 きた著者が、最先端の教師像を説く。」



とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「親から『教師になるのは辞めなさい』と言われた学生たち」


・「教師の鬱病は一般企業の2.5倍」


・「学級経営、生徒指導の困難
 傷つきやすい子どもと傷つきやすい保護者」


・「東京都 降格希望者が多く、副校長の選考試験は1.1倍(朝日新聞夕刊 2011.10.25)」





もう一つ、再掲載となりますが、同じく諸富祥彦さんの
「教室に正義を」を載せます。
「いじめ」課題解決のヒントが書かれています。





高校時代の同級生の新卒の息子さんが同僚として、職場にやってきました。
同級生の彼が、自らの姿等で上手に教職の魅力を伝えたのだなと思います。
わたしの子どもたちは、2人とも教職とは別の道に進みましたが、
2人が教職を希望したとしたらどう助言しただろうかと考えることもあります。
労働条件、これからさらに厳しくなると想像される環境等を考えると、
新しく教職に就こうとする若者を頼もしく感じます。





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☆「教師の資質」諸富祥彦 朝日新聞出版 2013年 ②

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◇教師を取り巻く過酷な現状 - 壊れていく教師(1)

□親から「教師になるのは辞めなさい」と言われた学生たち


 

□現代はまさに「教師受難の時代」である
   
 以前は自分の子どもに「教師になる」と言われて反対する親などいなかった
           

 → 「辞めなさい」と言われる人が増えた

 


□教師の鬱病は一般企業の2.5倍    

 精神疾患病気休職者はこの10年間で2倍以上

 


□教師を追い込む4つの要因
   
① 多忙さ

  多くの書類に追われている
 

② 学級経営、生徒指導の困難

  傷つきやすい子どもと傷つきやすい保護者
 

③ 保護者対応の難しさ
 

④ 同僚や管理職との人間関係の難しさ

  自己管理自己責任 ~ 支え合いが困難に

 


□学校の「何でも屋」教頭(副校長)のなり手がいない

 東京都公立小中副校長の実に35%が重篤なバーンアウト症状 = 3人に1人

 
 2010.9~10月 副校長 一日平均 12時間19分


 2週間都教委 
  9割は休日の半数以上が勤務

  3割が休日全て出勤

  電話対応書類作成

  休職は校長の2.8倍



 東京都
   降格希望者が多く、副校長の選考試験は1.1倍
             (朝日新聞夕刊 2011.10.25)
     

「校長・副校長などの管理職になると寿命が4~5年縮まる」

 


□教師はどのようにして心を壊すに至るのか  

◎親や子どもが教師をコントロールし始めた時代
   
① 1990年代半ば

「わがままを貫き通せば先生はわたしたちの言いなりになるんだ。コントロールできる
 んだ」
  
 という風潮が高まる 


② 保護者の変質

親が子どもの言い分を文字通りそのまま受けとめ事実と信じてしまう
 
      ∥

※ 子どもと親が結託して教師をコントロールする時代になった   









☆「教室に正義を」諸富祥彦 図書文化 2007年【再掲載2011.6】

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◇はじめに

□執筆目的
 
 ① どうすれば,いじめられている子を救えるのか? 

 ② どうすれば,いじめを許さない「正義の子ども」を育てることができるか?





◇現代のいじめ

1.いじめられている子の行動の特徴

 □いじめ問題の根深さ - 強い自己否定


 □いじめを相談しようとしない
  理由
   ① 親に迷惑を掛けたくない,心配させたくない
 
   ② 親(先生)に言うと,もっといじめがひどくなる

   ③ 言うと自分がいじめられていることが周囲に知れてしまい事実が固定化され
    てしまうのがこわい

     ↓

□無理に学校に通い続ける
 理由 
  ① 学校を休むと「親にちくった」と思われ,さらにいじめがひどくなるのではな
   いかと不安に感じる

  ② 学校をしばらく休んだ後,他の子にどう見られるかが怖い



2.現代のいじめが見えにくい,これだけの理由

□いじめが起こる年齢
      
 小学校が多い - 深刻なのは中学生


□動機と対処方法
     
 「がまん」 → がまんするからこそいじめが継続


□2種類の「いじめ」

 ① 快楽主義的ないじめ
   「力が弱いから」「態度が鈍いから」など

 ② 教育的動機によるいじめ
   「あの人のこんなところが悪いから」


□「○○ができないあの子はよくないから」
  (暗にあの子のためを隠れ蓑に)


□教育的動機によるいじめの危険性

 「相手に悪い所があるんだから…」と正当化
 
  → ブレーキが利きにくい

    |

 教師までも 
   ◎「どんなことがあってもいじめはいけない」伝達
現代の「いじめられっ子」の特徴


□対象
 
 -「一見わがままで生意気な子」

 ※ わがままで強気で言葉も汚い「いじめられている子」に幻惑されないでほしい
        
  ~ 背後にある子どもたちの心のダメージ



3.いじめられている子が出す「サイン」

□いじめの3つのサイン

 ① 言語化 
  「つらい」「いたくないよ」 

  ← ×気にするな,もっと強くなれ、あなたにも悪い所が
  
 ② 症状化  
   身体的不調(特に消化器系,不眠)


 ③ 行動化  
   普段と行動が変わる
   
   ~ 交友関係の変化


□サインをつかんだ後の聞き方

「もしかしたら自分がいじめられているんじゃないかな,なんて思うこともあるかな?」





◇いじめが起きた!まず対応せよ!緊急対応の7か条
□第1条 教師と保護者から言ってはいけない3つの言葉

 ◎だめな3つの言葉


<以下略>


「教室に正義を」のつづきはこちら

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