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参観会・懇談会資料 ⑫  / 「座右の山本夏彦」 嶋中労 中央公論新社 ①【再掲載 2013.5】 [読書記録 教育]

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「人は人を浴びて人となる」 三輪信一






今回は、わたしの教育ノートから、5月1日に続いて、
キーワード「参観会・懇談会資料」12回目の紹介です。



懇談会資料として使えると思ったものを
教育雑誌、教育書籍より、ノートに書き留めたものです。



今回も前回に続き、草柳大蔵さんが書かれたものからの要約です。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「躾の日管」
- 高校に通う頃、看板を見て、どんな意味だろうと思っていました。
  

・「箸の上げ下ろしや歩き方、返事の仕方といった、社会人としての躾というよりも、ど
  うやって仕事の中で自分を生かすか、ということのための躾です。」



・「運転手さんを待たせるのはかわいそうだ。そういうことを日本中の社長がやっている
  けれど、運転手の身になつたことがあるのだろうか?」



学校の設備工事の請負は日管さんでした。
学年花壇の草取りをしていたとき、
用足しのため、脇を通る作業の方が、その都度、
「お早うございます。」
と気持ちよくあいさつをしていってくれました。
さわやかな気分になりました。






もう一つ、再掲載となりますが、嶋中労さんの
「座右の山本夏彦」①を載せます。
辛口の山本夏彦さん、今このコロナ禍の世にいたら、何を語るのだろうと思います。



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☆参観会・懇談会資料 ⑫ 


◇草柳大蔵

□人を浴びて人となる

 今日は5月13日ですが、ちょうど1カ月前の4月13日に、株式会社日管の社長さん
で、浜松の名経営者といわれた三輪信一さんという方が亡くなりました。


 86歳でした。


 浜松近辺はもちろん、日本全国でも知られている方です。


 というのは、「躾の日管」という面白い看板をビルに掲げていらっしゃって、実際に社
員に対する躾をきちんとなさっていたんですね。


 それは、箸の上げ下ろしや歩き方、返事の仕方といった、社会人としての躾というより
も、どうやって仕事の中で自分を生かすか、ということのための躾です。


 自分を生かせば、人生がそれだけ楽しくなる。


 三輪さんは、一貫してずっと「躾の日管」でやっていらっしゃって、大変な人格者だと
いう印象があります。


 何度もお目に掛かりましたが、教えられることがたくさんありました。


 三輪さんは、

「この本を人に読んでもらいたい。自分だけが読んで感動したのではもったいない」

とお考えになると、ご自分のポケットマネーで本を百冊も二百冊もお買いになって、方々
の知人にお分けになっているんですよ。


 私も十冊ほど頂きました。


 三輪さんが、日本生産性本部から講演を頼まれたとき、自分みたいな人間がどうして日
本経営者に講演ができるだろうか、と思われまして、禊するつもりで、当時の山口県の長
府製作所の尊敬する社長さんのところへ、浜松からわざわざ教えを請いに行かれました。


 その社長さんがいろいろなことを教えてくださるのですが、日常的に非常に身を慎まれ
る方で、会社の車に乗ってお料理屋などに行くと、

「運転手さんを待たせるのはかわいそうだ。そういうことを日本中の社長がやっているけ
 れど、運転手の身になつたことがあるのだろうか?」

というお話をされるんですね。


 三輪さんはとても厳しい方かと思ったら、しょっちゅう人に会って、勉強していらっし
やる。


 そのことを、


「人は人を浴びて人となる」


とひと言でおっしゃるんです。


 教育、あるいは人づくりとは、こういうことなんですね。


 これからはぜひ地域社会で、あるいは家庭同士で、子どもたちになるべく人を洛びるよ
うな機会をつくつてやってほしいと思うんです。


 三輪さんのように本をあげるということは、もらった人がその本を読むことによって、
その本を書いた人の人格を浴びることになるんですね。


 水掛け遊びというものがありますが、人格の水掛け遊びみたいなものをしてみてはどう
でしょうか。















☆「座右の山本夏彦」 嶋中労 中央公論新社 ①【再掲載 2013.5】

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◇夏彦小伝
□一つとしてダメとムダでないものはない

 山本夏彦 
  ・大正4(1915)年6.15 父は新体詩人の山本三郎(露葉)

  ・祖父は山本義上「明治三大金貸しの一人」金利生活者
      
  ・父露葉の友人の無想庵武林盛一とパリへ(3年近くパリで生活)
昭和14(1919)年『年を歴たワニの話』翻訳



□時に軽やかに,時にしたたかに
 
 工作社主宰  
  
 昭和19(1924)年宮崎すみ子と結婚 長女・しな子  長男・伊吾

 昭和59(1984)年 第32回菊池寛賞



□女性だけは例外だったようで 

 朝日・良心・文化 大嫌い


 雑誌「室内」主宰
  そこから 安倍譲二,出久根達郎,河原晋也,中野翠






◇人悉凡愚
 
□「まねてまねてまねせよ」 
    
 ◎真の独創を育てたいのなら,まず型にはめることだ


 
 ◎「古人は地を易うれば皆然り,といった」

  自分を棚に上げた正義,嫉妬に化けた正義に対しては厳しかった



 ◎「正直者は馬鹿を見ると言う言葉が嫌いである。ほとんど憎んでいる」

  「犬のふり見て我がふり直せ」が口癖  →  騙される方も悪い

  
 
 ◎「ひとたびできてしまったものは,できない前に戻れない」 

   交通機関の発達こそが諸悪の根源
  
    → 汽車・電話の発明は人間に不安をもたらした

  ※ 時間と空間を征する物は魔物に他ならず,その分だけヒマができたかというと
   ますます忙しくなるばかりである。


 
 ◎「機会アレバ必ず機事アリ」

   生活が便利になっても幸福とは関係ない

※パパラギ … メカニズムの進歩が人間の生活をますます険しく不自由にしている


 ◎「論より証拠というより,証拠より論の時代なのである」

  「軍隊の下半身問題」に関しては,すねに傷を持たない国はない


 
 ◎「人前で立派なことを言う人なら,たいてい嘘つきである」

  どこからも文句の付けようのない言葉はうさんくさいもの - 正義をまとった言葉は眉唾物


 
 ◎「美しければすべては許される」

   蕪村,魯山人,荷風,啄木


 
 ◎「善良というものは,たまらぬものだ。危険なものだ。殺せと言えば殺すものだ」





◇無為自然
 
 ◎「教育の普及は浮薄の普及」齋藤緑雨



 ◎「先方から押しかけてくる芸にろくなものはない」

  タダほど悪いものはない



 ◎「梨園の名門というのは,乞食の中の名門と言うほどのことで笑止である」



 ◎「職業に貴賤なし,というがウソである」



 ◎「この世の中にニュースはない」



 ◎「事件があるから報道があるのではない。報道があるから事件があるのである」



 ◎「相田みつをの『人間だもの』を見るとゾッとする」

まじめなことをまじめくさって言うのは野暮である



 ◎「話し合いという言葉をわたしは嫌いだしむしろ憎んでいる」



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