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「子どもの発達が気になったらはじめに読む発達心理・発達相談の本」加藤弘通・岡田智 ナツメ社 2019年 ①  /  「佐世保の少女殺人事件について、いま改めて考えるべきこと-IT時代の子育てには新しい発想が必要になろう」下田博次(群馬大学社会情報学部教授) 『月刊少年育成』2004.9【再掲載 2011.8】 [読書記録 教育]

「9~10歳ごろに発達する『相手の気持ちを考える力』は他者に『優しくなれる力』にも
 『いじめる力』にも、さらには『学習を進めていく力』にもなる」






今回は、加藤弘通さん、岡田智さんの、
「子どもの発達が気になったらはじめに読む発達心理・発達相談の本」①を紹介します。



子どもの健やかな発達を願うことはどの方も思うことです。
発達心理、発達相談について書かれた本です。



出版社の案内には、

「『発達心理学』と『発達相談知』の知識に照らしながら、『子どもに起こっていること』
 や『子どもの気持ち』を、いつもと少し違う視点から理解し、どうやって子どもに接し、
 生活の場面で工夫していけばよいかを具体的に解説しています。」

とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「発達することで問題も起こせるようになる」
「発達とは良いことばかりではない」


・「発達とは『同じ』になりつつ『違う存在』になっていくこと」


・「子どもがみんなと同じになるように働きかけつつも、同時にその子の個性を大切にし
  ていく」


・「発達には『良い』も『悪い』もありません」


・「『イライラするのはわたしがきちんと子育てをしているから』という視点も!」









もう一つ、再掲載となりますが、『月刊少年育成」2004年9月号より、下田博次さんの
「IT時代の子育てには新しい発想が必要になろう」を載せます。

※ 大変長くなってしまいますが、大切な提言だと思いますので、時間のある方はぜひ、
 下田博次さんの提言をお読みください。


 携帯電話からスマホの時代になり、当時よりさらに便利に、さらに危うくになっていま
す。

文章の中の


・なにしろ我々大人は国策的に、インターネットを子供らに使わせようとしてきたからだ。

・インターネットのメディア理解には、有害情報の判断力の問題も含めて常識がいるのだ。
 だから子供の発達段階に応じて、何歳から、どのように使わせるかを大人が考えなけれ
 ばいけない。

・最近、頻繁に「子供のインターネット利用にフィルタリング・ソフトの利用が必要」と
 いう声を聞く、しかし、低学年になればなるほどコンピュータによるフィルタリングよ
 り、親や兄弟、本屋のおじさんや先生など家庭や地域社会の人間フィルタリングのカが
 必要だと思う。

・教育や子育て、人間社会の問題をコンピュータは解決できない。人間の知恵や愛情が、
 まず第一なのだ。



その通りだと感じます。


大人の目が何より大切になります。





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☆「子どもの発達が気になったらはじめに読む発達心理・発達相談の本」加藤弘通・岡田智 ナツメ社 2019年 ①

1.jpg

◇発達のとらえ方

 感情の発達            発達心理学

 体の発達        → 

 自己意識の発達          発達相談 

 ことばの発達






◇発達とは

□発達とは何だろう

 ① できないことができるようになること

    発達 = よくなっていくこと?


 ②「問題」も起こせるようになること

    〇「9~10歳ぐらいにならないと自殺することができない」

    = 発達することで自殺をすることができるようになる

  「発達することで問題も起こせるようになる」

  「発達とは良いことばかりではない」


 ③「同じ」になりつつ「違う存在」になっていくこと

  1 「みんなと同じになっていく」道筋
     〇か月ぐらいで首が座り始め、

     〇歳ぐらいで歩けるようになり、

     〇歳ぐらいで話ができるようになる
 

  2 「みんなと違うようになっていく」道筋

    「個性」とか「キャラ」

       ↓ 


◎「発達に沿ったかかわり」「発達に応じた教育」

  = 子どもがみんなと同じになるように働きかけつつも、同時にその子の個性を大切
   にしていく


 ※問題 = 発達の可能性を秘めたもの =様々な角度から





□「問題」とは何だろう

◎ 子供が問題を起こすのは発達しているからでもあるため、問題に発達の兆しを見つけ
 ることが重要
 
① 大きく発達が進む時期
 
   9~10歳前後(自殺が可能になる)

  1 より深く相手の気持ちを考えられるようになる

   二次的信念
 
   「私はあなたが好きだ」ってことを、あなたに知られていないか      
 
    = 「駆け引き」ができるようになる
    

  2 深刻な問題が現れる時期
  
    小3~小5

    いじめが陰湿化する
     「どうすれば相手がダメージを受けるか」分かるようになる

     「私がいじめている子のことをどう思っているか」を、先生がどう思っている
      か

      ~ 巧妙に隠すことができる
    

  3 環境によって力を使う方向がかわる
  
   ◎発達には「良い」も「悪い」もありません
 



②発達と学力の関係

「ごんぎつね」
  「『ごんが兵十のことをどう思っていたか』を兵十がどう思っているか」が理解でき
  ないと、悲劇としての「ごんぎつね」を味わうことは難しい
    

 問題が起こせるようになった背景をとらえる
   9~10歳ごろに発達する「相手の気持ちを考える力」は他者に「優しくなれる力」
  にも「いじめる力」にも、さらには「学習を進めていく力」にもなる
    

 「問題の中に発達を見る」




③ 問題が起こりやすい時期  第一次反抗期
    
 ◎ 大人が子供にイライラするときは、子供が大きく発達している時期
    

 問題が起こりやすいのはどんな時? 
   児童相談所年齢別相談件数(厚労省H21)
 
   一つ目の山  2~3歳を頂とする山


   二つ目の山  11歳ぐらいから増加していて13~14歳を頂点とする山
    

 自分でやりたい2歳児
  「見てえ」多用
 
  「手を出さないで(見るだけにしてて)」

   パニックになるのは自分が育ってきているから
    

 親の「孤立」が養育に影響することもある
  「イライラするのはわたしがきちんと子育てをしているから」という視点も!




















☆佐世保の少女殺人事件について、いま改めて考えるべきこと 「IT時代の子育てには新しい発想が必要になろう」下田博次(群馬大学社会情報学部教授) 『月刊少年育成』2004.9【再掲載 2011.8】

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◇子供を守り育てられない現状を直視しよう

 本当に痛ましい事件が起きた。長崎県佐世保市の大久保小学校で、6年生の御手洗怜美
さん(12)がカッターナイフで首を切り付けられ死亡した事件のことである。


 最初はインターネット利用が絡む事件とは思っていなかった。


 新聞社から最初の取材の申し込みがあった6月2日朝の時点では、発作的あるいは突発
的、衝動的な喧嘩の果てのことか、と思った。


 勿論対面しての喧嘩という意味だ。しかし、あるいはという気持ちもあった。


 というのも、昨年から今年にかけて2件の、小学校でのネット利用型イジメの相談を受
けていたからだ。



 そのうちのひとつは、今回の佐世保市のケースに似ていて、殺人には至らなかったもの
の、小学校6年の女の子達のインターネット利用上のトラブル(喧嘩)だった。だから、
今回の事件もインターネットもしくは携帯電話がらみでは? という気もしていた。



 はたして、しばらくしてから「県警佐世保署に補導された同級生の女児(11)が動機について、『インターネット上で、自分のことについて怜美さんが書き込んだ内容が面白くな
かった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった』と供述していることが、わかった」
というニュースが入ってきた。


 それからテレビ局や新聞社の方々が研究室に取材に来るという事態になった。


 全貌は未だ判然としてはいないが、正直言って、伝えられるようにネットヘの書き込み
が事件のきっかけとなり加害者少女を殺人に駆り立てたのなら、殺された少女は勿論のこ
と加害少女も含め、彼女らは、情報時代に子供を守ってやれない愚かで無力な我々日本の
大人の犠牲者だと言わざるを得ない。


 なにしろ我々大人は国策的に、インターネットを子供らに使わせようとしてきたからだ。


 これまで主張してきたように、我々日本の大人は、インターネットや携帯電話など新い
メディアを、甘く見ているのではないのか。



 というより、子供への影響という視点でなく「儲かるか、面白いか」という産業的ある
いは娯楽的な大人の思惑だけで、深く考えることなく、子供にインターネットを使うこと
をすすめたりしているのではないか、と心配してきたのだ。


 今回は、インターネットでの文字による対話の問題(フレーミング)に焦点が当たって
きたようで、私もその視点からテレビで解説をしたのだが、重要な事は、子供達のネット
での書き込みの喧嘩に、大人が口出しできないことである。


 以前なら眼の前の子どもの喧嘩には、親や教師、それに近所の大人が介入したり、注意、
指導ができた。しかし今やそれが簡単には、できない。IT時代の子育てには新しい発想
が必要になろう。




 今回の事件では、ネットでの書き込み問題だけに焦点が当たったようにみえるが、その
他のインターネットというメディアの特性理解、たとえば匿名性やら仮名のコミュニケー
ションさらには有害情報問題など全体的なメディア理解(インターネットリテラシー)が
必要になるはずだ。


 さらにいえば、今回は子供たちのパソコンからのインターネット利用に焦点があてられ
ているが、これからは携帯電話からのインターネット利用問題理解のほうがもっと重要に
なるということを知る必要があると思う。


 理由は、携帯インターネット利用の低年齢化が、これから急速に進むからだ。




 このほか、もうひとつ指摘しておかなければいけないことがある。それは、「学校でき
ちんと子供に教えろ」という主張である。


 しかし、子供達に必要以上に早く、しかもこれ以上何もかも教えられるのだろうか。


 インターネットのメディア理解には、有害情報の判断力の問題も含めて常識がいるのだ。
だから子供の発達段階に応じて、何歳から、どのように使わせるかを大人が考えなければ
いけない。


 また子供達のインターネット、携帯電話利用は家庭で活発化している。子供の最終責任
者は保護者なのだから、IT時代の大人、保護者の学習(相互学習など)機会の拡大が家
庭や地域社会において必要だろう。



 とくに携帯インターネット時代では、パソコンと携帯電話利用が連動していくことから
も、家庭・地域社会での生涯学習システムが必要になるはずだ。お父さんやお母さん、そ
れにlTに強い地域の大人たちがお互いに子供のネット利用について情報交換したり、注
意しあったり、学びあったりする必要があると思うのである。






◇学校外利用に注意を

 IT時代の子育てを、学校だけに任せられないという理由のひとつが、インターネット
の学校外利用の広がりである。


 パソコンだけでなく携帯電話からのインターネット利用も含めて、学校で管理された状
態での、子供達のインターネット利用よりも、学校外での無管理状態でのインターネット
利用のほうが時間的にも多いし、もちろん利用の中身も危ない。              

 私が、アフタースクール・インターネットと分類する、子供の学校外ネット利用のなか
には、Cafestaとか「ふみコミュ」あるいはジオシティーズといったサイトなどという人
気サイト利用がある。


 例えばふみコミュ(ふみコミュニティ)についていえば、このサイトの利用者は小中学
校の生徒、それも女子生徒らが中心で、一日に十万という数のアクセスがあるネット上で
の新しい遊び場だ。


 このサイトは全体に少女趣味に彩られており、ネット上での、プリ交(プリクラ交換)
やプリクラの裏技などが人気で、子供の秘密基地的な印象が強い。


 女の子が夢中になるプリタラ遊びでは、これまで地域の顔の見える関係でプリ交が行わ
れていたが、ネットを使えば知らない人のブリクラをあつめることができる。


 プリクラ掲示板でメル友募集なども行われている。そのために小中高生の人気がでてい
るのだろうが、これは一口に言えば、子供向けの出会い系サイトだ。


 ここに悪い考えの大人が入ったら大変な事になりそうだ。




 実際に、こういうサイトは一歩間違えると危険だ。例えばプリ交(プリクラ交換)は安
易に住所を教えてしまったりして、とても危険だ。


 ミサンガ(刺繍糸で作る手づくりのお守り)の作り方等を150円で売っていたり、メン
コの売買のようにプリクラを売ったりお金が絡んでくるので、金銭的なトラブルも予想で
きる。


 プリクラ掲示板ではプリクラとくに顔写真が出てしまうので、悪用されたら危険だ。



 Cafestaは「ふみコミュ」に比べていくぶん大人っぼい。中学3年から高校生くらいの
ユーザーを狙っている。大人でも利用でき、カワイイというよりおしゃれな印象。いたる
ところにアバターが使われている。登録料は無料(無料というところがポイント)。登録
するとまずはcafesta内で使える商品券がもらえ利用者はお得な気分になる。


 このサイトの魅力は変身だろう。サイトの中の有料アバターを通してバーチャルな自分
に変身できる。その時々の人気映画と連携し、映画の主人公のアバター(衣装)を限定ア
イテムとして売り出している。そうしたアバターを通して主人公になりきれる。HPも、
お金をだせば満足いくものを簡単に作ることができる。



 アバター遊びは、子供のお小遣いででき、支払いはコンビニでも簡単にできる。


 親の管理外である。


 このサイトでは利用者が自然にお金を使いたくなるシステムが出来ている。サイトでの
インターネットショッピングなどもはまりやすい。




 cafestaとふみコミュとの共通点は、HPにランキングをつけ競わせていること。また子
供向けのアンケート調査が実施され、携帯電話からの書き込みが可能という点だ。



 このような子供の遊び場がパソコンや携帯電話のネットワーク上にできていることを大
人は知る必要がある。






◇コンピュータより人間フィルタリングを

 インターネット時代の子育てで必要なことは、まず知ること、知る努力だ。


 最近、頻繁に「子供のインターネット利用にフィルタリング・ソフトの利用が必要」と
いう声を聞く、しかし、低学年になればなるほどコンピュータによるフィルタリングより、
親や兄弟、本屋のおじさんや先生など家庭や地域社会の人間フィルタリングのカが必要だ
と思う。



 かつて、インターネット・携帯電話が無かったときには、子供に対して、親の頭越しに
直接メディアから情報が注がれる事は無かった。


 思春期の子供達が猥褻な図書や薬物を欲しがったりしても、簡単には入手できない。本
であれば、本屋さんのおじさんが子供らに注意したり、売ったりしなかった。



 仮に子供が、有害図書を家に持ち込んでも親の目があった。私はこのような地域のおと
なの眼を人間フィルタリングと呼んでいる。



 そうした社会では、ご禁制の薬物なども、もちろん、大人の社会の闇の世界だけの話で
あった。それがいまや、パソコンや携帯電話などで、子供に直接猥褻情報、犯罪的情報が
送りつけられる。



 これは、インターネットのダイレクト,コミュニケーションの力だ。



 この便利なメディアのカが子供達にどのように影響するかについては、ハイテク信仰や
ハイテクブームの日本のなかで、これまで真剣に心配されてこなかった。


 いまや、子供にとって好ましくない、あるいは有害な情報は、親や大人のフィルターを
通してチェックできないのである。そのことをまず直視してかからなくてはいけない。


 子供達に気楽に買い与えているインターネット・パソコンあるいはインターネットので
きる携帯電話から、ダイレクトに子供に、良い悪いの区別なくあらゆる情報が入ってくる。


 だからコンピュータを使って情報の選別(フィルタリング)をしようというのだが、コ
ンピュータは、もちろん、そんなことを完全にはできない。人工知能でも常識は扱えない
し、抜け穴はいっぱいだ。




 教育や子育て、人間社会の問題をコンピュータは解決できない。人間の知恵や愛情が、
まず第一なのだ。




 コンピュータフィルタリングは使うにこしたことはないが、これだけでなく人間フィル
タリングを組み合わせた仕組み、ノウハウを作らなくてはいけない。


 最終的には、子供を守り、サポートするこれまでにない新しい社会的フィルタリング・
システム作りが必要だと思う。


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