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「時代を拓いた教師たちⅡ」田中耕治 日本標準 2009年 ① / 「千年樫の下に これからの子どもたちをどう育てるか」扇谷正造 あいうえお館 1985年 ①【再掲載 2014.7】 [読書記録 教育]

今回は、田中耕治さんの、
「時代を拓いた教師たちⅡ」1回目の紹介です。



戦後教育実践の流れがよく分かる本です。


出版社の案内には、


「発言したくてたまらない。子どもたちが心待ちにする授業とは―教育実践の豊かな蓄積
 が、混迷する現代を切り拓く。」


とあります。






今回紹介分(『実践記録』の性格と方法を巡って)より強く印象に残った言葉は…

・「生活綴り方実践記録ブーム」


・「実践記録は教師の生活綴り方 生活記録
実践を中核にすべてを含む + 教師の生活感の反映」


・「授業記録の興隆」


・「文芸性も科学性も兼ね備えた『実践記録』こそ学力構想を生きる力として把握するこ
  とを要求する現代の教育課題にこたえる」







もう一つ、再掲載となりますが、扇谷正造さんの
「千年樫の下に これからの子どもたちをどう育てるか」①を載せます。
35年前、わたしが結婚した年に出された本ですが、
現在にも生きる言葉が満載です。




☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」








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☆「時代を拓いた教師たちⅡ」田中耕治 日本標準 2009年 ①

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◇「実践記録」の性格と方法を巡って
 
1.実践記録の呪術性を巡って


□1951年「山びこ学校」以後 生活綴り方実践記録ブーム

   清水義範が呪術性を批判
     


□勝田守一

 ① 実践記録は教師の生活綴り方 生活記録
 
    <実践を中核にすべてを含む + 教師の生活感の反映>

       
 ② 表現  

    強調と省略があり,それゆえ文芸性を持つ


 ③ 共有財産(一般化)が目指される = 検討の必要性

    実践記録の持つ「芸術的性格」とともに「科学的性格」を持つ







2.実践家の「実践記録」への提案

□東井義雄  

  教師自らが実践の意味づけを行う必要があり,そのことを一般化
          
  ・科学化するに際して研究者の役割に期待を表明


  また,文芸性と科学性のあり方に自覚的であった



□斉藤喜博  

 実践記録の文芸性を強調 生命感・律動感・体温感を無視してはならない。


 二つの文芸性
   ① 個性に発する文芸性

② 「論理性」「科学性」の制約に生じる文芸性

 




3.授業記録の興隆

□授業記録

 … 授業の事実を正確に共有しようとするもの

  重松鷹泰「授業分析の方法」明治図書 1961

  全授研協「授業研究入門」明治図書 1965



□中村敏弘

 「授業記録」の定式化を提言 = 科学性の追求



□教育技術法則化運動(1984~)
   
 ① 教材と配列 

 ② 指示・発問とその配列 

 ③ 注意・配慮
 
 ④ 効果(成功率) 

 ⑤ エピソード



□授業づくりネットワーク運動(1988~)

 ① 発語行為の記述 

 ② 発語内行為の記述 
             
 ③ 発語媒介行為の記述 

 ④ 上記以外の非言語的行為



 「文学的な表現に頼る以外に方法のないこと」を克服しようとする動き

 




4.「実践記録」の課題と展望

□授業記録には文芸性は不要な契機か?

 ※ 文芸性も科学性も兼ね備えた「実践記録」こそ学力構想を生きる力として把握する
  ことを要求する現代の教育課題にこたえる


 竹沢清 「子どもが見えてくる実践の記録」2005 

  ・わたしはという主語を入れること

  ・主観で切り取り客観で詰める

  ・イメージで伝え(文芸性)事実でつなぐ(科学性)  
  ・仲間の中で「メモ」から「構想化へ」と整理されている



















☆「千年樫の下に これからの子どもたちをどう育てるか」扇谷正造 あいうえお館 1985年 ①【再掲載 2014.7】

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◇千年樫の下に

 中里介山「大菩薩峠」主人公・机龍之介
  介山が主宰する「千年樫の下に」会会員に



「十年ノ計ハ麦ヲ植エルニアリ

百年ノ計ハ樹ヲ植エルニアリ

千年ノ計ハ人ヲ植エルニアリ」


 



◇米百俵

山本有三「米百俵」昭和18年6月 
   モデル 小林虎三郎



小林虎三郎 文政十年(1828)生

   疱瘡で左目つぶす・痘痕(あばた)

佐久間象山に入門 
         門下の二虎「虎三郎と吉田松陰」



 長岡藩 河合継之助(主戦派)VS小林虎三郎(和平派)

  敗北 謝罪文 → 事後処理 文武総督

 7万4千石 → 2万4千石に

   ↑

 親戚 三根山藩より米百俵届けられる

皆が分けとを望むが学校設立



 明治3年 国漢学校 → 長岡中・長岡高

       続々と英才

 



◇「私の大学」

 マキシム・ゴーリキイ
  自伝的小説「私の大学」 

   人生底辺の生活 → 名作「どん底」

「この人生は私の大学だった。そこには校舎もなければ教科書もない。しかし,私はこの
 人生という大学において実に多くのことを学んだ。この人生は私の大学である。」



 
 ロバート・アンダーソン教授(ハーバード大)

「如何なる優れた大学においても,そこで学ぶことは,その後の人生において学ぶことの
 一割にも満たない。」



生涯学習の指標
 
 


◇十四の時は二度とない エターナル・ナウ

徳川時代名君 
   備前岡山  池田光政

水戸    水戸光圀

紀州和歌山 徳川頼宣


 
「エターナル・ナウ」

  = 人生は一瞬一瞬の連続

 



◇青春とは挫折の別名

 「大学とは何を学ぶかを学ぶところである」


 吉川英治 
  「生涯一書生」 ~ 生涯一教師



「人生は一枚のジーンズである」
   大事に使って洗えばツヤが出る
 
   ~ ツヤこそ人生経験

 



◇川尻はウナギによって栄えウナギによって亡ぶ?

大井川川尻のウナギの養殖 
   明治初 → 進取の気性失せる



 いつも二位か三位にいよ 
   クラボウのマーク,クラレのマーク



 人生の真実の歩留まり

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