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山本七平さんはこんなことを ⑪ / 「勉強離れ『ゆとり』で加速 教える意義を見直せ」 苅谷剛彦 新聞記事より(出典不明) 2002年【再掲載 2013.12】 [読書記録 一般]

「新聞 = 日本教の布教新聞」





今回は、7月10日に続いて、「山本七平さんはこんなことを」11回目、
谷沢永一さんの「山本七平の智恵」(3)の紹介です。




出版社の案内には、


「日本人とは何か。そして日本社会は、いかなる見えざる論理で動いているのか ― こ
 のテーマに一貫して取り組み、比類なき足跡を残した思想家、山本七平。当代随一の読
 書人、人間通である著者・谷沢永一が、敬愛してやまない山本七平の代表的な著作から7
 5の視点を厳選して、そのエッセンスを紹介した山本日本学の真髄。」



とあります。






今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「本人は現在の自分さえ正しければ過去はどうでもいい」
「精神的立身出世の為に人を踏み台にしている」


・「日本は儒教を儒学として受け入れた(宗教としてではなく)」


・「日本人は性善説 ~ 自分は絶対善人」


・「日本においては思想を人が選択する-自分に真実であるものだけピックアップ」


・「日本は儒教を儒学として受け入れた(宗教としてではなく)」





もう一つ、過去記事からの再掲載ですが、苅谷剛彦さんの、
「勉強離れ『ゆとり』で加速 教える意義を見直せ」(新聞記事)を載せます。
18年前の記事ですが、子どもたちの間の教育格差は、むしろ大きくなっているように感じます。
コロナ禍の中での学習状況からもそれがうかがえます。
これらの提言が活かされなかったことを残念に思います。





☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」



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☆山本七平さんはこんなことを ⑪ -「山本七平の智恵」谷沢永一 PHP(3)

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◇なぜ己の過去を悪くいいたがるのか?

 日本人は現在の自分さえ正しければ過去はどうでもいい



日本人だけが自分の民族の国家の過去をできるだけ悪くいおうとする



明治期と同様  江戸時代の悪口

  |

 精神的立身出世の為に人を踏み台にしている
 




◇臨在的把握について

感情移入  臨在感的把握 家族・血縁

 気心の知れる相手 気心の知れない相手
  一人ひとりが気心を知れるチームをこしらえている
  


 自己規制に慣れている


 相手の意見に反対するのは侮辱になる
 




 精神的立身出世の為に人を踏み台にしている





◇無欲が理想

 無欲
 「大欲は無欲に似たり」 - 現状は絶対不満 

  ~ 最後は無欲
 




◇形作られたる「自然」

 自然 化為であり,作為ではない ~ 日本人 必要なものは自制心

なる する
 




◇「本心」について

 日本人は性善説 ~ 自分は絶対善人
 




◇自己規定できずに鎧を着る日本人

 中枢的な考えを規定できない - 自己規定できない判定基準

そのものはできない = 日本教
 




◇断章主義

日本においては思想を人が選択する
   - 自分に真実であるものだけピックアップ

 清水幾太郎 
  転向「俺は成長したんだ」
  転向 = 成長
 




◇外来思想の日本的受容

 三共合一論
   儒・釈・道 ~ 神儒仏合一論


日本は儒教を儒学として受け入れた(宗教としてではなく)
 




◇普遍主義者としての日本人

 新聞 = 日本教の布教新聞



日本人にとって大事なこと
   「普遍主義的思考からいかに脱却するか」
 

















☆「勉強離れ『ゆとり』で加速 教える意義を見直せ」 苅谷剛彦 新聞記事より(出典不明) 2002年【再掲載 2013.12】

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《文部科学省が先月公表した小中学生の全国学力調査の分析結果は、学力の低下傾向をあ
 らためて浮き彫りにした。新学習指導要領の導入を前に学力低下の形で持ち上がった教
 育改革をめぐる論議に、実証的なスタンスで子どもの実態をとらえ、発言してきたのが
 東大教授の苅答剛彦さん(47-当時 ハマコウ註)だ。 揺れ続ける教育改革の問題点
や目指すべき方向は-。(勝見 啓吾) 》





◇昨年一、二月に実施された全国学力調査の結果や分析内容をどう見ますか。

 文科省はそれまでデータもなく「学力低下の問題は存在しない」と言っていた。しかし、
教育改革への関心が高まり、いろいろな声に押され、調査をしたら、ほとんどの教科で過
去と比べられる問題は正答率が低下し、否定できない結果が出たということです。



 ゆとり重視の1998,1999年ごろのトーンと変わって、昨年の新学習指導要領の実施前に
は「確かな学力」を言い出した。


 今後も実質的な路線変更につながる結果をもたらす調査だと思います。


 分析については、全国の平均点で誤答パターンを調べ、教室レベルの指導改善点を示し
たが、地城や学校、子どもの特質で教え方の工夫は違う。


 地域間の差や家庭の差など、国の政策課題を取り出すべきで、全国調査の特徴と目的が
マッチしていない。



 


◇低下の理由や背景にあるものは何でしょう
 新学習指導要領要領につながる90年代の教育改革の認識は、受験戦争、詰め込み教育
が問題の中心にありました。「子どもは勉強しすぎでゆとりをなくしている」と。


 だが、私たちが子どもの学習時間を調査したら、実態は勉強しすぎどころか、逆に勉強
離れが進んでいた。


 最初はなかなか信じてもらえませんでしたが。


 加えて18歳人口は92年をピークに少子化が進み、一部の高校や大学を除けば、ほって
おいても全体としては受験戦争の圧力は緩和される。


 けれども教育改革は事実を認識せず、社会のすう勢とズレた形で進められたわけです。


 やみくもに昔に戻れと言う気は全くないが、90年代は勉強することや努力すること、
勤勉であることの価値が余りにおとしめられた気がする。


 低下にはこの十年間の影響も出ているのではないか。
 



◇低下率は中一の数学が最も大きくて6%弱。この数字をどう見ますか。

 調査データを私が再分析したところ、特に算数・数学は得点差が大きく、中学になると
その差は拡大し、平均して低下するのでなく格差を伴っていた。


 不得手な子どもがよりできなくなることは問題です。


 学習時間も同様で、勉強する子としない子で差が拡大し、格差は傾向として親の学歴や
職業など家庭環境の影響との関係を強めている。


 高度成長期を経て日本の社会の階層みたいなものが安定化し、固定化に向かう流れの中
で、しかも右肩下がりの時代に、教育は学力の格差拡大にブレーキをかけるべき。


 ところが、厳密には検証の難しい問題だが、教育改革は逆にアクセルをかけてしまった
可能性があるというのが私の認識です。


 調査結果も、単に数%の低下で終わる問題ではなく、背後に大きな社会の変化がからん
でいると見た方がよい。

 



◇今の困難な時代には新しい学力観の「自ら学び、考える力」が必要では。

 もちろん大事な力だが、制度の上ですべての教師がすべての子どもに実現できる仕組み
を作らなかった。


 それに私たちの研究では、ペーパーテストで測れる基礎的な学力と、調べ学習へのかか
わり方には非常にきれいな相関関係があり、基礎的な知識の理解や定着がおろそかになれ
ば、考える力もつかない。


 国の財政が厳しくなって自己責任が求められる時代に、教育が果たすセーフティー・ネ
ットとしての役割はますます重要になる。


 大人になって厳しい社会にさらされる前に、学校で基礎的な力をなるべく格差を生まな
いよう付けてあげるのは義務教育の重要な課題。


 それを棚上げしたまま自己責任というのは酷な話だ。


 今回の調査をふまえ、欠けていた視点を加えて議論し直すべきです。


 これまで子どもの学びを中心に考えすぎた観があり、大人がこれだけは教えたいという
内容をもう一度選び取らないといけないと思う。


 学校の先生も厳しい状況にあるが、肩の荷を下ろしてできることとできないことを分け、
本当に大事なことを考えてほしい。


 それは同じ教師である自分への言葉でもありますが。

 



◇方向性はどこに見いだせるのでしょうか。

 教育は基本的には税金を使って次の世代を育てる営みです。


 受益者、納税者、有権者である住民が声を上げれば政策は変えられる。


 分権化は今後避けられず、文科省も教育は多様であっていいと言う。


 国は地域格差を生まない最低基準を保証し、地域でニーズに合った教育ができる方向に
向かうべき。住民の声を反映させるには、情報公開と政策評価が必要だ。


 愛知県犬山市などで取り組みが始まっているが、今は「付加価値つきの政策評価」とし
て、研究者が先駆的な試みをモデル化して、他の地域にも活用できるように提示する研究
を始めている。


 これからが正念場です。

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