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「学校見聞録」佐藤学 小学館 2012年 後半 / 「誰のための教育再生か」藤田英典編 岩波新書 2007年 ①【再掲載 2015.5】 [読書記録 教育]

今回は、8月6日に続いてわたしの教育ノートから、佐藤学さんの
「学校見聞録」後半の紹介です。





出版社の案内には、


「これまで国内7500教室、海外1400教室を訪ね、独自の『学びの共同体』づくり
 を主唱し、多くの学校改革を実現してきた現代教育界の第一人者・佐藤学氏(学習院大
 学教授 前日本教育学会会長)。日本および海外で『教師の教師』として絶大な信頼を
 得ている佐藤氏が、東日本大震災、経済不況による地域の崩壊など幾多の危機と困難に
 直面した日本各地および世界各国の学校現場を訪問し、『学びの共同体』の子どもたち
 と教師たちの挑戦を取材。その現状と課題を伝えます。学校のあるべき姿と教育の未来
 を考える、すべての教育関係者必読の1冊です。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「共有(底上げ)の学び合いを  ジャンプの学び合い」


・「『聴き合う関係』づくりを基盤とする『学び合い』を実現する授業改革」


・「学校改革の持続の秘訣は反復による → 堂々巡りで毎年繰り返すことである」






もう一つ、再掲載となりますが、藤田英典さんが編集代表の、
「誰のための教育再生か」①を載せます。
二つ前の学習指導要領のもとでの本ですが、
状況は当時と変わりありません。
「学校見聞録」の佐藤学さんも執筆者のお一人です。


・「改革のための改革 = 改革至上主義」

・「日本の教育をますます混乱させ生気を失わせるだけ」

・「専門性や民意を無視して十分かつ適切な検討も行わず,非合理的で不適切な改革を強
  制的に推し進める愚行を繰り返している」


これからの「教育」、「学校」が心配です。




諸会議も終え、いよいよ昨日から、休みを取りやすい状況になりました。
昨日は、早朝に4月下旬に植えたサツマイモを一部収穫しました。
雨が続き心配でしたが、昨年と相変わりはないようです。
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午後、ひげ取り作業を妻と二人で。
夕方、水田のクサネム抜きを妻と二人で40分。
一緒に作業してくれる妻に感謝。






☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。

浜松ジオラマファクトリー











☆「学校見聞録」佐藤学 小学館 2012年 後半

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◇進展する高校の授業

1 改革の始まり 2009.6 滋賀県立彦根西高校

  講義調の授業はもう限界



2 生徒の学び合いに学ぶ 

  コの字型机配置 + 男女混合4人グループ
  
  共有(底上げ)の学び合いを  
      ジャンプの学び合い

 

3 改革の進展  

  全校教師が学びの共同体拠点校を訪問した






◇地域の風土記としての学校

1 地域の中の学校

  学校は地域の風土記である。それぞれの学校は地域の歴史文化の集約点であり、その
 性格はこれからどんな時代が来ても変わることはないだろう

  深沢幹彦(元熱海市立多賀中学校長)とともに
   佐賀県杵島郡白石町の有明東小学校(山村百合校長)

 

2 学校が内に開かれること

 「聴き合う関係」づくりを基盤とする「学び合い」を実現する授業改革

 

3 改革の拠点校へ






◇改革の途上にあること

1 改革の持続

 富士市・田子浦中学校  沼津市・城北高校

 熱海市・多賀中学校   富士市・奥田小学校 「始まりの永久革命」



2 反復して高まる

 改革が持続しない理由

① 毎年研修の課題を変更する

② 校長の交代

◎ 学校改革の持続の秘訣は反復による

    堂々巡りで毎年繰り返すことである  

 

3 途上にあること

 「堂々巡り」の勇気をもって改革を遂行している人々が成功する?

 水沢中学校の課題
① 聴き合う関係づくり 

② 小グループによる協同的学び

③ ジャンプのある学びの組織

 富士市・奥田小学校(尾畑敏博校長)






◇高校改革のネットワーク

1 授業の改革は拠点校から

  彦根西高校 沼津・城北高校 安西高校






◇グローバル化する学校

1 学校の変貌

  大阪府 茨木市 郡山小学校・豊川小学校・豊川中学校
  グローバリゼーション化

郡山中 178名中26名がニューカマー 15%イスラム多
 


2 支え合う友達  



3 多文化共生の学び合い















☆「誰のための教育再生か」藤田英典編 岩波新書 2007年 ①【再掲載 2015.5】


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◇はじめに 

□安倍政権の教育再生改革
  
 → 日本の教育をますます混乱させ生気を失わせるだけ


 
□<校長-副校長-教頭-主幹教諭-指導教諭-主任-教諭>

→ 階層化より、20~30人学級の方が創造的な教育活動を生む


 藤田英典(1944生,国際基督教大学 - 以下いずれも当時=ハマコウ註)

 佐藤学(1951生 東京大学)

 尾木直樹(1941生,法政大学)

 中川明(1941生,弁護士,明治学院大学)

 喜多明人(1949生,早稲田大学)

 西原博史(1958生,早稲田大学) 







◇教育改革は,いま   藤田英典

1.改革が招く日本の教育の危機

□急ピッチで進む民意無視・良識欠如のゆがんだ改革

国家主義的


   成果主義的


   管理主義的


   統制強化



□「ゆとり教育」改革と「学校スリム化」改革

現在 … 改革のための改革 = 改革至上主義


  1980~ 「ゆとりと潤い」「ゆとりと充実」スローガン - ゆとりの時間


  1984~1987 臨教審 新自由主義的観点より「個性重視の原則」


        中等教育の多様化,選抜制 → 教育の個性化=自由化


  1992~ 「学校スリム化」改革 
  

       学校の中でのゆとり拡大→学校の外でのゆとり改革


1992~9月より 月一回学校五日制


1995~     月二回学校五日制


2002~ 完全学校五日制

※ 高度化する知識社会と教育の内容・時間の削減と矛盾



□改革至上主義が日本の教育をダメにする

 ゆとり教育

 → 生きる力・自ら考える力・創造力・コミュニケーション能力



 ※ ゆとりどころか反対に拡大

    新しい学力観・学習観・評価観+「総合的な学習」



  学力主義政策・テスト学力重視政策


   
□学校スリム化
     
 → 学校の役割・課題,心の教育,国際理解教育,環境教育 

 ↓

反対に拡大
情報教育,福祉・健康教育,進路教育,ガイダンス

   職場体験学習・キャリア教育,食育,安全指導



2007 再生会議 武道男女必修化 等

  
 ※4半世紀も改革 = 改革に継ぐ改革

  
□政治主導・官邸主導で進められてきた

 ※ 専門性や民意を無視して十分かつ適切な検討も行わず,非合理的で不適切な改革を
  強制的に推し進める愚行を繰り返している

 



2.教育の歪みをもたらす改革

□教員の多忙化と教職の魅力低下を招く教員免許更新制度

 実施されているのはアメリカのみ ← 政治主導



□教育の歪みと学校の序列化・格差化を促進する全国一斉学力テスト

 学校間・地域間のゆがんだ競い合い



□教育のモラルハザード

 教育の歪みと質の低下



□教育自体を歪める

 「悪者探しと(暗黙の)糾弾」

 




3.脅かされる教育の政治的中立性

□民意無視・良識欠如の「教育基本法・学校教育法」改正



□「教育基本法」改正の本当のねらいは?

 愛国心,エリート主義,教職員の抑制・抑圧
 
    
 ※ 憲法改正の露払い  



□改正の復古主義・国家主義

「正しい理解」がゆがめ強制するもの

 




4.<未完のプロジェクト>としての教育の充実

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