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「宮本常一伝書鳩のように」石川直樹 平凡社 2019年 ① /「教師の知恵袋」沼田泉 ぎょうせい ②【再掲載 2012.3】 [読書記録 民俗]

今回は、わたしの教育ノートから、石川直樹さんの
「宮本常一 伝書鳩のように」の紹介 1回目です。



宮本常一さんは、歩く民俗学者と呼ばれています。
元郵便局員、元小学校教員、日本中のあちらこちらを歩き、
各地域の人と触れ合ったと伝えられています。
『忘れられた日本人』を読んだことがある方も多いのではないでしょうか。



出版社の案内には、


「日本各地を歩き、漂泊民や被差別民、歴史の表舞台に姿を現さなかった無名の人々の営
 みや知恵に光を当てた『野の学者』宮本常一。膨大な著作のエッセンスを一冊に集成。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「人々の暮らしは、決定的瞬間ではない、緩やかな時間の積み重ねであり、そこから切
  り取られた何気ない日常にこそ、人々の暮らしの核心が詰まっている」


・「つい近頃(1978年の)まで日本中が静かだった」


・「世の中が静かであった時、われわれは意味を持つ音を無類に聞くことができたのであ
  る」
「人間にとっては静かに考える場と静かに聞く場が必要である」


・「昭和16、17年ごろまで、たくさんの門付け芸人がやってきたという」
- およそ50余年前、わたしが小学校低学年の頃、わが家にも獅子舞がやってきた記憶
 があります。






もう一つ、再掲載となりますが、沼田泉さんの、
「教師の知恵袋」②を載せます。
わたしの「若い先生におすすめの本」のリストに必ず入る本です。
30年以上前、大先輩、藤森先生に勧めていただいた本ですが、大変勉強になりました。






☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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☆「宮本常一伝書鳩のように」石川直樹 平凡社 2019年 ①

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◇日本の核心  石川直樹
 
 宮本の写真 ― 記録性、情報量の豊かさ
 
「人々の暮らしは、決定的瞬間ではない、緩やかな時間の積み重ねであり、そこから切り
 取られた何気ない日常にこそ、人々の暮らしの核心が詰まっている」





◇地の声 1978年 71歳
 
□府中の大國魂神社
 
  太鼓の音が新宿まで聞こえたそう 
    20㎞ 昭和10年代は静かだった

  つい近頃まで日本中が静かだった
 


□山中の仕事
   
  誰かに自分の存在を知らせるため歌うのが一番良かった
  
  方々で歌が起こると安心 - 孤独でないこと
 
  → 男女の掛け合いで結婚した人もいる
 


□静けさの中では人間同士の心を読み取れたばかりでなく、自然の声も聞くことができた
   
  明治29.6.15三陸津波 
     沖で「ノーンノーン」という音が聞こえたそう
   
  昭和8.3.3 三陸津波 
     沖で「ノーンノーン」
 


□老漁夫

 「昔は船魂様がよくいさんだものだ」

     リンリン、チンチン―嵐の前 

※「世の中が静かであった時、われわれは意味を持つ音を無類に聞くことができたのであ
  る」

 「今日では騒音が意味のある言葉を消すようになってしまった」

 「人間にとっては静かに考える場と静かに聞く場が必要である」






◇旅漁夫 執筆年不明
 
□勤勉と正直と不平のない長い日を重ねた母
   
  昭和23年5月ごろ
 


□貧しいものへの強い同情者であり、協助者であった

「その後、彼はよく来る親類へ来たようだと喜ぶ。しかし、お互いはまた正しく名乗りあ
 ったこともなくその名も知らないのである」






◇旅芸人 1979年 72歳
 
□大阪府の農村で小学校教師をしていたころ
   
 村へ伊勢の大神楽 頭は伊藤森蔵
 
    大神楽―代神楽
 
    本来は伊勢に行くものが家にいて祀ることができる

      |

   獅子舞の間に放下といわれる曲芸

     大神楽の前に一軒一軒かま祓い
 


□宮本が子供のころ16歳まで毎年のように芸人が来た
   
  大正15年に返るとほとんど来なくなっていた
   
  昭和5~6年 来訪はなかった
 


□東京府中
   
  昭和16、17年ごろまで、たくさんの門付け芸人がやってきたという。
   

 ※ その人々によって春の心を豊かにしたのであった。









☆「教師の知恵袋」沼田泉 ぎょうせい ②【再掲載 2012.3】

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◇そうじは子どもとともに  
 
◎ そうじは大事な教育場面  

 
◎ 心の交流

 - 共に身体を動かし、肌を接してまたは汗を流していく場面(流汗悟道-ハマコウ註)




◇子どもと遊ぶのは教師のため

◎ 遊びは教師のためでもある
 (専門職としてのよい指導をするためのものでもある)

= 一人一人の子どもがよく見えてくる、安心して何でも話してくれる




◇子どもは不公平をかぎ分ける天才

◎  一人一人の子どもの感じ方が違う
  
   → そこまで考えるべき(指名回数など)

 
◎ あの教師は不公平だと思うようになると嫌いな先生になってしまう




◇小言の多い授業は準備不足

◎ 授業をよくするためには事前の準備が大切


◎真剣に子どもと対峙する授業

  ① 発達段階に応じた内容

  ② 子どもの興味の持てる授業


◎研修を積むことによって力量を磨き、ポイントをつかむことができる教師に!

  子どもの側に立った授業を! 子どもが自分から進めていく授業を!




◇子どもを引きつける話しかけ

◎ 聞かせていく工夫が問題
    ○ 身近な事例を! 

    △ 注意事項、訓話的なもの

  ○ 補助的なものを活用 = 文字、図表、絵、実物模型

    ※ 耳とともに眼を働かせて

  ○ 時機やタイミングに応じて




◇叱るときはカラッと叱れ

◎ ラッセル
「褒めることも叱ることもしないで教育を行うことは不可能だとわたしは信じている。け
 れども2つのことについては、ある程度の用心が必要である」

 ① 過ち、夢中で何かしているときの失敗

   ← 自省しているから慰めの言葉が有効になる

↑↓

② 将来のためにならない、他人に迷惑になる、生命にかかわる、

繰り返す場合

← 叱る(大人の都合としてでなく)
・カラッと叱る

  ・全員がいつも同じように叱る




◇手を焼く子どもが教師を育てる

◎ 手を焼く子どもがいることは教師として生長して行くには貴重な体験


◎ 教師としての根本  

   興奮のおさまりを待ち、よく話を聞かせたり本人の言い分を聞いたりする

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