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「宮本常一伝書鳩のように」石川直樹 平凡社 2019年 ④ / 「官僚批判」 寺脇研 講談社 2008年【再掲載 2012.11】 [読書記録 民俗]

今回は、9月5日に続いて、石川直樹さんの
「宮本常一 伝書鳩のように」の紹介 4回目です。



歩く民俗学者と呼ばれた宮本常一さん、わたしは大ファンです。
宮本さんに関しての本が、没後40年近くたっても出版され続けていますが、
現在でも求められているからこそだと思います。




出版社の案内には、


「日本各地を歩き、漂泊民や被差別民、歴史の表舞台に姿を現さなかった無名の人々の営
 みや知恵に光を当てた『野の学者』宮本常一。膨大な著作のエッセンスを一冊に集成。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「土佐源氏」
- 初めてこの話を読んだとき、その開けっぴろげさに驚きました。
  聞き取りか、創作かは問わず。


・「…実は、この人と生物の細やかな交情の中から、新しい科学は育ってきたのではなか
ろうか。」


・「カラス  時に追われたもしたが、また迎えられる鳥でもあった」


・「農業(の発展)・駆除(により)、自然は急に寂しくなってきたばかりではなく、生物に
対する話も著しく減ってきた」






もう一つ、再掲載となりますが、
かつて「ミスター文部省」「ミスターゆとり教育」と呼ばれたる寺脇研さんの
「官僚批判」を載せます。
自らの経歴についての言及が多く
「マスコミ志向の学生と官僚志向の学生は似ている。いろんな人と付き合って、社会を動
 かそうというのだから。官僚って捨てたものじゃないぞ、って言いたい」
と本文中にあるように 官僚制の見直しといったような内容です
 日本の官僚制におけるキャリアシステムについて、キャリアはゼネラリスト、ノンキャ
リアはスペシャリストであるとの記述がありました。
「ゆとり教育」の戦犯とも呼ばれ、学校現場に大きな混乱をもたらしたとも言える寺脇さ
んですが、それについての言及がなかったことを残念に感じました。







☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「宮本常一伝書鳩のように」石川直樹 平凡社 2019年 ④

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◇土佐源氏 1960年 53歳
 
 土佐山中
   檮原村 

   橋の下の小屋掛け 「助平話」


 盲目の馬喰






◇自然を見る眼(1) 1960年 53歳

1 モールスの日記から

□明治10年ごろ 米国 ESモールス 動物学者 東大の先生



□大森貝塚発見 日本考古学開祖



□日記「その日その日」忠実

 ○川水で洗濯する女性の近くにカラスが一羽止まっていた

   → カラスがハトのように人間と親しい仲
     かつて仲が良かった

 ○京都から牛の群れを追って東京・横浜へやってくる人
   
   牛が黙々と歩いてとさつ場へ 

 ※ 人が人以外の生物に寄せる心の深さは、過去にさかのぼればさかのぼるほど、強
  かったようであるから、こういう話はそれだけわれわれが未開の状態にあったともい
  えるが、しかし、未開であるものがすべて否定されなければならぬ根拠はない。実は、
  この人と生物の細やかな交情の中から、新しい科学は育ってきたのではなかろうか。



□モールス

  ― 日本の少年たちの自然観察の鋭さに舌を巻いている

    スケッチが出来上がる前に何であるかを言い当てる


 ※ 自然の中に溶け込むことによって自然を愛するようになるともいえる。そして、か
  つての日本人の生活はそういうものであったといってよかったのではあるまいか。




2 カラスへの愛情
 
□とんび
 とんびは信濃の鉦たたき一日たたいて米三合
 
    とんび ― 懐かしい自然の友



□カラス 

 時に追われたもしたが、また迎えられる鳥でもあった
 
  
 絵巻物(鎌倉・室町)
  カラスは死体をついばんでいるか乞食小屋の屋根に群れている


 憎まれていたばかりではない 
   東北地方 いまなお正月11日にカラスのもち投げ
    ・大声で「シナイシナイ」「ロウロウ」と呼びつける
     餅を空に向かって投げると空中で受け止め山へ

       |


     受け止めて持っていく年は豊年だということである
    ・土地によっては餅をつとに入れて木の枝にかけておくこともある

      雪が解けてしまうと大変高いところに見える

      春先、高い(豊作)低い(不作)で豊凶を占う 

 ※ カラスに餅を供えることはかつて広く各地に  
    広島の宮島等でも
 


□漁ガラス
   
  瀬戸内海の小さな島 

  カラスの鳴き声の高低で量の豊凶を占う
 


□カラスと人間
 
 一方では嫌われつつ他方では親しまれもし、人間の愛情の中に置かれ、一種の腐れ縁の
ようなもの
 


□昔ばなしの鳥
   
 スズメ ツバメ キジ ホトトギス キツツキ カッコウ モズ 

 ミミズク フクロウ ハト ヒバリ ウズラ ワシ ヨシキリ

 ミソサザイ カリ など

 ※ 人間につながるものとしての理解



□農業・駆除  

 自然は急に寂しくなってきたばかりではなく、生物に対する話も著しく減ってきた















☆「官僚批判」 寺脇研 講談社 2008年【再掲載 2012.11】

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◇わたしの官僚批判

□天下りと公務員もどき  
  
 天下り制度 - 田中角栄 



□官僚の不人気 
  
 シンクタンク型官僚が求められている



□公務員の不安を払拭して欲しい 
 
 キャリア(3%)とノンキャリア(97%)



□ノンキャリアはスペシャリストとして育ててほしい
  


□ゆとり教育批判を批判する



□教育の最終目標は「自立した個人を育てる」こと



□官僚は「ロマン」を求めるべきだ  
  
 小泉,安倍政権の官僚叩き


 安倍総理  ×「私の政権」?  あなたのもの?



□官僚不信から信頼へ





◇わたしの官僚人生

□日本政府の一員となる1975~1984


<係員時代> 

 菱村幸彦カリスマ課長(検定課)


 人生の師・村上智さんとの出会い - 官僚の在職死



<係長時代> 

 係長は山の頂 局間異動

  法律を作る 国会の想定問答集をつくる

大物政治家と付き合う 出向命令



<臨調事務局に出向する>

 審議会の運営に参加する 
   糠谷真平さんとの出会い

「日本政府」の一員意識 機構改革を推進する



◇地方出向,課長補佐 
  - 官僚「花の時代」1984~1988



<福岡県教委時代>

友野登教育長
   地域の実力者の懐に入る


 国旗国歌問題と教育主任制度



<課長補佐時代> 

 大臣に政策提言する



◇リクルート事件と生涯学習局の誕生 1988~1992

<不祥事に>

 高石郁男文部事務次官の逮捕 
 

 リクルート事件の影響

 

<生涯学習指導課課長補佐時代>

イベントビジネスに 
   役所の力は無限 マナビイ(石森章太郎)

人脈こそが「官僚力」



◇課長の仕事と人事的挫折 1992~2006

<課長になる>

 職業教育課長に昇進する 


 「選挙に出ないか」の声


業者テスト廃止の大臣発言


課長には説明責任がある 
   課長の仕事の50%は人事
   


<人事的挫折>

 1993.12  広島県教委教育長時代 


 1996.4 医学教育課長

      生涯学習振興課長 


 1997.4 大臣官房政策課長


 2002.8   文化庁 

      出世の意義「より大きな観点で,より大きなものを動かせるようになる」


河合隼雄文化庁長官に激励される

残留降格人事を経験する
   


<退職>   

 2006.11 天下り ~ 公務員もどき  ~ しがらみも
  

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