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「天命の暗号」出口光 中経出版 2006年 ③ / 「イギリス教育改革の教訓」阿部菜穂子 岩波ブックレット NO. 698 2007年【再掲載 2011.8】 [読書記録 一般]

今回は、10月23日に続いて、わたしの教育ノートから、出口光さんの
「天命の暗号」の紹介 3回目です。





出版社の案内には、

「ほんとうの成功とはなにか?天命の暗号を解くことが、これまでの成功哲学をくつがえ
 す!どんな天命を持って生きているのか?それはどうしたらつかむことができるのか?著
 者があなたに向かって発する22の質問の中から、その答えが明らかになる。」


とあります。





今回紹介分で強く印象に残った言葉は…

・「まず第一段階はあなたの過去の人生の肯定を行うことだ」


・「人にはそれぞれ別の人生の経験と親や先祖から受け継いだものがあり、それへのかか
  わり方があなたの姿に現れている」


・「百年後の未来を自分の人生に含む」


・「志し、実際に行動する」




もう一つ、再掲載となりますが、岩波ブックレットの阿部菜穂子さんによる、
「イギリス教育改革の教訓」を載せます。
かつてのイギリス教育改革については、成果ばかり強調されているように感じますが、
負の側面もかなり報じられていたようです。





<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト




☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

 ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「天命の暗号」出口光 中経出版 2006年 ③

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◇人生の統合から天命をつかむ

□8番目の質問 過去の経験を人生の力にする
       

Q8 「あなたの過去の人生を貫いているもの、それは何か」
               
    自分の過去の人生で何を否定しているのか?   



 まず過去の人生の肯定を行おう

 「人生を貫くもの」→過去の肯定と過去の統合
               

◎まず第一段階はあなたの過去の人生の肯定を行うことだ
否定していることが、あなたの天命を見失わせ、仕事や人生にパワーを失わせている
 のかもしれない


◎過去の人生の肯定は大きなパワーになる

  過去に起こったことはどうあがいても変えることはできない。しかし、その否定して
 いる過去とのかかわり方は自分で変えることができる。


◎過去の経験をすべて今のパワーに変換できる。
               
  プラスがマイナスになりマイナスがプラスになる。 


◎あなたの人生を貫くものは何か

  人生に経糸を見出す第2段階は自分の「過去を統合」することだ


◎過去の統合から天命を発見する

  過去の人生の中で、終始一貫実行されてきたものは?

自分の過去の統合から来る志ほどエネルギーを与えるものはない

  先祖との関係はパワーを与えてくれる


◎自分の姿に過去へのかかわり方が現れる
               
  人にはそれぞれ別の人生の経験と親や先祖から受け継いだものがあり、それへのかか
 わり方があなたの姿に現れている
 

◎人にはその人固有の可能性がある

「人生経験+先祖から受け継いだもの」統合

吉田松陰 辞世の歌
親思うこころに勝る親ごころ  けふのおとずれ 何ときくらん

  「留魂録」-人生の統合







□9番目の質問 未来をも人生の力の源にする

 あなたの天命を「動詞」で表現する 

動詞「挑戦する」「楽しませる」「育てる」「伝える」等

  「役割を果たす」「解決する」「分析する」


 過去から一貫した柱を見つけ出す

自分自身に「人生で一貫しているものは何か」の問い

過去を肯定する 
    先祖、生い立ち、学生時代、仕事の経歴の中に存在する経糸を見出す



Q9 「あなたは自分の未来をどのくらい肯定的に含んでいるのか」

◎未来をどこまで含めるかで生き方が変わる
過去と未来を一本の糸でつなぐ


◎あなたの天命がカバーする範囲を明確にする


◎有限な時間を意識「サムライ時間」に生きる
「日本文化の精神を守る」天命の視点

わたしたちの時間は有限~サムライ時間


◎百年後の未来を自分の人生に含む






□10番目の質問 離見の見を待つ
            
  過去を肯定し、その中に一本… 


Q10 「あなたは自分の人生をどのように観察しているのか」

◎離見の見とは何か
 
  世阿弥 「花鏡」で「離見のの見」とは何か 

統合的に人生を観察する

人生を統合するための三要素
    ①「動詞」 ②対象 ③手段

※ 志し、実際に行動する
















☆「イギリス教育改革の教訓」阿部菜穂子 岩波ブックレット NO. 698 2007年【再掲載 2011.8】

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◇はじめに

 サッチャー 
   冷徹な市場原理の導入 → 現場の疲労と萎縮 



イギリスの私立学校には適用されなかった





◇イギリスの教育改革

 20年たっても論争が続く「サッチャー教育改革」


「ネイミング・アンド・シェイミング(名指しして辱める)」批判

   → 「学力の本質」をめぐる議論   



1988年 サッチャー教育改革

① 全国統一カリキュラムと統一学力テスト(ナショナルテスト)導入

② 統一学力結果の公表と親への学校選択権の付与

③ 学校の自治の保障

④ 学校査察機関の設置



 ナショナルテストの公表
① 親の学校選択

  ② 学校への予算は生徒数によって配分

  ↓

学校にアカウンタビリティを目的として学校の自治を法的に保障

  ※ 問われるのは結果のみ

  (ナショナルテストの成績として表れる教育の成果の責任を学校は担うようになった)    



 別のねらい = 地方教育局の権限を弱める(労働党より)



 1992年 教育水平局 設置 → 市場に於ける競争原理

ブレア政権の教育改革(労働党) 


予算増 1996年度より300億ポンド以上増えて649億ポンド
一戸あたり年間5000ポンドと倍増



 教師の待遇 
   1997年 初任給 14500ポンド → 2006年 19600ポンド 


 校舎建て替え,設備改善
   教師36000人増 補助員 15万人増員


 
 保守党政権下で国民の…
   貧困層が1200万人にふくれあがった(子どもは4000人) 

  ↓
 
    ※ 貧困問題の解決  







◇「教育改革」は何をもたらしたか

 全ての子どもに同じ教育内容
かつてはプロジェクト方式の授業 → 考える力

労働党政府「堕ちこぼれる子どもを放っておかない」



改革の弊害

 ① 教育の階層化

  勝ち組と負け組(ナショナルトラスト)

 人気校周辺の不動産価格が3割高等  不正事件も


 ② ナショナルトラスト体制

 失敗校として辱める手法 - 特別措置


 ③ 教育への政府の干渉







◇学力水準は本当に上がったか

ローズマリー・セイジ博士

「知識詰め込み型の教育が子どもたちからコミュニケーション力と考える力を奪ってい
  る」


 「イギリスの子どもたちは欧州諸国の中でもテストの多い学校生活を送る」







◇イギリス連合王国・他地域の動き

 他地域では次々に見直しの動き



サッチャー改革から離脱したウェールズ



2004.7 ウェールズでのナショナルテスト廃止


◎宣言

「テスト中心主義から子どもを中心に置き,教師の役割を重視する教育体制に移行する」

学校の予算獲得のためのプレッシャー

デビッドソン教育長官が決定



スコットランドの実験
 「子どもの学力を数値によって測る体制から子ども中心の教育への移行」  







◇イングランドでも修正に向けた動き

 政府の姿勢の変化  査察の弊害



 現体制修正への気運  
2006.5「NAHT(全英校長会)」

     イングランドでのリーグ・テーブルを廃止する議決


※「政治家は教育を遊び道具にするのをやめて欲しい」



※「予算の手当ても長期的展望もないまま,思いつきのように打ち出される政府の数々の
  教育政策の実現のために,学校長は身を削って働き,押しつぶされそうになっている」
  
           ↓

      深刻な校長不足          



 独立心に満ちた教師たち



 ナショナルテスト 11歳 全国トップ 



□オックスフォード州 小学校のある校長

 「トップに立ったのは政府指導を一切無視した授業をやっているからです。」    

 「ナショナルテストで学校を不必要に競争させ,結果を公表して序列化するシステム」    
 
 「確実に敗者を作る,このような不公正な教育体制は,とうてい正当化できるようなも
  のではありません。」






◇教育に市場の原理の適用はなじむか

 市場原理の作用 

「教育に市場原理の適用はなじむのか」



クーム小学校 バーバラ・ジョーンズ校長

「確実に敗者を作る不公正な教育体制」

        |


※「教育は敗者を作ってはいけない。全ての子どもに学びと成長の機会を与えてやるのが
  教育です。市場原理の適用は,教育にはなじまないし,間違っている」   

       ∥

※「テストの実施は,一人一人の子どもの教育のためではなく,学校の評価を向上させる
  ための道具と化した」 


◎ 市場の力は教育とゆがめるほど強かった



 市場原理に変わるもの-フィンランド・モデル   

  ウェールズ,スコットランド

    「フィンランドのような教育体制を目指したい!」

   |

 ◎ フィンランドの公教育の教育哲学

 「民族,性別,経済状態にかかわらず,全ての子どもに対し,平等に質の高い教育の機
  会を与える」 



◇阿部菜穂子

  あべなおこ  ジャーナリスト  1981年 国際基督教大学卒業


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