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「学校のあたりまえをやめた」工藤勇一 時事通信社 2018年 ④(最終) /「児童相談所に思うこと-多くの児童相談所やその周辺関係者から聞いた話は、本当に驚きの連続だった-」 八木谷勝美(日本経済新聞社会部記者)『月刊少年育成』 2005年2月号より【再掲載 2011.8】 [読書記録 教育]

今回は、3月16日に続いて、工藤勇一さんの
「学校のあたりまえをやめた」の紹介4回目 最終です。



出版社の案内には


「『みんな仲良く』と教室に掲げても、子どもたちは仲良くなりません。他者意識のない
 作文、目的意識のない行事すべて、やめませんか。宿題は必要ない。クラス担任は廃止。
 中間・期末テストも廃止。何も考えずに『当たり前』ばかりをやっている学校教育が、
 自分の頭で考えずに、何でも人のせいにする大人をつくる。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「保護者にも当事者意識」
- 学校だけでなく、家庭も、地域社会も今日今の場所となります。
  「サービス提供者」と「消費者」の関係だと思っている保護者が増えているように感
 じます。それは、 


・「保護者や地域住民が『消費者感覚』で学校にモノを申してしまったことによる失敗も
  あった」


・「大阪市立大空小学(元)校長 木村泰子さん」
- 映画が話題になりました。


・「『早く大人になりたい』子供を育てたい」





児童虐待の悲しい事件がしばしば報道される現在、
16年前のこの提言が活かされていないように感じます。

児童相談所をただ責めるだけではこれからが心配です。機能するような環境整備がいち早くされることを望みます。

このようなレポートが豊富にされていた『月刊少年育成』誌の廃刊同様の休刊が残念でな
りません。


浜松市の公立小学校は本日が卒業式です。
我が家の桜の芽も膨らんできました。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「学校のあたりまえをやめた」工藤勇一 時事通信社 2018年 ④(最終)

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◇当たり前を徹底的に見直す学校づくり

1.現状の課題を教員とともにリスト化し解決
   
 改善を進める




2.対立とどう向き合うか
   
「トラブルを学びに変える」




3.学校をコミュニティスクールに
  
 保護者のクレームを真に受けて対応した結果、子供が自律する機会が失われてしまった
こともあるはずだ
        ↓

  保護者にも当事者意識  
  合意形式

 
□学校運営協議会  2004年制定
「学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる。地域ととも
 にある学校への転換を図るための有効な仕組み」
  
 × 保護者や地域住民が「消費者感覚」で学校にモノを申してしまったことによる失敗
  もあった
            | 

 × Aタイプ  第三者的に学校運営をチェックし意見を述べるというタイプ

  △ Bタイプ 「地域支援本部型」 地域住民が当事者として問われる


◎学校をよくするためには、校長や教員だけではなく、保護者も地域住民も「学校をよく
 するために自分たちは何ができるか」という視点をもたねばならない。

              |
     ※ メンバー選定が大切
      麹町中は< 保護者(元保護者) + 卒業生 >を中心に構成



4.PTAが中心になって制服を決める
   
 2018年度「PTA制服等検討委員会」



5.責任と権限がやりがいをうむ



6.職員室の「当たり前」を見直す



7.業務の効率化を図る



8.脳神経科学者とともに取り組む研修
   
 2006.4~2015.3  大阪市立大空小学校長 木村泰子さん






◇私自身が思い描く学校教育の新しいカタチ

1.「早く大人になりたい」子供を育てたい
   
 信用を得る
  「自己肯定感の向上」



2.選択を狭くするけれども、その先の選択肢が広がる



3.学校の「当たり前」を疑う



4.真の民主主義をつくるために



5.新しい時代の学校教育のカタチ  
 










☆「児童相談所に思うこと-多くの児童相談所やその周辺関係者から聞いた話は、本当に驚きの連続だった-」 八木谷勝美(日本経済新聞社会部記者)『月刊少年育成』 2005年2月号より【再掲載 2011.8】

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 2004年は児童が虐待されたり、無残に命を奪われる事件が特に目立ったように思う。


 年初には大阪・岸和田で中学生が実父とその内妻に長期にわたって虐待を受けていたこ
とが判明、9月には栃木・小山で父親の知人によって幼い兄弟の命が絶たれた。


 まさに、「子ども受難」の年であった。相次いだ児童虐待事件の発生を振り返る度に、
必ずと言っていいほど集中砲火を浴びたのが児童相談所だ。




◇ないないづくし

 これまで事件や行政の取材を一通り経験したつもりだったが、児童相談所には余り縁も
なく、業務内容もよく知らなかった。


 正直言って、少年非行や家庭内暴力などの解決に当たる組織、という程度の認識だった。


 児童虐待事件の頻発とともに、昨年10月に児童虐待発見の通告義務を強化した改正児
童虐待防止法が施行され、4月からは児童相談業務を市町村レベルに拡大する改正児童福
祉法が施行されるのに当たって、本格的に取材を始めてみた。


 その過程で多くの児童相談所やその周辺関係者から聞いた話は、本当に驚きの連続だっ
た。


「ネグレクト(養育放棄)って何ですか?」


「エル・デイー(LD=学習障害)は?」-。


 児童相談所の所長クラスを集めた研修会の一幕だ。


 どれも少し興味を持って新聞を読んだり、テレビを見ていれば分かるはず。


 「そんな言葉の説明からしなければならないです」


と研修担当の職員は嘆いた。


 なぜこんなことになるのか。


 欧米では児童虐待を担当する組織の職員は専門的に勉強してきた者のみこの仕事に就け
る。これに対し、都道府県が所管する日本の児童相談所の職員は多くが一般行政職からの
任用だ。


 ある児童相談所に配属された職員が


「先日までは土木工事の担当で砂利を運んでいたが、これからはガキを運びます」


とあいさつしたなどという笑うに笑えない話もある。


 また、ある自治体から聞いた話では、一昔前まで児童相談所は一つの地域を職員一人が
受け持っていたこともあり、いわゆる「組織になじめない人材」が起用されることもあっ
たという。


 児童相談所の主たる業務を受け持っているのは「児童福祉司」という専門職だ。


 国の資格ではないが、福祉施設職員の養成学校を卒業するなど要件を満たした人が任用
される。


 彼らのほとんどは日夜、虐待や非行、いじめなど子どもに関する様々な相談を受け、入
所措置などを検討、「役所の中でも心身ともにハードな業種の一つ」とも言われている。



 多忙をきわめているのは、児童福祉司の絶対数が足りないという問題がある。


 厚生労働省は児童福祉司を人口68000人に1人配置するように求めているが、全体
の6割に当たる37都道府県・政令市がこの基準を満たしていない。



 自治体によっては、国からの交付金に県費を上乗せする県があるのに、一方では交付金
を別の形で使っているところもあるのが実態だ。


 昨今話題の「三位一体改革」で、地方自治体の裁量が増せば、その格差はますます広が
る可能性もある。


「質量ともに慢性的な人手不足状態に、厳しい財政状況が追い打ちをかける」(同)とい
う、ないないづくしの状況に置かれているのが現在の児童相談所だ。




◇無力感抱きつつ頑張る職員

 相次ぐ児童虐待事件で、社会的認知が広がったこともあり、虐待相談件数はこの10年
間で16倍に急増している。


 こうした事態に対応するため、厚労省は改正児童福祉法で、これまで児童相談所に集中
していた児童相談業務について、区市町村が「一義的に対応する」ことを義務づけた。


 全国的にみれば、東京・三鷹市や大阪・泉大津市などでは児童相談所や学校、保健所な
ど関係機関のネットワークを早い段階で構築し、一定の効果を上げている自治体もある。


 ただ、こうした動きは一部に過ぎない。


 厚労省は以前から市町村に児童相談業務を巡る関係機関とのネットワーク作りを指導し
ているが、自治体の動きは鈍い。


 同省が昨年6月時点でまとめた調査によると、「児童虐待ネットワーク」を構築してい
る自治体は全国で4割に過ぎない。


 未設置の理由としては「市町村合併を控えている」「人材確保が困難」といった答えを
挙げる自治体が目立った。



 また、同省が児童虐待予防策として、育児ストレスを抱えた母親に対する家庭訪問事業
を今年度から開始したが、市町村の実施率は想定の2割弱にすぎない。


 厚労省の担当者は

「いろいろと理由はあるだろうが、児童虐待は喫緊の課題。やる気がないとしか思えない」


と憤る。


 やる気はあっても、虐待予防そのものの難しさに直面しているケースもある。


 保健師資格者を活用して児童虐待を初期段階で発見しようと西日本のある県は昨年4月
から、虐待リスクの高い家庭を見守るチームを発足させた。


 数十人の人員を確保し、研修も済ませた。が、なかなか本格的に派遣することができな
いでいる。


「どういう基準で家庭訪問を実雄するのかを決めるのに手間取った」。


 今後ともチームは存続し、今後児童相談所内で育児指導などを手がける予定だという。



 栃木・小山で幼い兄弟が虐待を受け、殺害された事件で、地元の児童相談所は警察から
兄弟を引き渡されながら、翌日には兄弟を帰宅させ、結果として事件をくい止めることが
できなかった。


 専門家の多くが「初歩の初歩ができていない」などと強く批判。



 県や児童相談所には市民からの抗議が相次いだ。


 ところが、その経緯を詳しくたどってみると、当の児童相談所だけを責められない面も
ある。


 地元の児童福祉関係者によると、兄弟を保護した児童福祉司は相当粘って、引き渡しを
拒否したのだという。


 しかし、父親がそれにも増して強い調子で引き渡しを迫った。


「今の態勢では、強硬手段にはどうしても折れてしまいがち。その結果が最も悪い形で出
 た」。

 
 その関係者はため息混じりに語る。

 
 児童相談所やそれを取り巻く市町村の動きはなぜこんなにぎごちなく見えるのだろう。



 児童相談所はこれまで、貧困家庭の少年育成から学校の荒れ(校内暴力やいじめ)など
に柔軟に対応してきた。


 今の児童虐待などの社会が求める問題解決もできないわけがない。


 なのに、どうして…。


 従来、児童相談所が担ってきたのは、学校や社会と家庭をつなぐ調整弁としての役割だ。


 それは、地域力や家庭力が機能して始めて成り立っていたのではないだろうか。


 もし、その仮定が正しいのであれば、すべてを児童相談所のせいにするのは無理という
ものだ。


 その一方で、児童相談所自身もこのような社会情勢を前提として、何をやるべきか、考
え直す時期にきている。少なくとも児童福祉司個人の資質によるものが大きかったやり方
を組織的に変えるべきではないだろうか。



 ベストセラー小説「家族狩り」では、無理解な上司や親に囲まれ、戸惑い悩みながらも
子どもを懸命に保護する児童福祉司の女性が描かれている。


 かなり現状を踏まえた作品だと思う。


 私が取材した児童福祉司も事なかれ主義の校長先生と戦い、子どもを保護した親から罵
声を浴びて、無力感を抱きながらも子どものことだけを考えて歯を食いしばって頑張って
いた。


 社会のために、子どもたちのためにも、こうした人々をこれ以上失望させてはならない。




◇危機管理は災害だけではない

 この状況を打開する処方箋はあるのか。東京都は児童相談所に民間の福祉施設などで虐
待問題などを担当した経験者の任用を始めた。


 児童福祉司のプロ化を進めようという戦略だ。


 昨年春採用された、倉重裕子さんは米国ジョージア州の大学でソーシャルワークを学び、
実際に地元の児童虐待防止機関(DFCS)で勤務した経験もある。


 倉重さんによると、ジョージア州には159の郡があり、最低1つのDFCSが設置され
ている。児童数245万人にのぼる同州の2003年度の虐待通報数は92612件で、
児童数174万人で少ない東京都と比べ40倍近い。


 職員も東京の7倍もいる。


 処遇をはじめ様々なケースに24時間態勢で対応。


 虐待に関する調査が決まった場合には、「レスボンスタイム」という期限が設定され、
6歳以下の子どもに外傷があった際など緊急を要するケースには24時間以内、それ以外
は5日以内に当事者である子どもに直接会って事情聴取をしなければならない。


 現場のケースワーカーはケースの最終判断として、十数問のアセスメントシートに状況
を記入し、その点数を判断基準にして、認知から一か月以内には結論を出すのだという。



 倉重さんのレクチャーを受けて、私が感じたのは、複雑に入り組んだ個々のケースを警
察との連携などでスピーディーに調査すること、そして親権のはく奪などについてもしっ
かりと規定してある米国のシステムのすごさだった。


 親のしつけと虐待の認定を巡って、小難しい議論ばかりしている日本は数十年遅れてい
ると思った。


 さらに深刻なのは、日本の児童福祉について危機管理という考えが依然希薄であること
だ。


 本来児童相談所は都道府県の所管で、知事の考え一つでどうにでもなるものである。


 公共事業に比べれば、票にはつながりづらいかも知れないが、この現状を放置し続けれ
ば、国家の存続すら困難になりかねない。


 大震災のように目に見える破壊に備えるだけでなく、家庭という社会の基礎が揺さぶら
れているという認識を首長にはもってもらいたい。


 倉重さんにとって、日本のシステムはさぞかし融通が利かずに大変だろうと勝手に推察
して尋ねてみたが、


「配属された児童相談所は所内のサポートがしっかりしていて心強い」


と思いの外に明るい答えが返ってきた。


 一日も早く児童相談所が倉重さんらの専門知識が無駄にならないような組織になって欲
しいと思う。

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