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岸本裕史さんはこんなことを ①-「育児の帝王学」小学館 1999年(1) /「この人の宇宙(中村 諭さん)」  『いい話の新聞』より【再々掲載 2011.5】 [読書記録 教育]

今回は、わたしの読書ノートより、キーワード「岸本裕史」でまとめたもの、
「岸本裕史さんはこんなことを」1回目、「育児の帝王学」(1)の紹介です。


出版社の案内には、


「少子化の進む現代、きょうだいによる疑似社会を体験できない子どもが、心身のたくま
 しさを育て、21世紀を担う学力の基礎を身につけるためには。具体例でわかりやすく
 示す、少子化時代の子育ての指針。」

とあります。




岸本裕史(ひろし)さんは、「見える学力見えない学力」で知られています。
全国的に盛んになった「百ます計算」を考えた方です。
「学力の基礎を鍛え落ちこぼれをなくす研究会(落ち研)」の代表となり、反復練習により学習の底上げに力を注いだ方です。今では、同会の隂山英男さんがよく知られていますね。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「兄弟関係は擬似的社会であり、ぶつかり合いが心身の逞しさにつながる」


・「夕食を一緒に食べる家庭が豊かな家庭であり、いびつな家庭は、経営者・取締役・特
別職公務員に案外多い。その犠牲として問題児につながることがある」


・「今の子どもは三間、遊ぶ仲間と遊ぶ空間、遊ぶ時間)を失って外遊びができない状況
となっている。社会的能力を育む機会を失っていると言えるのではないか」


・「兄弟が少ない子の弱点
 すぐ集団から離脱してしまい集団の中で自信を持って生きる力が育ちにくい」





もう一つ、再掲載となりますが、『いい話の新聞』より
「この人の宇宙(中村諭さん)」を載せます。
NHKラジオ深夜便「こころの時代」で知った中村さんの「どっこい学校は生きている」
を読み、励まされました。
現在、このようなことが許される時代ではなくなったことを感じると共に、
「ふれあい」をどのようなかたちでとればよいのだろうと考えます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆岸本裕史さんはこんなことを ①-「育児の帝王学」小学館 1999年(1)

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◇はじめに
 
 今の小学生が18歳になったとき
 
  → 大学を選びさえしなければ入学できる


 兄弟 - 擬似的社会
  「ぶつかり合い」 = 心身の逞しさ




◇少子化時代の子供たち
 
□子どもが消えた島

  TV TVゲーム → 子どもの外遊びを減らす



□減っていく子供たち 

 人口維持には2.1人の出産必要だが実際は1.5人下回る

 一世代は25年 

 晩婚化 日本衰亡の道



□男らしさ・女らしさ
 
 500万年前 猿から分化

 20万世代で二本足歩行 
   
 25万世代で現代人類
   男 - 猟が英雄 活動的で強く逞しい

女 - 幼子育てる能力重視 種族維持に献身的
 


□子育ては困難になる

 人類500万年前の歴史 
   20年に凝縮して追体験 = 子どもの成長

           ↓

 他者との協調 対立 

 家族への帰属感 家族からの独立心

 少子化により社会的能力を身につける機会が減る
 


□夕食を一緒に食べる家庭が豊かな家庭

 いびつな家庭
   経営者・取締役・特別職公務員 ~ 犠牲者としての問題児


 子どもへの過保護・過干渉



□父親が家庭に帰ることの大切さ

 社会 残酷な競争社会 

 21世紀「父親を家庭に返せ」の声が



□核家族になって変わったこと

 プライバシー

   共同体 ~ 隣近所の子への目配り



※ 「お節介」という風潮 教育や文化の衰退



□6人の子どもを育てるお母さん

 案外楽 ~ 役割分担



□いじめる子 いじめられる子



□親に訴えることができる子

 人をいじめる子 = 愛情に飢えている子 - 鬱憤を弱い子に

弱い子をいじめる



    ◎ 親子のおしゃべりが大切



□外遊び,群れ遊びで身に付くこと

 今の子 
   三間(遊ぶ仲間・遊ぶ空間・遊ぶ時間)を失って外遊びができず



   ◎ 社会的能力
 


□兄弟が少ない子の弱点

 教養ある親 自尊心を傷つける叱り方をしない



 しかし,子ども集団では勝手なことをやる子に対しては遠慮会釈なくきつい言葉



 すぐ集団から離脱してしまう

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集団の中で自信を持って生きる力が育ちにくい













☆「この人の宇宙(中村 諭さん)」  『いい話の新聞』より【再々掲載 2011.5】

◇人間関係を築く教育実践

□生徒の本質をつかむH先生

 「おい。教室へ入れ」

 「いやじゃあ」。


 兵庫県宝塚市立高司中学の先生と、ある生徒とのやりとりだ。


 始業ベルがなっても教室に入ろうとせず、廊下でうろうろしている生徒が何人かいる。


 答えた生徒は180センチを越える大柄な男子生徒だった。


 「鼻なめるぞ」。


 先生がとっさに思いついた言葉だった。他の生徒の手前上、「はい」と従うとは思って
いなかった。


 「なめてみんかえ」。


 生徒が答えるやいなや、先生はこの生徒を押さえつけて鼻をぺろぺろとなめ始めた。


「何すんねん、汚いやないか」。


 周りの生徒は腹を抱えて笑い出した。


「先生は生徒の本質をつかむ天才。やること言うことのタイミングをはずしたことは一度
 もない」


とは校長の中村諭さん。


 このクラスの一年の始まりはこうして幕が開いた。


「一年間のクラスが憎しみから始まっちゃいかん。笑いが最初にあれば、こちらの要求も
 受け入れられやすい」


と先生。


 先生のあだ名は電気ポット。


 生徒くんは「電気ポットいる 電気ポットどこ」と言いながら職員室に入ってくる。


 電気ポットの温もりを求め、先生を見つけては体をすり寄せ、頭をさすっている。


 時には、生徒くんの力が入り過ぎたとみえ、


「こら、痛いやないか」


と言いながらも追いやることをせず、辛抱強く付き合っている。


 ある時、柔道で腕をならした先生は生徒くんを寝技で固めた。もちろん本気で締め上げ
ているわけではない。


「やめてくれ」と叫びながらも、生徒くんは至福に満ちた表情を浮かべていた。 



ここまでのかかわりをしてくれる大人に出会ったことがなかったのだろう。


 高司中学校は過去の体罰事件でマスコミの取材攻勢の渦中におかれ、まともな学校運営
ができない時期があった。


 既成事実がある以上、弁明しても言い訳としか受け取られなかった。


 世評を覆すには校長以下スクラムを組んで立て直す以外に方法はなかった。


 A子先生は


「人の話をちゃんと聞くことができない。ちょっとしたことで暴力をふるう、人に物を投
 げつける」


といった生徒が大半のクラスを受け持った。


 このクラスを受け持って3年目、A子先生は生徒の志望校に校長とともに乗り込んだ。


 裏工作をするわけではないので、結果は高校側が決めることだ。

 だが、生徒たちの希望をかなえてやりたいという熱意がA子先生を動かした。


 卒業時にある生徒が

「私にし残したことがある。それは先生孝行」

と言った。


 またある生徒は

「僕はこのクラスでよかった。あと四日で卒業だけど、その4日間だけでも迷惑をかけず、
 先生が喜ぶようなきちんとした態度でやっていきたいです。本当にごめんなさい。それ
 に、心からありがとう」

と書き綴った。


 「ももちゃん」という愛称で親しまれている先生(女性)は、学年劇や体育大会のマス
ゲームを通して人の気持ちの分かる優しい子になってもらいたいと願っていた。


 学年劇では、全員が何らかの役割を担った。美術を担当しいる子は絵の具でどろどろに
なりながら、作品を仕上げようとしていた。そんな姿が出演する子に「いいかげんな演技
はできない」という気持ちを抱かせた。


 マスゲームでは、夏の暑い日差しの中で大声をあげて指導にあたった。

「みんなで協力して、何かを成し遂げた時に大きな感動がある」

 この言葉通り、マスゲームを終えた女子生徒はみんな泣いた。


 そして、ももちゃんのもとに駆け寄って泣きながら胴上げをした。


 体育大会で使う備品をそろえるにはお金が必要だ。


 だが、すぐに公費が予算化されないため、私費で立て替え払いしていた縁の下の力持ち
の教頭先生の存在も付記しておこう。

「この学校を経験できて幸せ。いつも先生方の力を頂けるから元気でいられる」

と中村さん。


 先生たちが協力しあう姿は生徒たちが協力する姿に昇華された。


 まだまだ学校は死んではいない。


 どっこい学校は生きている。               (小松良行)

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