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「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年 ⑥ / 読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ③【再掲載 2014.5】 [読書記録 教育]

今回は、7月15日に続いて、草柳大蔵さんの
「続午前8時のメッセージ」6回目の紹介です。


出版社の案内には、


「評論家・草柳大蔵が送る待望の第2弾。家庭、学校、社会、さまざまな角度から子ども
 の心を見つめ、輝く未来のために祈りを込めて語る珠玉の99話。」


とあります。



同感というところ、違和感をもつところ、「時代」を感じさせてくれる文章です。




もう一つ、再掲載となりますが、
読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」③を載せます。
面白いところ、考えさせられるところ、軽いところ、深いところ、幅の広さが魅力です。







<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年  ⑥

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◇「一波は動かす四海の波」です

 前にご紹介した中村先生の赴任された学校は、宝塚市内の中学校で、この20年間の犯
罪件数が、毎年市内でナンバーワンという学校だったんです。


 それが、挨拶を続けていくことですっかり穏やかな学校になって、よその人が校門を入
って来ても、「こんにちは」と生徒の方が挨拶をするような学校になったといいます。


 中村先生に転任の時期が来て、いよいよ学校を去ることになりました。


 最後の卒業式で、代表が謝恩の辞を述べるのですが、途中で自分が感極まってしまって、
全くのアドリブになってしまうんですね。


 少し読んでみます。


「数え切れないほど言い争いをして、先生には迷惑を掛けてしまいました。でも、それも
 俺の中ではめっちゃ良い思い出になりました。先生の方も、『良い思い出ができた』と
 いうことにしておいてください。これからも、俺みたいな問題児が現れるかもしれない
 けど、挫けずに頑張ってください」


と言うんですね。


 その後、今度は生徒会長が立ち上がって

「僕たちの気持ちです。先生、どうぞ受け取ってください」

と言うんです。

「何だろう?」

と思って立っていると、ピアノの前に生徒が座って、『仰げば尊し』を黙って弾き、学生
の大合唱が始まった。


 もちろん、先生も生徒もポロポロ泣いてしまったそうです。


 中村先生がお書きになっているのですが、関西方面の学校では、昔からいろいろな問題
があって、いまだに『仰げば尊し』を歌わせないことになっているんだそうですね。


 しかし、「一波は動かす、四海の波」、一つの波が動けば、海の波は動くんですよね。


 何もしないで、「言葉つきが乱暴だ」「すぐキレる」「危ない」というだけで、子どもた
ちに対して距離感を持ってしまう。


 それが一番の大きな問題なんです。


 なぜ、大人が踏み込んでいかないのでしょうか。


 そうやって、分かってくれる子、つまり、お互いに心を交換できる子を増やしていくこ
とによって、つっぱっていた子が、「つっぱっていてもつまんねえよな」と、必ず応えて
きます。


 根っからの悪い子なんていないんですよ。


 私は、そこをもう一度考えてみたいという気がします。


 中村先生を始めとしたいろいろな方が、今の日本の教育崩壊について一所懸命にお考え
になっていらっしやいます。


 大きな問題は、昭和40年に配られた母子手帳の中に、西洋型教育理論を導入して「子
どもが泣いても抱いてはいけない」「添い寝をしてはいけない」ということが書かれ、そ
れを信奉したお母さんたちが、子どもに対するスキンシップを忘れてしまったということ
です。


 昭和40年に15を足すと55年ですね。


 そのころからキレる子どもが出てくるんです。


 なぜ15を足したかといいますと、中学3年生ということですよ。


 ようやく、最近の母子手帳は、「抱いた方がよい」「添い寝をした方がよい」「おっぱい
をやった方がよい」というふうに変わりました。


 人間って正直ものです。











☆読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ③【再掲載 2014.5】


◇ハイポニカ農法 野沢重雄

 水気耕栽培法(ハイポニカ)
トマトの巨木に一万個の実




◇蝶と蛾 北杜夫

 蝶と蛾の違い →「触覚」

   蝶の触覚は一直線で先丸 

蛾の触覚は羽毛状・糸状
  

 平山修二郎「原色千種昆虫図譜」
ロスチャイルド家の一人にノミの蒐集家




◇遠藤周作の横顔

 好奇心旺盛 - 科学では証明されないことに


 人との縁 - 死に対する心構え ◎死は通過儀礼の一つ


 動植物を愛でる
「人間好奇心がなくなったらおしまいだよ」


 人間は全部百点とれやしないよ

人間は完全ではない
人間はその時代その時代で無垢な部分が残る
  

 実に真剣な好奇心


◎晩年エッセイ集「万華鏡」1996年

「幼年のころに信じていたこと,動物も木々も話をするという童話の世界は,少年になっ
 て失われ,それが長く続いた。そして,老いた今,再びそのように失った世界を,私は
 切にほしがっている。なぜだろう。シュタイナーという思想家がこう言っていた。人間
 は青年時代は肉体で世界を捉え,壮年のときは心と知で世界を捉えるが,老年になると
 魂で世界を捉えようとする -と。そして私もその三番目の魂の年齢になったからだ。」





◇「孤狸庵閑談」読売新聞社 1994年
  
□信長  
   
 天才だが視野が狭かった

  = 機能第一主義  内固めを行わない

   
 芥川龍之介「神々の微笑」
       
  
 「灘万」楠本謙吉が主人   


 
□生贄の仔羊 
    
 戦犯は生贄の仔羊


 
□老人
   
 老人は社会に重荷になっていく

  家の空間を食う・医療費を食う = 老人問題

  老いの哀しみ  老いへの怖れと介護する家族の思い

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