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「安倍教育改革はなぜ問題か」藤田英典 岩波書店 2014年 ②(後半) /「昭和30年代」 塩田潮 平凡社新書 2007年  ③(最終)【再掲載 2013.2】 [読書記録 教育]

今回は、8月26日に続いて藤田英典さんの
「安倍教育改革はなぜ問題か」の紹介2回目 後半です。


出版社の案内には、


「秘密保護法の成立,集団的自衛権の行使容認の閣議決定など,安倍政権の『暴走』が目
 立ちます。なかでも,いま進められようとしている『教育改革』については,子どもた
 ち一人一人の現実と関わっており,特に注意が必要ではないでしょうか。第一次政権時
 には,教育基本法を改正し,愛国心教育を推し進めるなどしました。現在の第二次政権
 でも,教育委員会制度の改革,道徳の教科化など,『教育改革』に意欲を見せています。
 本書では,安倍政権の『教育改革』の狙いや危険性を検証します。あわせて,その源流
 とも言える,1980年代から続く政治主導の前のめりな『教育改革』の弊害を分析しま
 す。著者の藤田英典氏は,教育社会学の第一人者として,この間の『教育改革』のあり
 方に鋭い批判を続けてきました。教育現場をどう活性化させるか、あるべき教育の形と
 は何か、鋭く提言します。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「戦後70年かけて営々と築き上げてきた日本の教育の適切性・卓越性と自由な共生社
会の基盤を切り崩し、深刻な危険にさらしかねないもの」


・「教育改革の影響は中長期的・複合的であり因果関係も明らかになりにくい」


・「価値観や教育観・社会観により是非の判断が問われる」


・「首長の意向を受ける教委」


前回と二回にわけて要約を紹介しましたが、わずか30ページまでの要約です。
内容が詰まった本です。





もう一つ、再掲載となりますが、塩田潮さんの
「昭和30年代」③を載せます。
昭和30年代生まれのわたしですが、
ここに要約してあることはほとんど知らないことです。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「安倍教育改革はなぜ問題か」藤田英典 岩波書店 2014年 ②(後半)

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◇安倍政権が進める「教育改革」のねらい-子どもと教師教育を改革する5本の矢-

1 民意を借称し振りかざす独善的政治家と政治の暴走
  
□アベノミクス「三本の矢」と教育政策「五本の矢」の違い 



□三本の矢 

 ①「大胆な金融緩和」


 ②「機動的な財政出動」


 ③「民間投資を喚起する成長戦略」



□教育政策「五本の矢」

 ①「教科書改革実行プラン」などの教科書改革に見られる「思想統制」


 ②「心のノート」改訂版や「道徳の教科化」に見られる新保守主義的な「人格統制」


 ③「小中一貫教育の制度化」などの「学校教育システムの再編」案に見られるような新
   自由主義的な「教育機会の制度的格差化」


 ④全国学力テストの学校別結果公開や大学入試改革に見られる成果主義的な「教育統制」


 ⑤教育制度改革により促進されかねない管理主義的な「行政的統制」



 ※ 戦後70年かけて営々と築き上げてきた日本の教育の適切性・卓越性と自由な共生
  社会の基盤を切り崩し、深刻な危険にさらしかねないもの



□問題点

 ◎ 教育改革の影響は中長期的・複合的であり因果関係も明らかになりにくい


 ◎ 本来問われるべき合理性・有効性・適切性が無視される


 ◎ 価値観や教育観・社会観により是非の判断が問われる
 


□「教育再生会議」メンバー  

 ◎ 専門性に疑問。新自由主義、保守主義、特定の思想の人が多い



□新自由主義的改革と新保守主義的改革の拡張推進

 日本 

  ・ 新自由主義的な改革の大半が合理性・適切性を欠いている

  ・ 新保守主義的な改革が常軌を逸している



□教職員・学校現場への法令主義的・全体主義的な管理統制

 大阪、東京 

 ~ 首長の意向を受ける教委


 ※ 理不尽な学校批判、教員批判は、教師間の同僚制や協同性の基盤を掘り崩し、中長
  期的には教師のモデル、学校全体のパフォーマンスの低下に結びつく恐れがある
 
       
 → 司法でも


 ~P30 途中、さわりまで









☆「昭和30年代」 塩田潮 平凡社新書 2007年  ③(最終)【再掲載 2013.2】

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◇大原總一郎の決断

□初の国産合成繊維

昭和24(1949)年5月24日 
倉敷レイヨン(現クラレ)ビニロン

   社長 大原總一郎

 
 ビニロン - 国産技術による史上初の合成繊維


 
□中国への償い 
  
 ビニロンプラントを中国に輸出



□父・大原孫三郎 実業界の巨人 
  
 東京専門学校中退 倉敷紡績

女工等の待遇改善
  → 大原社会問題研究所 大原美術館


 昭和3年  レーヨンの製造


 昭和13年  米・デュボン社 ナイロンの工業化

  
 昭和19(1944)「ポバール」



□孫三郎の言葉
 
 ◎「仕事は10人の内2~3人が賛成するときに始めなければならない」     

 
 ◎「経験とは新しいことを失敗なしにやり遂げること。それが真の経験だ」



□敗戦 → 倉紡(手放す)と倉敷絹織と別れた  
       
 日本フェビアン協会



□ビニロン誕生 
  
 昭和22(1947)年~  片山哲内閣 - 経済安定本部の物価庁次長


 昭和23(1948)年6月 ビニロン工業化


 昭和24(1949)年4月 社名を倉敷レイヨンに変更
15銀行より十四億一千万円の協調融資


 昭和24(1949)年11月11日  ビニロン量産スタート 成功

 

□プラント輸出 

 ビニロン増産  

 政官の壁 LT貿易 見切り発車調印
 
 たった一つの成功 短すぎる生涯






◇池田政治の遺産

□「国民は計画という言葉についてくる」

 昭和35年7月14日 
   岸 → 池田

 

□「鶴の一声」で9% 
   
 池田ブレーンは田村と下村

 

□実際は10年で3倍増  
  
 高度成長とオリンピック 
   池田 対 福田

 





◇「奇跡」と呼ばれた時代

□「保守都政の帽子」東京の都市改造を 
   
 東龍太郎 昭和34年4月に都知事

 

□陰の知事 鈴木副知事  
  
 東京砂漠 おつりが出たオリンピック

 

□秋晴れの10月10日 
  
 池田勇人の退場 「世紀の祭典」

 

□昭和30年代の遺産と負債  
  
 志に生きた明治人  閉幕  40年不況



◇あとがき

 大分県豊後高田市と岡山県岡山市の西大寺、2つの町

 昭和レトロの町 裸祭りの門前町(「3丁目の夕日」ロケ地)


◇塩田潮
1946年高知県生 慶應大学法学部政治学科卒

 雑誌編集者、記者 → ノンフィクション作家
 
 「霞ヶ関が震えた日」で第5回講談社ノンフィクション賞

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