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「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年 ⑩ / キーワード「作文」⑤-『現代国語教育論集成』 東井義雄 明治図書 1991年より【再掲載 2012.11】 [読書記録 教育]

今回は、8月12日に続いて、草柳大蔵さんの
「続午前8時のメッセージ」10回目の紹介です。


出版社の案内には、


「評論家・草柳大蔵が送る待望の第2弾。家庭、学校、社会、さまざまな角度から子ども
 の心を見つめ、輝く未来のために祈りを込めて語る珠玉の99話。」


とあります。



わたしは、小倉と長崎の話をこの本で初めて知りました。
心にしみました。




もう一つ、再掲載となりますが、キーワード「作文」⑤を載せます。
「綴り方運動」、昭和初期に始まり、戦後大きなうねりとなりました。
無着成恭さんの『山びこ学校』は大きな話題となりました(わたしは随分後に読みました)。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「続午前8時のメッセージ」草柳大蔵 静岡新聞社 2002年 ⑩

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◇長崎の原爆の日によせて

 8月9日、長崎は原爆の日を迎えます。長崎の原爆資料館にいらっしゃった方もおあり
になると思いますが、おそらくお見逃しになっているのではないでしょうか。


 かつての小倉や八幡や戸畑が集まって北九州市になりましたが、その北九州市の皆さん
が、長崎に大きな碑を贈っているんですね。


 長崎に原爆を落としにきたアメリカの飛行機は、実は最初は小倉に落とすはずだったん
です。


 小倉というのは、軍事工場が軒を並べていたところですから、アメリカ兵はここを叩く
予定でした。


 ところが、その日はどんよりと曇って、全然視界が利かなかったんですね。


 そこで長崎の造船所を攻撃しようと、小倉から長崎に機首を向け直します。


 長崎の上空に達したとき、長崎の上空も雲に覆われていたので、レーダーを頼りに攻撃
をかけようとした。


 すると、造船所の上だけポッカリと雲が切れていたんですね。


 そこで原爆を投下することになります。


 つまり、最初は小倉に落とすはずだったのに長崎に落とした。


 そのために、長崎の人たちは大変な目に遭うんですね。8万人余の人々が原爆の業火に
焼かれ死んでいきました。


 そういうわけで小倉(今の北九州市)の人たちは、長崎は私たちの犠牲になったのでは
ないか、本当にすいません、お気の毒でした、ということを碑面に刻んでその碑を長崎に
贈りました。


 それを長崎市が原爆投下地のすぐそばに建てているんですね。



「惨憺たる災禍は、実は北九州市民が受けるはずのものでありました。地獄さながらの長
 崎市民の苦しみは、本来は、北九州市民のものであったはずです。多くの長崎市民が、
 多くの北九州市民に代わって亡くなっていかれたのです。お詫びとも慚愧ともお見舞い
 とも、何とも言いようのない、いてもたってもいられないこの気持ちを、長崎市民にお
 伝えしたくてこの碑を作りました」


というのがその碑面の内容です。


 北九州の皆さんが素晴らしい碑を長崎の皆さんに贈ったこと、それを地域の子どもたち
に聞かせて、


「人間同士というものは、こうやって心の橋渡しをしてきたんだよ」


 という話をしてあげたらどうでしょう。



 私は、この碑文を読んだときにある言葉を思い出しました。


 おそらく皆さんもご存知の方が多いと思いますが、二行の短い言葉です。





 自分の幸せの日に、人の不幸を忘れない

 自分の不幸の日に、人の幸せをうらやまない





 私は随分と年をとってから、この言葉に巡り会いました。


 これは、人間の心の置き所とでもいえるものではないでしょうか。













☆キーワード「作文」⑤-『現代国語教育論集成』 東井義雄 明治図書 1991年より【再掲載 2012.11】

<出版社の案内>
戦後のわが国における屈指の教育実践者東井義雄の実践・理論の内容・意義を解明。



◇「体で書くということ」 『現代国語教育論集成』 東井義雄 明治図書 1991年
 
□文は体で書くもの

 生活綴方の精神 

  ◎ 文は生活をぶつけて生活で書くもの 

  ◎ 文は体で書くもの

      ↓

  △ 小手先の技術に

 
 技術は技巧ではない 
   もっと主体的なもの
 


□「くわしく」ということ

①「もっと詳しく書きなさい。」

せっかく頑張っていることを見ようともしないで書き付けた「指導」


 ② 表れているところだけがすべてではない

   佐古田好一校長『母親教室二十一夜』

     子どもの舌足らずの表現の底に隠れているものを誰の目にも見える表現の世界
    に表していくこと



 ◎ ないものに何かをくっつけて詳しくするのではない。あるにはあるのだが、沈み隠
  れていて見えないものを見える世界に浮かべていく仕事

  = 詳しく書く


 ③ 無意識の意識の意識化

   「ねうち」の意識化・自覚化




◇「段落指導を巡って」 『現代国語教育論集成』 東井義雄 明治図書 1991年

□段落意識と相手意識

 様々に相手を意識することが段落を生み出し,段落意識を練り鍛える。



□思考の論理的修練と段落の形成


 
□体で書かせるための指導

 書く必然を組織する



 どんな場でもごまかさず真実を書く

  
 人間を鍛える

→ 問題を自分の問題として取り組むような教室に




◇「作文・綴り方教育論」 『現代国語教育論集成」東井義雄 明治図書 1991年

□「綴り」と「綴り方」と日記

 綴り = 生活 

   △ 吐き出すだけの世界  しゃべるだけの世界  怒鳴るだけの世界

       ↓

   ◎ 綴りの世界を耕す

       |


 雑談
◎ ノートの上の赤いペンの雑談
 


□子どもたちは何を書くか

 子どもの綴りを問題にしてやること



□子どもたちは何を書こうとするか

 綴り

 ~ 過去から現在に移行する 

 ~ 未来さえも動員される

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