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大村はまさんはこんなことを ⑰-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年 (4) / 山川剛「はじめよう平和教育」葦書房 2006年 ②(後半) 【再掲載 2014.1】 [読書記録 教育]

今回は、10月21日に続いて、大村はまさんの
「大村はまさんはこんなことを」の紹介17回目です。
「灯し続けることば」の要約の4回目です。


出版社の案内には、


「『国語教育の神様』とまで言われた国語教師・大村はま、98歳になる今日までの著作・
 執筆から選びだした珠玉のことば52本と、その周辺。自らを律しつつ、人を育てるこ
 とに人生を賭けてきた大村はまの神髄がここに凝縮された。『熱心と愛情、それだけや
 れることは、教育の世界にはないんです』『したことの悪さより、しかられた傷のほう
 が大きいということはないでしょうか』『熱心結構、いい人あたり前です』『スタート
 ラインが一緒でも、ゴールには同時に入りません』『しかられ上手であることが必要で
 す』etc.子どもにかかわるすべての大人、仕事に携わるすべての職業人に、折に触れて
 ページを開いて読んでほしい。」


とあります。



わたしにとって、耳の痛くなるような話ばかりです。
読むたびに、そうだなと納得して自分を大いに恥じても、いつの間にか元に戻ります。
わたしには、間を空けて、何回も読み直すことが必要です。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「…少ししか使わないと、力は伸びない、生まれてこないようです。かわいそうになる
  ほど、持っている力をみな使ってしまうことが、次の力を得るもとになるのだと思い
  ます。」


・「『よく読みなさい』と言わなくても、子どもがよく読んでしまった、知らない間に読
みひたっていたというふうにもっていくのが、教師の教師たるところでしょう。」

「そういう、もう子どもが聞き慣れてしまったことばを使うのではなく、自然に背筋が
  ぴんと伸びるようにするのが、専門職たるゆえんだと思います。」

「『姿勢をよくしなさい』と言って指導するのは素人でもできることです。
  …自然に姿勢がよくなっている、これが教師の技術です。」

- 静かにしなさいと言えば静かになるのが当然と思っている方が多いのではないかと推
 察します。


・「戦後の教育で最大の失敗は、教師が教えなくなったことだと、私はつくづく思ってい
ます。『子どもの個性・主体性を尊重する』ということばが、『教える』ことを背後に
押しやっていったようです。」



大村さんは、教師としてのあるべき姿勢を易しい言葉で教えてくれます。



もう一つ、再掲載となりますが、山川剛さんの
「はじめよう平和教育」②を載せます。
先日、広島の被団協の坪井直さんが亡くなられました。
以前ラジオ深夜便明日への言葉でのお話しを思い出します。
平和の大切さをいつまでも説いていなかくてはと感じます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆大村はまさんはこんなことを ⑰-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年 (4)

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◇力は使い切ったときに伸びるものです
 
 持っている力というのは、使い切ったときに伸びるもののようです。


 大してない力でも、ありったけ使うと、またどこかからわいてくるのです。


 誰かが哀れに思って、与えてくれるのではないかと思うほどです。


 ですから、少ししか使わないと、力は伸びない、生まれてこないようです。


 かわいそうになるほど、持っている力をみな使ってしまうことが、次の力を得るもとに
なるのだと思います。





◇自然に背筋が伸びるようにするのが技術です

「よく読みなさい」「じっくり考えてみなさい」

 教師はこんなことばをよく使います。


 でもそれは安易に過ぎることばです。


 誰にも言えることです。


「よく読みなさい」と言わなくても、子どもがよく読んでしまった、知らない間に読みひ
たっていたというふうにもっていくのが、教師の教師たるところでしょう。


 それあってこそ、教師という専門の職業が成立するのだと思います。


「姿勢をよくしなさい」と言って指導するのは素人でもできることです。


 そういう、もう子どもが聞き慣れてしまったことばを使うのではなく、自然に背筋がぴ
んと伸びるようにするのが、専門職たるゆえんだと思います。


 こういうときは、いいお話をするのが一番です。


 話に引き込まれると、子どもは少し前に乗り出したような形で、腰がぴんと立ってきま
す。


 自然に姿勢がよくなっている、これが教師の技術です。





◇教師がいじったからと言って、個性は壊れません

 戦後の教育で最大の失敗は、教師が教えなくなったことだと、私はつくづく思っていま
す。

 「子どもの個性・主体性を尊重する」ということばが、「教える」ことを背後に押しや
っていったようです。


 たとえば、作文の授業のときに、生徒が書いている間、教壇のところでじっと見ている、
あるいは忙しいからといって教壇で別の採点をしていたりする方もいます。


 「さあ書いてごらん」と原稿用紙を渡されただけで、子どもは書けるものでしょうか。


 他の子どもがすらすら書いていたとしても、書けない、何を書いていいかもわからない、
そんな苦しんでいる子どもはいないでしょうか。


 生徒の間を回って、書く題材のヒントを言ったり、ちょっと書き出しの文を与えて「そ
こから先を書いてごらん」と示したり、いい表現が見つかるようなヒントを出したり、そ
ういうのが教えるということではないでしょうか。    


 そういうことをすると、子どもの個性が損なわれる、主体性がなくなると批判なさる方
があります。


 でもこうして基礎的な力を身につけた人が、それから個性を花開かせていくのです。


 あとで作家として立つような人が、教師が書き出し文を与えたために個性を失って型に
はまってしまったなんてことがあるでしょうか。


 本当に特殊な才能というものは、私たち教師が三年や五年いじったからといって、壊れ
はしないでしょう。


 それに、ほとんどの人は天才ではありません。


 教師が教えてくれること、それによって伸びることを心の底から待っているのです。









☆山川剛「はじめよう平和教育」葦書房 2006年 ②(後半) 【再掲載 2014.1】


◇平和教育の実際 その1

□平和教育教材の作り方
 
  1970.5.16 長崎原爆被爆教師の会

  8. 9 長崎原爆被爆教師の会  8.9を原爆登校日に

○○の日 → 平和カレンダー



  1 素材を探す - 素材の同心円をチェックする

  2 テーマを決める

3 テーマの柱を決める

  4 柱の内容を考える

5 表現運動を考える



□学級通信と平和教育





◇平和教育の実際 その2
 □チェック1による実践
◎教材「いただきます」

  『ヘソの詩』無着成恭 毎日新聞社
T1 「いただきます」とは何でしょうか

T2 「今日朝ご飯に何を食べてきましたか」生き物

T3 「いただきますとは」?

「いのちを見つめさせる」


  ◎教材「彼は長髪だった」



 □チェック2による実践
◎教材「出口家の被爆」 



 □チェック3による実践
◎教材 台本「わたしたちのねがい」

   10分間の台本


 □チェック4による実践
  ◎教材「げんばくでなくなった ひいじいちゃんの話」 


□チェック5による実践
◎教材「郷土史クラブ」 

    クラブ活動の記録 - 日露戦争と矢上村


□チェック6による実践
◎教材 台本「8月9日の矢上」




◇資料
現代版焚書 「原爆詩 本隠し」と長崎市の官製平和教育


 広島市教委の「平和教育の手引き」


 原爆を遠ざける教育行政がもたらしたもの




◇山川剛
1936年 長崎市生 36年間小学校に勤務 1997年退職

長崎県原爆被爆教職員の会副会長

著書 「君が代と国語辞典」1998年 葦書房

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