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小浜逸郎さんはこんなことを⑤-「この国はなぜ寂しいのか」PHP 1998年(5) /「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011年 ①(前半)【再掲載 2016.12】 [読書記録 教育]

ジオラマグランプリがザザシティ浜松の西館2階で始まっています。
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今回は、11月 2日に続いて、
「小浜逸郎さんはこんなことを」5回目、
「この国はなぜ寂しいのか-『ものさし』を失った日本人」5回目の紹介です。


今回は、「個性」についての要約です。
読んだ当時にはなるほどと思ったものの、今、要約を読み直すと、
分かったような分からないような…
課題をあぶり出し考える機会を与えてくれます。


出版社の案内には、


「『失楽園』現象から『酒鬼薔薇事件』『金属バット事件』『個性尊重論』の問題に至る
 まで子供や思春期の少年たちにかかわる社会現象をテーマに、不安と虚無感におびえる
 世相を読み解く。精神不況の時代を読む。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『個であること』と『個性的であること』は矛盾する」


・「個性志向(目立つ)は凡庸さを否定している」


・「凡庸さを基盤にしてこそ,少数の『個性』なるものも成り立つ」

・「個性を追うことは凡庸さからの逃避であり、凡庸であることに安住できなくなった近
  代人たちの強い不安を表す」


・「『個性的であることの不幸』 と『平凡肯定論の微妙さ』」





もう一つ、再掲載となりますが、吉崎誠二さんの
「行列ができる奇跡の商店街」①を載せます。
賑わいのある商店街に行くと、なぜか自分も元気になります。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆小浜逸郎さんはこんなことを⑤-「この国はなぜ寂しいのか」PHP 1998年(5)

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◇「個性的」であることは幸福なのか 個性尊重の嘘①

□個性尊重主義という脅迫

 <個性の問題>

① 個性を持つことが無条件によいこととされ,個性を育てる教育こそが真の教育で
   あるという考えの妥当性がまったく疑われていない

  ② 当の主題が,まさに教育論の範囲でしか論議されない



 ◎「個性」を持つと言うことはどういう事を意味するのかが,もっと広い人間論,文明
  論的視野から見当されたことはほとんど無い



 ◎ 個性とは何かという原理的な追究がおろそかにされてきた

   

□近代における「個」の強調の必然性

 「個の尊厳」という原理を社会秩序の機軸にする以外に,如何なる特定の共同性の原理
 にも特権的,支配的な地位を与えることができない



   ◎ 自分自身にアイデンティティを求めざるを得ない



□「個であること」と「個性的であること」は矛盾する

 個であることのかけがえのなさと個性的であることの価値は重なり合わない


 ◎個性志向(目立つ)は凡庸さを否定している
  
   個であることはいわば個性的であることが人々の間に差異として出現するための抽
  象的な前提であり,個性が自由に伸びるためのスタートライン      


□なぜ個性的であることはよいこととされるのか

 「個性的」であることを現代における最大の徳であると考えるようになる


        
         ・かっこいい生き方への憧れ
・不必要にそこに駆り立てる強迫観念

      |

  ◎ 凡庸さを基盤にしてこそ,少数の「個性」なるものも成り立つ



□凡庸さはなぜ嫌われるのか

 個性を追うこと = 凡庸さからの逃避

=凡庸であることに安住できなくなった近代人たちの強い不安


□平凡であることの値打ち

 ◎平凡であることが一番いい

  ~ 無理をして個性的であることへの穏やかな批判

  小学生には「がんばれよ」

  人生経験を積んできたものの目には,個性的な生き方と平凡な生き方とがある程度ま
 で等価に見えてしまう

  ◎ 個性的 - つきもの 
          無理な緊張,人知れぬ孤独,自己喪失不安 親しさの破壊

           ↓

    棺桶にはいるときはただの死体



□個性的であることの不幸

 個性的 = 一種の逸脱 
       まともに生きにくい 病気に近い

      |

 ◎ 人の長所は短所

  個性 → 資質としての個性 と 達成された仕事としての個性



□「平凡」肯定論の微妙さ

  資質として「個性的であること」そのものは別段褒め称えられたり推奨されたりする
 ものではない。
なぜならば彼が「個性的である」のはただ彼が「個性的である」ことしかできなかっ
 たゆえにすぎないから。
 






☆「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011年 ①(前半)【再掲載 2016.12】

<出版社の案内>
全国的に衰退していった商店街の中で、最近、いくつかの商店街が再びにぎわいを見せ始
めている。その原動力となったのは、商店街の店主たちが「なんとしても再興させよう!」
と立ち上がり、自らの店を経営するかたわら、商店街全体のために知恵を絞り、汗をかき、
力を尽くしたことにある。本書は、実際にあった3つの商店街の復活ストーリーを通じて、
「感動」と「元気」と「仕事改革のヒント」を提供する一冊。
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◇商店街の歩んできた道

□似たような景色が広がる地方都市

  地域の独自性のない店舗が広がる日本の郊外


□なぜ人は郊外に憧れたのか   

  衰退の理由 = 商店街近隣住人の減少


□総合スーパーの進出が衰退に拍車を掛けたのは本当か

 ◎スーパーマーケット
 ① チェーンストア 
 
   ② セルフサービス 
 
   ③ 最寄り品がそろう
 
   ④ 安価


 ◎食料品・衣料品・住宅関連品 
   
   それぞれ10~70% = 総合スーパー

   どれかが70%以上  = 専門スーパー


 ◎都市      
   
   2大都市以上  = 全国スーパー

   4都道府県以上 = 地域スーパー

 3都道府県以下 = 地方スーパー


 ◎流通の革命 
   ① セルフサービス方式

   ② チェーン方式   他店舗化・大型化

 ◎1号店
   1953(S28)年 「紀ノ国屋」東京・青山 セルフサービスレジ

◎イメージ変化 
   「ダイエー」1857.9 大阪・千林商店街

   大きな反対運動は起こらず 「主婦の店・ダイエー薬局」
   1964年 関東に進出 ← 反対運動



1973 大規模小売店舗法


□商店経営者が直面した内なる事情 

  後継者問題


□復活への足音が聞こえ始めた

 2006.5 
  中小企業庁「がんばる商店街77選」原動力は商店主

・自分たちができることは何か

・この商店街だからできることは何か




◇「ここに来れば何か楽しいことをやっている」大須商店街(愛知県名古屋市)

□多彩なアイデアでにぎわいを取り戻した商店街


□「気付いたときには手遅れ」という教訓

  地下鉄:上前津駅
   矢場とん・青柳・大須ういろ・コメ兵


□まだどこもやっていないことをやる

  空き店舗 70年代後半~80年代 → テナント調査活動

 → 着手 
     ① 商店街マップの作成 
     
     ② アーケード整備 
     
     ③ 公衆トイレ設置



 ◎ 店のトイレ使用(トイレ協力店)


□資金がないからこそできたこと
  1975・1976 「アクション大須」

 1978    「大須大道町人気」

 1977    鶴舞線 アメ横


□人の流れを変える仕掛け

  イルミネーション
    「世界コスプレサミット」2003~


□如何に話題をつくるか
 
  如何に知恵を絞るか 


□祭り委員長は一人1年限り


□枯れることのない発想力の源泉

  「大須案内人」
     案内、質問に答える 
     16人のボランティア
  大須検定受検者の中から希望者を募る
  商店街の検定


□「20%でも改善されれば20%の成功」

  万松寺「身代わり餅」
 ○ 信長が朝倉攻めの帰路、杉谷善住坊の銃弾が万松寺の和尚からもらい受けた平
    餅にあたり難を逃れたとの伝 - 加藤清正命名

  → 毎月縁日は災難・厄よけとしてつきたてのもちを無料で振る舞う

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