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「この国の宿題―教育液状化を止める」宮川俊彦・櫻井よし子 WAC 2001年 ② /「たどり来し道」会田雄次 新潮社 1996年 ②【再掲載 2014.11】 [読書記録 教育]

今回は、11月14日に続いて、宮川俊彦さん、櫻井よし子さんの
「この国の宿題―教育液状化を止める」の紹介 2回目です。


20年前に出版された本ですが、教育液状化は止まったとは思いません。



出版社の案内には、

「学力の低下、自殺者の増大、いじめや不登校という悲惨な現実がなぜ起こったのか。学
 校で悩んでいる先生や子をもつ親世代の人のために、現在の教育へ問題提起する対談集」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「免罪符の審議会は廃止せよ-利用?」


・「この教師は管理職タイプか現場型か、個人相手がいいか多人数でもOKかと特性を判
  断していく。教材づくりに向いている人、相談に向いている人、世話役が向く人、担
  任が向く人、高度な専門知識をうまく教える技量がある人…、そんな資質を研鑽して
  いける場が必要ではないか。」


・「憲法~国民の権利が拡大された割には義務や責任が軽んじられている」
- 池田潔さんの名著『自由と規律』(岩波書店 1949)を思い出します。


・「『親不在』『学校・塾任せ』のツケ
  親が自分の子どもの教育の根幹の部分を他人に委ねてしまったことのツケは大きい」



もう一つ、再掲載となりますが、会田雄次さんの
「たどり来し道」②を載せます。
日本とヨーロッパの社会、文化の違いについて教えてくれる本ですが、
「この国の宿題」に書かれている内容とつながるようにも感じます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「この国の宿題―教育液状化を止める」宮川俊彦・櫻井よし子 WAC 2001年 ②

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◇文科省と教師の罪と罰

 中央集権の功と罪  
   教育が国任せになってしまった


 カメをガメラにした国家主導教育


 イデオロギー対立の場となった教育


 対立が消えて馴れ合いが生まれた
   ← 残念

別の角度からの視点・観点が失われる


 免罪符の審議会は廃止せよ-利用?


 予定調和のシナリオ


 「金八先生」は現実像になりうるか
諏訪哲二 7箇条 

     ① 学級崩壊の犯人狩りをするな

     ② 教師と生徒は「敵」である

     ③ 生徒の内面には踏み込むな

     ④「やればできる」と生徒に言うな

     ⑤「話せば分かる」は嘘である

     ⑥ 親がかわいいのは自分の子どもだけである

     ⑦ 学校が教えるのは真実ではない


 プロ教師の会の限界
「金八」は教師を意識しすぎた良心的役人


 教員採用の再検討も必要だ  
   教員養成大学も-サラリーマンではない


 教師の育成法が肝要
高齢者の登用を
     教師としての大事な資質 ~ 信念と大きな視野

   
 今の教師はまじめで実直なだけ(それがまず大事なのかも?-ハマコウ)


  ◎ 明確なビジョンや方法で教師たちを現実的に動かせるかどうか



◎ この教師は管理職タイプか現場型か、個人相手がいいか多人数でもOKかと特性
   を判断していく。
    教材づくりに向いている人、相談に向いている人、世話役が向く人、担任が向く
   人、高度な専門知識をうまく教える技量がある人…、そんな資質を研鑽していける
   場が必要ではないか。   



  ◎ 創意工夫、指導法データバンク




◇この親にしてこの子あり(1)

 自由と義務  
   ◎ 権利と責任のバランスの回復を!

   憲法 ~ 国民の権利が拡大された割には義務や責任が軽んじられている

   教育基準法 ~ 社会的意識を!


 ボランティア論議は本末転倒
指導方針に忠実に従う教師がいたら間抜け

◎教育は実践の場
大切なのは生徒を活性化し心に教えを残す
  ボランティア~奉仕の心を生むべき自主性や自発性を育成することが先決


 お金万能「迷信」が親子を蝕んだ
サッチャー  
  「イギリス政府はすべてのイギリス国民に平等を保証します。ただし、それはスター
   ト時点における平等であり、結果の平等ではありません。イギリス国民は全員が等
   しく教育を受ける権利を有し、政府はそれを保証しますが、教育の結果は自ずと異
   なるものであり、政府は結果の平等保証するものではありません」


 存在が希薄になった父親たち
  観点はいつも「自分の好み」
         
   ◎ 見失われた観点 - 「社会性」「役割」「立場」「才能」


 「親不在」「学校・塾任せ」のツケ
画一化された教育政策の中に封じ込められながら、日本の経済成長を支える産業
   予備軍を育て上げたのが戦後生まれの親
                 ↓  
豊かさだけを追いかけたあまりその代償として日本人の心に大きな穴が開いてし
   まった
           |

 ◎ 親が自分の子どもの教育の根幹の部分を他人に委ねてしまったことのツケは大きい










☆「たどり来し道」会田雄次 新潮社 1996年 ②【再掲載 2014.11】

<出版社の案内>
志を消失し、金権万能の信者になった政治家。醜悪な馬脚を現した経済界。呆然自失の国
民。もはや、日本は国家ではなくなったのか…。この衰亡を食いとめることは出来るのか。
今こそ歴史家の言葉に耳傾ける時が来た。
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◇急がぬ生き方

□ヨーロッパは青壮年だけの世界

 子供は厳しく訓練される
理性、知識 + 自己抑制 
    ~ 社会ルールを身に付けて初めて人間として付き合うことができる ↓
◎ 習得の度合いによって「自由」が与えられる
↑↓

   ◎ 日本はその反対
      「人間は生まれ落ちるなり人間」
      
     → 理性が発達していないから自己制御能力を持たない

   ◎ 子供には完全な自由(日本)
本質的な責任は問われない

◎ その代わり長ずるに従って社会のしきたり,人間としての心得が教えられる。
    ∥
   ◎ 大人になるにつれ規律が加えられ責任が問われてくる

   ※ 日本の小学校はやかましい
ヨーロッパ 
    「未だ人間でない子供は厳しく大人社会のルールに合うべく規制されていく」

   ※ 家庭でも
◎ そういった躾をもつ学校であって初めて「中流家庭」
        

□取り残されまいとする老人たち

 ヨーロッパ
  「老人は人間の腐ったもので,もう人間ではない」

◎ ヨーロッパは人間としての老廃物である老人など早死んでしまえという世界

  ◎欧米人には若さを誇示していないと邪魔者扱いされる世界
   
   = そのために涙ぐましい努力


□「おばあちゃんの智慧」を大事にする日本
  
 稲作  ○苦しい姿勢・細かな配慮・忍耐
 ○筋力集中は要らない - 女も男も対等

   老人の親身な労働の方がずっと効率が良かった

   稲作の豊凶は気候に大きく支配される

 気象も短期間に激変 = 経験がものを言う

 日本では老人が大切にされる

 老人を水準とした社会
   食事も老人向き
        


□積極的な意味を持った隠居

 現役引退が早い 
   現役
    ① 老人の労働も不可欠な実労働 →農業指導
    ② 孫の世話や教育
「おじいいさんは山へ柴刈りに,おばあさんは川へ洗濯に」
↑↓
 ヨーロッパは万年飢饉
※余裕なし  
   子供はできるだけ早く次々に出し,親が老齢になってからの子に跡を継がす
   = 末子相続

   → 親子の年齢離れすぎる  
     老女 - 魔女として



□隠居 

 リタイアでなく積極的な意味

 村の行事

 村の政治 ~ 隠居しても日本では威張れる

 ◎ かなり違う老人期を持っていた日本は必ずしもヨーロッパの真似をする必要はない



□道徳訓好き輩出の風土  

  道徳訓好きは田舎者



□封建道徳 + 近代化  の奇蹟



□老後のために働く日本特有の思想


□定年後に知った人生の味 
 
  ◎ 人生の本番は45歳から

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