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「安倍官邸VSNHK」相澤冬樹 文藝春秋 2018年 ③ /「補導現場から教師に伝えたいこと」来間規子(大阪府警本部少年課) 『月刊少年育成』2005年4月号より②【再掲載 2015.3】 [読書記録 一般]

今回は、11月18日に続いて、相澤冬樹さんの
「安倍官邸VS.NHK」の紹介 3回目です。


森友問題、いつまでもすっきりとしません。



出版社の案内には、

「『森友事件』の原稿から、消される『安倍官邸とのつながり』。NHKでも検察でも東京
 vs.大阪のせめぎ合いが続く中、特ダネをつかんだ記者が異動を命じられた!政権を揺
るがす疑惑と巨大組織内に強まる圧力―その狭間で最後まで戦い続けた男の渾身のノン
フィクション。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「国有地問題から補助金詐欺へ → 焦点を移す検察の捜査」


・「背任から世間の目をそらすための国策捜査」


・「『あなたの将来はないと思え』 →  忖度報道」





もう一つ、再掲載となりますが、『月刊少年育成』2005年4月号より来間規子さんの
「補導現場から教師に伝えたいこと」を載せます。
- 教師から見ると40人のうちの一人だが、子どもからは一人の担任
ということが心に残ります。
よく、
「『自分が先生からえこひいきされている』と子ども全員に思われるように!」
と言われますが、この文章を読むと、より納得します。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「安倍官邸VSNHK」相澤冬樹 文藝春秋 2018年 ③

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◇国有地問題から補助金詐欺へ ~焦点を移す検察の捜査~

 水面下で進行する審査
 

 「ガサが来ました」


 見事な特ダネ
 

 検察内部の東京VS大阪
   東京  早く逮捕 口封じ(籠池氏批判)
大阪 現場の都合優先


 特捜部長が激怒した
産経の記事に山本特捜部長が激怒


 ドタバタの捜査現場



◇背任の実態に迫る特ダネに報道局長激怒

 東京から来たデスク


耳を疑う情報


局長を説得するまで待ってほしい
背任から世間の目をそらすための国策捜査

ニュースとして出した 2017(H29)7.26夜のニュース7


 「あなたの将来はないと思え」
小池報道局長が大阪のA報道部長に電話

   忖度報道



◇籠池前理事長逮捕の舞台裏

 デタラメ記事
1.26朝 毎日新聞朝刊 「籠池氏近く本格捜査」


 籠池邸の男たち
NHK(私)からたくさんの菓子折


 「逮捕へ」の特ダネ



◇取材体制変更で担当を外された私  森友事件追及弁護団

 司法クラブから外される?


 反骨の人
坂口徳雄弁護士  1973(S48)弁護士登録 1971 最高裁から認容拒否
   愛須勝也弁護士  2000年登録


 特捜部も一目置く法律家集団
   菅野園子弁護士 2004年登録   高須賀彦弁護士 2013年登録 
小林徹也弁護士 1994年登録   岩佐賢次弁護士 2010年登録
   上脇博之神戸学院大学教授










☆「補導現場から教師に伝えたいこと」来間規子(大阪府警本部少年課) 『月刊少年育成』2005年4月号より②【再掲載 2015.3】

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◇はじめに

 非行問題を含め問題行動に走る子どもたちは、一面身勝手そうに見えていても、他面に
おいては心の中にどこか翳りが見られます。  


 それを「ツッパリ」とか、「ひねくれ者」という一言で避ける、見放すなど邪魔者的な
扱いをし、見て見ぬ振りをしている。


 悲しいことですが、これが問題を起こす子どもたちを観る大人の現実ではないかと思い
ます。


 身勝手そうでいて、心に翳りを持っている子どもたちは、どちらかと言いますと、自己
表現が下手で寂しがり屋の子どもたちが多いことにも気づかされます。



 私ども少年育成室の勤務員は、街頭補導、少年相談、継続補導、立直り支援活動等を通
じて、このような子どもたちと接する機会が多いわけですが、私たちがかかわわる前の段
階で子どもたちのシグナルをキャッチしてあげることができれば、子どもたちの様子も、
もう少し違ったものになっていたのではないかと思うことがあります。




◇子どもたちとのかかわりの中で感じること
 
 子どもたちとの係わりの中で、特に感じさせられることは、不思議と言葉遣いが下手で、
しかも自分の意思を正しく伝えることができない子どもが多いということです。


 別の言い方をすれば、コミュニケーションを苦手としていると言っても良いと思います。


 問題行動を起こす子どもたちは、「相手に気持が伝わらない」、「言いたいことが正しく
言えない」ことに迷い、苛立ち、そして、感情をむき出し、挙句には「どうでもよい」と
物事を短絡的に考え、行動してしまう。


 このことの繰返しが多いようです。


 コミュニケーションは、言葉の持つ温か味、心情の温もりに加え、正しく相手に伝える
というものがなければ理解し得ないものだと思うわけですが、そのことさえわかっていな
い、あるいは表現する術を知らない子どもたち。


 ここに、子どもたちが人や社会と摩擦を生じさせる問題の根っこが一つあるような気が
してなりません。




◇気づいて欲しい子どものシグナル

 突然、非行に走る、あるいは問題行動を起こす子どもは、稀といってもよいと思います。


 問題が生じる前には、普段見られた行動が見られなくなる、影を潜めたように黙り込む、
あるいは学校に行きたがらないなど、必ずその前兆ともいえるような現象、すなわち子ど
ものシグナル的な言動が、少し気をつけていれば見えてくるものなのです。


 その反面、子どもに関心がなければ気づくこともありませんし、気づいたときは、すで
に遅いということは、現在の少年問題に如実に現れていることだと思います。


 今の世の中、あまりにも

 「無関心」

 「無感動」

 「無責任」

といったことが多いように思います。


 子どものことに無関心、子どもが成長し得たことに無感動、子どもの行動に無責任とい
った大人の態度が、子どもの問題をより深刻なものにしているように思います。


 だからこそ、子どものちょっとしたことにも関心を抱き、これは良いと思うことには共
に喜び、駄目なことは駄目だと明確に諭すことが大切だと思います。


 そのためには、子どもと向き合って話を聞く、語りかけることが重要であり、このこと
に子どもは敏感に反応してきます。




◇補導現場から伝えたいこと

 街頭で補導していた時のこと、あるカラオケボックスで三人の女子中学生を喫煙行為で
補導しました。


 テーブル上の灰皿に山積みとなったタバコの吸殻をみて、よくこれだけのタバコが吸え
るな、何も感じないのかしらと思いました。 


 事情を聴いてみると、最初三人の少女たちは、

「自分たちは吸っていない。この灰皿は来た時から置いてあった」

と反抗的な態度とともに主張していました。


 いつものこと、と腰を据えて話を聴いていくうちに、二人はⅠ中学の同級生で、もう一
人はM中学の生徒ということが判明しました。


 私たちは、普段から学校の先生方、とりわけ生徒指導の先生方と連絡を取り合い、子ど
もたちの問題行動について話し合うことが多い関係から、どこの学校だったならば、生徒
指導の先生は誰かということを覚えるように努めていましたので、

「Ⅰ中学校の先生は、T先生よね。M中学校の先生は0先生よね」

と話をしますと、

「なんで知ってるの。先生と友達? まいったなあ」

と言いながらも、笑顔を見せだし、態度も素直になり、自らタバコは近くの自動販売機か
ら買い吸ったことと、学枚をズル休みしていたことも話すようになりました。


 普段、学校生活についていろいろと指導する立場にある生徒指導の先生方や担任の先生
方、子どもたちは先生方を煩わしがっていると思われがちになりますが、いざという時は
先生方を頼りにしているのです。


 数多くの補導現場で子どもたちとかかわり、このことを強く肌で感じています。




◇私だけ、お迎えないなぁ

 喫煙と怠学で補導した少女たち。詳しい状況を学校に連絡したときのことです。Ⅰ中学
校の生徒指導のT先生は、

「学校に来ていないので心配し、捜していたところです。お世話になります。今からすぐ
 に生徒を迎えに行きますので、その間よろしくお願いします」

という返事。


 しかし、M中学校では、生徒指導の0先生が所用で不在だったため、他の先生が対応
してくれました。ただ、対応された先生は、

「お世話をかけました。あいにく生徒指導の先生も担任の先生もおりません。忙しくて迎
 えに行けないので、本人に学校に来るように言って下さい」

とのことでした。


 このことを三人の少女たちに話すと、Ⅰ中学校の二人は、

「嫌だな、誰が来るのかな、T先生かな、また、相談室行きやな」

と言いつつ、どこか先生を待っている寡囲気が見られたのですが、M中学校の少女は、

「よかった。こっちは誰も来ないから気楽でいいわ。どうせ先生なんて、何も関心ないし
 さ」

と言っていたものの、言葉とは裏腹に表情は沈みがちでした。そして、下を向きながら、

「私だけお迎えないなぁ。どうせ、いつも放ったらかしやから」

と、か細い声でつぶやいていました。


 その後、Ⅰ中学校のT先生とは、二人の少女について定期的に連絡を取り合い、また
保護者からの希望もあって、私どもがかかわるようになったのですが、M中学校からは
何の連絡もありませんでした。


 同じ問題行動を起こしても、生徒を何とかしようと奔走する教師がいて、また、そのよ
うな教師に反発を示すものの、どこか心の中では頼りにしている生徒と、教師に期待する
ことさえできずにいる生徒。


 このことだけですべてを推し量ることはできませんが、この違いは、どこから生まれる
のだろうか、と考えさせられた補導活動の一コマでした。




◇おわりに

 問題行動を起こす子どもたちは、心の中では「大切な存在でありたい」、「認められる
存在でありたい」と願っています。その願いがままにならないと感じたとき、身勝手な行
動を取りがちです。


 このような子どもたち、学校であれば、仮に40人学級の一員であるとすれば、教師に
とっては、その子どもは「40分の1」の存在かもしれませんが、子どもたち一人ひとり
には、自分の存在自体が「一分の一」として教師に感じて欲しいと思っているのではない
でしょうか。


 家庭内における教育力の低下に加え、地域社会での育む力さえも衰えてきているなどと
取り沙汰されている昨今、子どもたちの非行や問題行動を巡る対応について、現在ほど、
関係機関・団体の方々と連携し協力し合って取組んでいくことが求められていることはな
いと思います。


 中でも、「非行防止と保護」の観点から取組む警察職員と「児童生徒の安全と生活指導」
の観点から取組む教師とは、「子どもを守る」というキーワードでは共通しており、この
両者がしっかりとスクラムを組み、子どもの問題行動に的確に対応していくことが、身勝
手でいて、どこか心に翳りを持つ子どもたちを一人でも多く救うことにつながるのではな
いかと大いに期待しています。


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