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「安倍官邸VSNHK」相澤冬樹 文藝春秋 2018年 ⑤(最終) /「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの -今の時代に何が欠けているのか…」 中村 諭 宝塚市高司中学校長(記事執筆当時) 月刊誌『致知』より ①【再掲載 2014.12】 [読書記録 一般]

今回は、11月28日に続いて、相澤冬樹さんの
「安倍官邸VS.NHK」の紹介5回目 最終です。



出版社の案内には、

「『森友事件』の原稿から、消される『安倍官邸とのつながり』。NHKでも検察でも東京vs.
 大阪のせめぎ合いが続く中、特ダネをつかんだ記者が異動を命じられた!政権を揺るが
 す疑惑と巨大組織内に強まる圧力―その狭間で最後まで戦い続けた男の渾身のノンフィ
 クション。」

とあります。



真相は未だにはっきりとしません。
検察、報道の闇を見たようで、もやもやとした気分です。




もう一つ、再掲載となりますが、中村諭さんの
「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの -今の時代に何が欠けているのか…」②を
載せます。20年くらい前の月刊誌の記事です。
中村諭さんの本は、教員としての姿勢をわたしに教えてくれました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「安倍官邸VSNHK」相澤冬樹 文藝春秋 2018年 ⑤(最終)

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◇強者記者列伝 ~5本の指に入る貴社ともう一人の優れもの記者~
 
  朝駆け・夜回り・打合せ(飲み屋) … 努力は人を裏切らない
  ◎ 関係づくり


 デスクの仕事は記者を取材すること
 

  「あんたの判断は間違っている」


 危うい一面


 自己アピールをしない記者



◇個性豊かな検事たちとの愉快なやりとり

  大阪地検
    主任検事のもとに通う
 

  出禁が怖くて記者が務まるか!


  記者嫌いの女性検事
   「あの女は官舎に住まない」


  幹部との面談



◇急転直下の検察捜査 財務相は全員不起訴 ~そして私は記者を外された~

  「全員不起訴」の飛ばし記事
     毎日新聞の記事
 
  
  「記者を外す」の通告 5月14日
報道部のA報道部長に電話で呼ばれた 内々示
 

  それでも狙った特ダネ
  無理矢理の不起訴
 

  NHK最後の仕事



◇NHKから大阪日日新聞へ ~森友事件の取材は続く~

  仕事探し


  報道局長に退職の挨拶


  森友事件は私の人生を変えた



◇相澤冬樹

大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者

 1962 宮崎県生 ラ・サール高校 東大法卒

 1987 NHK記者職で入局

 2018.8 NHK退職








☆「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの -今の時代に何が欠けているのか…」 中村諭 宝塚市高司中学校長(記事執筆当時) 月刊誌『致知』より ①【再掲載 2014.12】

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◇私の体験から                                 

 私は教育現揚で30年以上が経過した。この間、随分いろんな人生の狭間をのぞいてき
た。

 中学校現場での多くの事例に接し、子どもの様子に苦しみ、子育ての悩みを抱えながら、
子どもが思いがけなく成長する婆を見てきた。


 いくつか、考えさせられた事例をあげてみよう。



 ある時は闇も多くある青春の危険なつり橋を転落しそうになった子もいる。


 あわてて手を延ばし、なんとか間に合った子もいた。


 またある子は、暗やみの底に沈んでしまったように見えた。


 光をあて、紐を垂らすと姿が見え、なんとか紐にくらいついた子もいた。


 いろんな狭間を覗いてきた。そんな時、その子の復元力の決め手は、ほとんどが母親に
愛情があるかどうかであった。父親が勝負をするかどうかであった。


 そんないくつかをあげて、現代教育事情の狭間を覗いてみたいと思う。


子育て体たらくの現代教育事情とは大きく違うことに気づいてもらえるに違いない。
 

今の時代に何が欠けているのか、事例が如実に語ってくれると思う。




◇あの子には私の血が流れているんです

 約30年前、当時持った女生徒が急に男性遍歴をはじめた。


大変チャーミングな子であったが、当時としては中学生が男性遍歴をするなどというの
は破天荒なこととして、不道徳の筆頭みたいなもので、母親はひどく困惑した。


 今なら、そういう事もそう珍しいことではなくなってしまっている。


それなりになんとか、対処しながら、いろいろ言い含めたりし、粘り強く指導しながら
も、どこかまあ止むを得ないものとして、胸に納めてしまうこととなることも多い。


 当時はそんなことはとんでもないことであった。


まあ、私たちや親の感覚は、そこそこまともであったのである。


何度も何度もその子のことで、家庭訪問は言うに及ばず、深夜かけずり回ったりして付
き合った。


 話が母親と深まるにつれ、母親との信頼感が増してきたある日のこと、その子が何回目
かのいわゆる不純異性交遊をしたとき、思いがけない打ち明け話を聞かされることとなっ
た。


「先生、私はいま苦しくてたまらないんです。あの子の様子を見ていると、主人に本当に
申し訳ないんです。実は、あの子は主人の子ではないんです。私が妊娠しているのを承
 知して、私と結婚してくれたんです。大事に育ててくれたんです。今のあの子の様子を
 見ても、私を責めず、本当に心配しています。先生、あの子に私の若いときの血が流れ
 ているんです。……あの子はこのことを知りません」


と言って、顔を臥し泣かれたことがある。


 子どもにも言っていない秘密を打ち明けられ、私自信もどうしたらよいか胸がつまって
しまった。


 だが、なんとしても、ズルズルと転落していってしまいかねない娘をなんとかしたいという必死の母親の思いは伝わってきた。


 私が本気になって彼女と格闘しようと決心した由縁である。


 ここには、30年前の母親の良心がある。


 子どもに寄り添い、なんとかしなければと思いつつ、うまく行かない悩みと向きあいな
がら、子育てと格闘している母親の婆があった。


 今の時代と隔世の感があるではないか。



 その子はやがて成人して、力のある男性と巡り合い、結婚し、小さいながら事業所を開
き、やがて手広く商売を始め成功したと聞いている。


 姉御肌の力強い大人へと変身していた。


 母親の絶対見捨てない愛情と育ての父親の愛情が彼女を支え、蘇らせたに違いない。 

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