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野口芳宏さんはこんなことを ⑪-「人格の育成を考える」 2003年『心の教育セミナー』より (前半) /「十人十色なカエルの子」落合みどり 東京書籍 2003年 ②【再掲載 2014.11】 [読書記録 教育]

今回は12月5日に続いて、わたしの要約ノートより 
「野口芳宏さんはこんなことを」11回目
「人格の育成を考える」前半の紹介です。


なるほど、そうだったと思うことがたくさんあります。
教育論であり、文化論にもなっているのではないかと思います。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「する子供たちに,自主自立の力をつけて,去っていくのが私たちの役目である。」


・「子供を鍛えるという思想はどんどん退化しているのである。」


・「皆,自己中心的で自分が,自分の家庭が良ければそれでいいというふうな風潮になっ
ている。」


・「今の子供たちは消費的連帯しか経験していない。消費的連帯は華やかだが、金の切れ
目は縁の切れ目である。
『今日はどこへ連れて行ってくれるの?』『今日はだめだ。』『えー,ケチ。』なんてね。
 生産的連帯は苦しければ苦しいほど絆が深まる。」


・「…この時は,学校というものは何と家庭の中に無遠慮に踏み込んでくるのかと思った。
危険かどうかは子供が判断すべきである。禁止は安易である。それは教師の保身とエ
ゴから出てきている場合もありそうだ。なにか事故があると教育委員会からどういう
指導をしていたかと問い合わせがくる。そのときに何も指導をしていなかったと言っ
たら大変である。だから,これこれの指導をしていました,と言わなくちゃならない。
 そこで,禁止や指示が多くなる。今の社会は,管理職に保身を余儀なくするのである。」






もう一つ、再掲載となりますが、落合みどりさんの
「十人十色なカエルの子」②を載せます。
およそ20年まえの本ですので、今の分類とはだいぶ違っていること、特徴だけを見て、
○○障害だとは言えないことを承知してください。
一人ひとりそれぞれの特徴と呼べるもので、わたしにも当てはまることはいくつもありま
す。
改訂版を出していただければうれしいのですが。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
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☆野口芳宏さんはこんなことを ⑪-「人格の育成を考える」 2003年『心の教育セミナー』より (前半)


◇人格の育成を考える 

 自主・自立というのは,わたしにとって生き方の一つの憧れである。


 人に依存をしたりおもねったりせず独立して生きるということである。


 学校教育,家庭教育の帰するところはこの自主・自立の保障にあるのではないか。


 私の好きな歌に「散る桜 残る桜も 散る桜」というのがある。


 この会場にも様々な年代の方がいるが,人はいつかは死んでいく。


 愛する子供たちに,自主自立の力をつけて,去っていくのが私たちの役目である。


 人格というものを私は「良き人生観に基づく行動の継続体」であると考えている。


 教育は,どんな人生観を育てるかが一番大切である。




2.今の子を見ていて気になること

(1)弱くなっている

 不登校の数は139,000人である。


 昔の学校は,寒かった。


 先生は恐くて体罰は当たり前。


 いじめも日常茶飯事であった。

 
 今,先生は優しく。昼から蛍光灯もついている。


 きれいな校舎で,給食にはデザートまでつく。(笑)


 昭和33年,私が新卒のころは耐熱遠足(笑)というのがあった。


 夏休みのもっとも暑い日に,10kmくらい歩き,昼寝をして帰ってくるのである。


 それでも学校に行きたくないという子などいなかった。


 今は耐寒マラソンすら少ない。


 子供を鍛えるという思想はどんどん退化しているのである。


 いじめも心の弱さに耐えられない一つの表れである。


 キレるというのも心に耐えられないという弱さの表れである。




(2)自己中心化

 全体や他者のことを考えられない子が増えている。


 子供会や部活の成立が危機に陥っている。


 参加する子が減っているからである。 


 母親もその世話役を嫌がる。


 皆,自己中心的で,自分が,自分の家庭が良ければそれでいいというふうな風潮になっ
ている。




(3)受動的

 自ら生産していく力がない。


「くれない族」という言葉がある。


「~してくれない」と,周りに不満を持つ傾向である。


 その原因の一つは豊かさにあると私は考えている。


 がんばることはダサいという。


 がんばらずに楽をするのが良いのだという。


 貧しさの中ではがんばらざるを得ない。


 私は小学校4年から家事労働をさせられた。


 牛を使い田を耕すのである。


 一枚の田んぼを耕し終わって疲れていると,父がやってきてそれをほめてくれる。


 とてもうれしかった。


 これは生産的連帯である。


 今の子供たちは消費的連帯しか経験していない。


 消費的連帯は華やかだが「金の切れ目は縁の切れ目」である。(笑)


「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」

「今日はだめだ。」

「えー,ケチ。」なんてね。


 生産的連帯は苦しければ苦しいほど絆が深まる。


 このような傾向を生んだのはなぜか。


 私は教師であるから,これらはすべて学校教育に帰するという立場から,次のように考
えている。





3.指示と禁止

 私は千葉県の田舎で一町4反の田んぼで水稲栽培をして暮らしている。


 娘たちが小さい頃,家内の具合いが悪くなり,千葉市でしばらく暮らしたことがある。


 千葉市は都会である。


 あるとき娘が,

「自転車に乗りたいから見ていて」

という。


「そんなもの好きなように乗れ」

と言うと,

「交通事故に遭うといけないので道路で乗るときには家の人に見てもらうようにと言われ
 た」

という。

「誰が言った。」

「校長先生だ。」


私は校長先生という言葉が出てきたのでひるんだ。(笑)

「じゃあ,公園で乗れ」

「それもだめ。」

「なぜだ。」

「だって誘拐されたら困るというんだもの。」

「誰が言った。」

「それも校長先生が言った。」(笑)

「じゃあ,デパートの屋上しかないな。デパートに行って屋上の遊具で遊んでこい」

「デパートの屋上は子供たちだけで行っちゃ駄目って言ってた。」

「誰が言った。」

「校長先生。」(笑)


 私はこの校長先生のことをよく知っており,尊敬していた。


 しかしこの時は,学校というものは何と家庭の中に無遠慮に踏み込んでくるのかと思っ
た。


 危険かどうかは子供が判断すべきである。


 禁止は安易である。


 それは教師の保身とエゴから出てきている場合もありそうだ。


 なにか事故があると教育委員会からどういう指導をしていたかと問い合わせがくる。


 そのときに,何も指導をしていなかったと言ったら大変である。


 だから,これこれの指導をしていました,と言わなくちゃならない。


 そこで,禁止や指示が多くなる。今の社会は,管理職に保身を余儀なくするのである。


 私は,そんな風潮にずっと反対してきた。 


 どんなことをしてきたのかをご紹介し,批判をいただきたい。









☆「十人十色なカエルの子」落合みどり 東京書籍 2003年 ②【再掲載 2014.11】

<出版社の案内>
特別支援教育のコツをわかりやすく絵で示す。本書は、発達障害全般(学習障害・自閉症
・アスペルガー症候群・ADHD等)について語られています。特に、自閉症のご家族、自
閉症のお子さんを担当する学校の先生そして自閉症やアスペルガー症候群の子どもさん
ご自身のためにわかりやすい絵で具体的に描かれたガイドラインです。
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◇医学解説  宮本信也(2)

2 個々の障害について

1)広汎性発達障害(PDD)

自閉症的なところのある状態すべて


 4つの特徴 
  ① 人とのかみ合ったやりとりが苦手

② 人とのコミュニケーションに使われるあらゆる手段(ことば表情)の使用と理解
   が苦手

  ③ 想像したり空想したりすることが苦手

  ④ 活動や興味が特定の事柄に限定されやすい

     |

 ◎ 4つをすべて満たす状態 = 広汎性発達障害

   ほぼ = 「自閉症スペクトラム」



2)自閉症の頻度など

自閉症 1000人に1~2人(0.1~0.2%)

文科省 2002 0.8% こだわりの問題


   ◎ 男児が女児の3~4倍多い
 


3)自閉症の基本症状

① やりとり行動が苦手

   一方的  視線が合いにくく仲間作りが下手  相手の気持ちが分からない

 ② コミュニケーション手段の理解・使用が苦手
 
    話し言葉の使用と理解に大きな問題をもち独特の言葉の特徴をもつ

                 |

    ◎ 独り言が多く、会話がかみにくく、話題がとびやすい  オウム返し    
      甲高く一方調子 語尾が上がりやすい

      方言は使えない


 ③ 想像したり空想したりすることが苦手

概念や抽象的・象徴的な事柄の理解が苦手


 ④ 活動や興味が特定の事柄に限定されやすい

予定どおりでないと落ち着かない
    

 ⑤ 基本症状と関連する症状 

省略しない完全な文章で話すことが大切

    人の顔の区別が付きにくい 



4)自閉症の合併症

 脳波異常(50%)てんかん(20%)

睡眠リズムが乱れやすい

 極端な不器用さ(発達性協調運動障害) 



5)高機能広汎性発達障害
  
 高機能自閉症  知的遅れなし 言葉の遅れ有り

 アスペルガー症候群  知的遅れなし 言葉の遅れなし

 特徴

  ① 個別の場面では大きな問題はない

② 行事としての集団行動は可能

 ③ 集団での自由な対人交流場面で問題が生じやすい

  ④ 相手の気持ち・状況を考えないマイペースな言動 

⑤ 自分の言いたいことを一方的に話す会話

⑥ 言葉を表面的に受け取り、言外の意味が理解できない

⑦ 融通性のない思考行動

⑧ 強迫傾向

⑨ 被害言動







2 注意欠陥・多動性障害

1)注意欠陥・多動性障害

 発達レベルに比べ不適当な注意力障害や多動性障害の傾向



2)注意欠陥・多動性障害の頻度など
 
 2~3% 男児が女児の3倍
 
 環境要因? 



3)基本症状

 ① 注意力障害

  やり通せない 物忘れ・物なくし多し うっかりミスが多い
     
    好きなことには何時間でも集中  


 ② 多動性

  じっとしていられない 動き回る 体のどこかがそわそわ


 ③ 衝動性

待てない 思った瞬間行動 順番を待てない 列への横入り

  加減ができない


 ④ 基本症状の経過

成長とともにコントロールできるようになる

  多動性 8~10代   注意の集中力と衝動性 10~12歳

    最低限はコントロール



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