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「信ずる宗教、感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ① /「ツツジ花咲くころ」(『フレッシュマンのための読むクスリ』 上前淳一郎 文藝春秋 1999年 より)【再掲載 2017.2】 [読書記録 宗教]

今回は、山折哲雄さんの
「信ずる宗教、感ずる宗教」の紹介 1回目です。






出版社の案内には、


「現代日本人にとっての信仰とは? 宗教とは? 明治以降日本が受け入れてきたキリス
 ト教的な価値判断でははかれないわれわれ日本人の信仰心を、歴史をさかのぼって探る
 宗教エッセイ」


とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「色即是空とは、形あるものは必ず滅する、ものに対する執着は空しいの2つ」


・「多神教こそ民主主義」


・「アニミズムを万物生命観と呼ぼう。目に見えない御先祖(カミ・ホトケ)のもと。」





もう一つ、再掲載となりますが、上前淳一郎さんの
「ツツジ花咲くころ」を載せます。
この話が大好きです。








<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「信ずる宗教、感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ①

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◇曼荼羅宗教学(1)

□色即是空 

 ① 形あるものは必ず滅する

 ② ものに対する執着は空しい


□南無三宝とナムサン  

  悟りより普段の修行を 

  在家と出家


□意表つく答えを探る公案  

  日本の浄土は山にあり


□蓮に託した浄土往生  

  一蓮托生(浄土への往生)

  
□行雲流水 → 雲水(僧) 

  親戚としてのオニ 

    ① 和御霊 → カミ

    ② 荒御霊 → オニ


□目に見えぬ日本の神々(多神教) 

  多神教こそ民主主義


□日本特有の「ホネ」信仰 

 → かつては霊肉二元論


□「万物生命観」と呼ぼう アニミズム

 - 目に見えない御先祖(カミ・ホトケ)のもと


□臨死もシャーマニズム 

  ① 神に憑かれた人々 

  ② 一時的他界遍歴者 
                      
  - 死を鋭く意識する断食
  

□神秘体験と宗教の民衆化 

  神秘領域 
    仏教「神通」  

    キリスト教「奇蹟」


□内在のオカルト、超越のオカルト

  ① 我々の体の内の神秘

  ② 宇宙の遙か彼方に隠されている神秘


□始まりは「カルト」だった  

  時代が求める「カリスマ」


□日本で変身を遂げたブッダ 

  ホトケになった(覚者)から


□キリストに西洋を見た明治 

  一人称で語るコーラン - お告げ文体

  = 中山みき「お筆先」


□既得権の放棄を説く老子 

  カオス好きの弟子嫌い


□孔子の「礼」に影響を与えた母  

  孔子の母は巫女


□「もののけ」の宗教意識  

  今日に及ぶ怨霊慰撫  

  御霊 早良親王


□早良親王(後に崇道天皇の尊号) 

 → 政治的非業死・怨霊を祀る


□御霊会 

  祀る神社を御霊神社


□首の祟りに日英の差  

  将門の首 と トマスモアの首


□判官贔屓に浄化作用 

  源義経は御霊とされなかった
御霊信仰と判官贔屓の感覚


□演説に見る神の存在  

  2001.9.11 ブッシュ演説  - ダビデ王の言葉








☆「ツツジ花咲くころ」(『フレッシュマンのための読むクスリ』 上前淳一郎 文藝春秋 1999年 より)【再掲載 2017.2】

[出版社の案内]
500万部を超えるロングセラーである『読むクスリ』全30巻から新入社員向けの題材を
著者自ら厳選したのが本書です。ビジネス社会でのマナーの大切さや機敏な発想を生むノ
ウハウなどが具体的な実話で綴られており、十数年前に本書があったなら、小生の人生も
もう少し進歩があったのにと後悔しながら校了にした次第。もっとも30代前半ならまだ
間に合うかもしれませんし、それ以上の年代ならご子息へのプレゼントにも最適です!
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<1>
 
 花は散り,ツツジが咲き始めた行楽日和の日曜日。


 奈良県桜井市にある大和信用金庫に勤める森川武司さん一家四人は,兵庫県宝塚市へ遊
びに出掛けた。


歌劇を見たあと,小五と小一のお嬢ちゃんたちは,遊園地でメリーゴーランドや観覧車
に乗って大喜び。日暮れが近くなるまではしゃぎまわって,両親の方が振り回されるほど
だった。


さあ帰ろうと遊園地を出て阪急宝塚駅近くまで来たころ,お嬢ちゃんたちが言い出した。


「おなか空いた。」


 お昼のあと,アイスクリームを食べただけだ。あんなによく遊んだのだからペコペコに
なっても無理はない。


「家に帰るまでに二時間ぐらいかかるよ。それから夕食の支度をするんじゃ,お母さんも
 大変だろう。」


「ここで食べて帰りましょうか。」


子供たちに振り回されてやっぱりお腹が空いてきているお父さんお母さんの相談もまと
まって,駅前商店街の店に入ることにした。


 レストランと言うより昔ながらの小食堂だった。四人がけのテーブルが,五つ六つ。す
ぐ奥の調理場に主人が白い割烹着に白いコック帽で働いているのが見える。


「あたしオムライス。」


「あたしも」


両親はカツ丼を注文してしばらく待つうち,オムライスが先に運ばれてきた。


すぐスプーンを手にしようとする子供たちをお父さんは目でたしなめた。


 どんなにお腹が空いていても全員の前に料理が揃うまで手をつけてはいけないというの
が森川家の厳しいしつけなのである。


 やがてカツ丼も来て,じゃ,とお父さんが言うと四人はテーブルに向かって軽く一礼し
て声をそろえた。


「いただきます。」


 これも森川家のしきたりで,この挨拶が済んで初めて箸やスプーンを持つことができる。


「おいしいね。」


と,空腹が手伝って舌鼓を打つ。


 済むと,また,全員が一礼して声を合わせる。


「ごちそうさまでした。」


 家でもこれが終わるまでは勝手にテーブルを立ってはいけないことになっている。


「それでは行くよ。」


と,森川さんはお嬢さんを連れて店の外に出た。


 お勘定を払うのはお母さんだ。


 ところが,いつまで待ってもお母さんが出てこない。どうしたんだろう。お釣りを渡し
た貰わないトラブルでも起きているのではないだろうか。


「ちょっとお母さんを見てきなさい。」 


心配になって,長女に様子を見に行かせるとびっくりした顔で戻ってきた。


「たいへん。お母さん,お店のおじさんと喧嘩してる。」






<2>

 そこへ二人がまだ何やら押し問答をしながら出てきた。白い割烹着の主人は森川さんを
認めると,コック帽をとって深々とお辞儀をした。





<3>

「これは旦那様。うちで食事をして下さいまして誠にありがとうございました。私はここ
 で二十年店をやっております。何とかおいしいものを安くと苦労してきまして,おかげ
 でひいきにして下さる方も多くなりました。」


「・・・・・・・」


「それが,今日のように,四人揃っていただきます,ごちそうさまでしたと,私がつくっ
 たものに頭を下げていただいたのは初めてでございます。何という果報。苦労してきた
 甲斐がありました。ありがとうございました。④せめてお礼にお勘定はいりません。」


 喧嘩の理由が分かってきた。要りません,払いますでやり合っていたのだ。


森川さんは何とか半額払うことで事を納めたが,やはりあのとき全額払うべきだったと
今後悔している。







◇道徳授業で(参観会でも楽しい)

<1>を範読
 
発問 「お母さんとお店の人はなぜ喧嘩をしているのだと思いますか。」


(指示)「ノートに一言で書きなさい」
     (机間巡視 - 書いたか確認 支援)


(指示)「列指名」
     (順番に立たせて言わせる-できるだけ大勢)




<2>を範読
 
発問 「なぜ喧嘩をしている相手の御主人にお辞儀をしたのでしょう。」

(指示)「ノートに一言で書きなさい」
     (机間巡視-書いたか確認 支援)


(指示)・挙手-指名




<4>を範読(<3>はあとで読む)

発問 「どうしてただでいいとお店の人は言ったのでしょうか。」

    どのように指名しようか(参観会の場合 お母さん方にも指名)



<3>を読む



□教師の経験等を話す


・挨拶されるのがとてもうれしい


・きもちのいいあいさつはみんなを明るくする

  ↓

「実はこの前あるお店でこれをやったのだがやはりただにはならなかった。ただになった
 ら困ったのだけれど。」(笑)で終わり

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