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「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ② /「すごい和食」小泉武夫 ベスト新書 2011年【再掲載 2017.7】 [読書記録 教育]

今回は、2月19日に続いて竹内隆夫さんの
「自問活動のすすめ」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「道徳教育を自発的なおこないの中で、行動力と生きがいをとりもどそうとして行った具
 体例を紹介する。自らの生き方を問い、徳性の向上をはかろうとした『自問活動の教育』
 の実践例。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「本来道徳教育はまず行動力や意志力を身に付けることを本命とすべし」


・「教育の目的は知らざるを知らせることではなく、新しい行為ができるように
することである」 ライキン


・「小さな過失でも責任をとることを教えた」


・「林竹二さんの授業行脚『カエルの子はカエルか』」
- ただの講義のようにも見える授業ですが、そこに学びがある。
  ほんとうの学びとは何かとわたしに考えさせてくれました。




もう一つ、再掲載となりますが、小泉武夫さんの
「すごい和食」を載せます。
和食の良さを感じることができました。





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☆「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ②

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◇現代道徳教育の問題点

1「処理」でよいのか日常問題 

    発生する事件への対処こそ道徳問題


2 問題は知見か意志か 

    日本の教育の抽象性・観念性

    本来道徳教育はまず行動力や意志力を身に付けることを本命とすべし


3 暗すぎる導入資料

    明るい授業でありたい


4 観念先行の道徳二十二項目

    レベルが高すぎる
     - 聖人さえ到達できない目標

    各項目感に重複が多い

 ◎望ましさ
① 短時間であっても毎日向上を目指す実践活動の時間を設ける。
         
   ② 集団活動の中で互いに気働きが育ち成長が認められるものにしたい。

   ③ 脚下照顧目標を絞って自分の行為を常に自問し、心の高まりが自覚
    できるものにしたい。
         
   ④ させられる活動でなく自発的行為をする為に作業の量や結果の成否
    は問わない時間にしたい。
         
   ⑤ 教室における道徳の授業は、その行動を見返す時間とし、互いに啓
    発し合い明るく明日の実践に結びつくものにしたい。     



※「教育の目的は知らざるを知らせることではなく、新しい行為ができ
     るようにすることである」 ライキン



◇心に生きる指針を抱くこと

 日本の最大の問題 
   ①「公害」 

   ②「人間性の喪失」


 遠山啓
  「学校における教育の役割」
①「術」
     体育・美術・工作・音楽などのように推論を経ないで幼年期から全
    教科に関わる土台をなす領域

    - 戦後すっかり軽視されてきたもの 
         
   ②「学」
     知的な教科の学習
         
   ③「観」
     人間としての生き方、人生観を追究する学習
※ 今、最も必要でありながら欠落している


1 自問する構え

   人間性の教育の不毛が非行を生んでいる

~ 甘えは底なし - 家出しても親が迎えに来てくれると思っている

   失敗したときの処理の仕方をからだで教えること
最初に…
「君たちは伸び盛りなので検討が来るって失敗しやすい年頃です。この
     程度なら大丈夫と思ってぶつかったらガラスが割れてしまったとか腰
     板が壊れたとかということが起こるだろう。そうしたら、すかさず校
     長に謝りに来なさい。謝り方はこうするのです(と具体的に練習させ)
     だれも見ていないからと黙って隠そうとすると自分がダメになる。人
     が見ていなくても自分が見ているのです。あとで思い出すたびに汚れ
     た心が見えて後悔するでしょう。しかも、その汚れは永久に消せませ
     ん。わたしは、きっと許すから早く謝って心の汚れをぬぐうことです。
     それが、若者の生き方であり勇気のある人間になる道です。」



     ◎ 小さな過失でも責任をとることを教えた

      = 自分に目を向け責任のとれる人間にすること



2 民主主義の担い手

   自由が放縦の意味にはき違えられてきた

   平等は「尊厳と権利について平等」と但し書き 
     ~ 福祉的な意味

しかし悪平等 → 勝手放題や下克上が横行
        
             ∥
              
        ◎ えせ民主主義    


3 人間にとって一番大切なもの

持田美弘教諭の授業
    「人間にとって一番大切なもの」



4 ヒトでなく人間として

   教育基本法
    「真理と正義を愛し、個人の価値を尊び」

   脳細胞の数は同じ
→ 成人するまでに個人差 成人式頃まで発達

   林竹二 授業行脚 
      「カエルの子はカエルか」
◎ヒトと人間との違い










☆「すごい和食」小泉武夫 ベスト新書 2011年 【再掲載 2017.7】

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◇和食はこんなにすごい

□東北には日本の食生活の原点がある
  
  日本人は「粒食」
   ヨーロッパ人は「粉食」 

  日本 粒麹   アジア 餅麹


□アジアの食文化事情 
   
  中東は粉食民族 
   
  東南アジアは粉粒混合民族


□日本人が「粒食」になったわけ

  完全粒食文化は日本のみ
   ~ 水田

  日本人は「焼く」民族ではなく「煮る」民族


□和食文化の原点  

  塩 … 山から海から


□山紫水明の日本 

  山が多い = 豊かな水流 

  80年経ってから地面に


□「水食い」の民族

  水心 水くさい 水入らず 誘い水 水掛け論 水を差す びっくり水

  生食100gの米
   → 160gのご飯(60gは水)


□ガソリンより水が高い


□水を取り巻く環境の変化

 「五感」で味わう和食 
  - 視覚 味覚 聴覚 触覚



◇和食のもつ魔法の力

□和食のシンボル 

  梅干しの驚異のパワー 
  = 梅干しはオールマイティ


□漬け物は最強の整腸剤  

  野菜をたくさんとれる+繊維


□繊維食で便秘知らず  

  紙餅


□すばらしき干物文化  

  植物性「乾物」 
  魚類「干物」

  干すことにより水減 
   - 微生物の繁殖が抑えられ腐らない

  素干し 塩干し 焼き干し 調味干し(みりん干し)


□鍋料理は人と人を結びつける 

  囲炉裏


□佃煮に見る日本人の英知  

  佃島の漁師


□大豆食品は万能である


□日本人よ「酒道」に学べ


□「酒の十徳」に見る酒飲みの心


□和食のアクセントは和菓子とお茶の最高のコンビネーション

 ① 甘酒を絞って煮詰めたのが強い甘みをもつ水飴

 ② 甘茶蔓と甘草 → 奈良時代にはお菓子


□秋田県は発酵食品の宝庫 

 「きりたんぽ」「いぶりがっこ」



◇和食の土台骨発酵食

□保存食品の王者「発酵」

  保存法
   ① 乾燥
 
   ② 塩蔵 
 
   ③ 煙で燻す
 
   ④ 灰でまぶす
 
   ⑤ 葉で包む
 
   ⑥ 発酵


□「発酵」は「腐らせたもの」ではない
 <微生物>
   ・悪玉  腐敗菌 病原菌

・善玉  乳酸菌 納豆菌 酢酸菌 麹黴 パン酵母 酒酵母

 ◎発酵食品
 
  = 善玉菌が食品の原料に作用しそこで増殖するときに人間に有益ないろい
   ろな物質を作り、それを食品に残してくれたもの

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「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ③ /「私の日本地図1 天竜川に沿って」宮本常一 未来社 2016年【再掲載 2018.11】 [読書記録 教育]

今回は、2月18日に続いて、辻本雅史さんの
「学びの復権-模倣と習熟」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、


「近代教育が普及する以前、日本人はどのように学んでいたのか。江戸時代の寺子
 屋、藩校、内弟子制度などにおける学びの実態と学習方法を具体的に解き明かし、
 荒廃する現代教育社会の中で学ぶことの意味を問い直す。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「貝原益軒の教育は『模倣と習熟』、『予(あらかじめ)する』教育」


・「『礼』の教育としつけ - 身体規律化」


・「職人の教育法は『見習う-見る」』=言葉では教えられないもの」


・「『個性尊重教育』のまやかし」
「『学校社会』から『学習社会』へ」



もう一つ、再掲載となりますが、宮本常一さんの
「私の日本地図1 天竜川に沿って」を載せます。
懐かしく感じる写真が多数載せられています。
遠州山間地のかつての様子を知ることができました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ③

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◇貝原益軒(1630-1714)の思想

 1 貝原益軒とは 
     福岡藩士右筆役の五男 
     自己学習の体験 
     福岡藩儒学として


 2 気の思想   
     朱子学 - 東アジアの眼 

     気のコスモロジー、気の生成論

心とは何か 「理」の哲学

  
 3 益軒の思想 
    「天地に事える」自己抑制の道徳論

    「術」の学

「物理」の学
       学習書を表した益軒

    「総論」の思想
       「養生訓」「和俗童子訓」



◇貝原益軒の教育論

 1 近世庶民の学習意欲 
    「和俗童子訓」出版の背景 1710年(81歳)

     教育史上の評価


 2 模倣と習熟 
    「予(あらかじめ)する」教育

何を教えるか 
      「あらかじめ教える」
     立志の重視
  

 3 教師の役割 
     益軒の教師論 
      「見ならふ所の手本」
  

 4 身体での学習
    - 礼としつけ -
「礼」の教育としつけ-身体規律化

  作法としての礼 
        身体から心へ



◇徒弟制と内弟子

 1 職人の教育法  
     職人の徒弟制

宮大工・西岡常一の場合
       見習う-見る 言葉では教えられないもの


 2「教えない」教育  
     能動的な学習 

     「我執を去る」 = 素直さ 
       「志」の重視



◇現代の学校と学習文化

 1 自己学習の文化 
     学校化社会を学習文化から透視する 

     学校教育の肥大化

     通信教育 
「宿題」という習慣 
         自己学習の学習文化
受験勉強の学習原理 
         受験参考書 = 自己学習用
            
    「立志」の欠落

     なぜ学びの意味を実感できない
  

 2 公文式学習   
     丁度の学習 
       自学自習形式-計算力・処理能力の重視

意欲(やる気)の重視 
       海外への展開
  

 3 教科書信仰   
    「教科書を教える」授業
  

 4 教師と子どもとの関係
「友達関係」の教師と子ども

     信頼感の欠如

     子どもが先生を選ぶ制度を
  

 5 学校の規律主義 
     学校生活の「礼」のマニュアル

     道徳教育としての「校則」

     礼法文化

     経済成長の文化的基盤
      - 礼法文化の再生産

    「個性尊重教育」のまやかし
            
     学校社会から学習社会










☆「私の日本地図1 天竜川に沿って」宮本常一 未来社 2016年【再掲載 2018.11】 

<出版社の案内>
原書は昭和42(1967)年刊。長野県の諏訪湖に水源を発し伊那谷を南下、多くの
支流を合わせ静岡県浜松市の東で太平洋にそそぐ天竜川。昭和17年から39年の
あいだにいく度かさまざまな機会に訪れた沿岸周辺の見聞を、遠州平野・二俣か
ら秋葉道=信州街道を経て諏訪湖まで、川筋をさかのぼってあるく旅の目で記す。
一本の川の下流・中流 ・上流の景観、事物にきざまれたそれぞれの特色ある暮
らしと文化形成の歴史をよみとる。写真264枚。宮本常一『旅に学ぶ』、田村善
次郎『歩くニュース』掲載の付録『日本の旅1』を収める
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◇はじめに

□天竜川 

 ① 上流文化地帯 と ② 下流の先進地帯

 ③ その間に他の河川に見られないような閉ざされた世界


□天竜川左岸

 遠山地方の遠山祭り

 水窪・西浦の田楽

 竜戸・草木の神楽

□天竜川右岸

 新野の盆踊り・雪祭り

 坂部・大谷の冬祭り

 設楽郡の花祭り



◎ 日本中世の神事芸能が古い姿のまま行われている


□新しい文化 - ダムが造られたため

 泰早(やすおか)ダム・平岡ダム・佐久間ダム・秋葉ダム


□日本屈指の林業地

 ◎山岳信仰の霊場
    秋葉山・山住神社

一本の川の沿岸の生活を見た



1 遠州平野

 東海道  大正15(1926)年12月 最初に通った(東海道線)


 平野の民家の特徴
点在 後ろに林を背負い前には生け垣
◎ 皆南向き


 松並木


 浜名湖 
   鰻養殖 東岸に多い
えさは鰯


 弁天島 
   州ができ宝永5(1708)年弁天様の祠

白い砂の上に松 → 別荘地・海水浴場

周辺にのりの養殖


 畑の境の木 
境にマサキやムクゲ → 共同開墾

飛砂防止のワラ


 小さい田 
   小さな田 - 牛馬スキに不適


 七島藺(しちとうい=畳表の材料)  


ビニルハウスと温室


茶畑 掛川より東
多くの武士による帰農の努力のあと


 街道の町 アスファルト


 掛川の町


 平野の民家 
   切妻の家が多い  


 天竜川治水 
   金原明善



2 天竜川を遡る

二俣  
  杣仕事


 天竜杉 


秋葉街道 
   雲谷の道 
   森町からの道


 秋葉ダム


 中部(なかべ)


 佐久間ダム
  100人近い犠牲者



3 水窪の谷

水窪へ
  昭和34(1959)年7月
 
  ~ P62まで



◇解説 なぜ驚くんだろう 魅かれる自分って何だろう 香月洋一郎

 宮本常一 
 「目の詰んだ民俗誌を書け。
  つまみ食いの調査をまとめて終わるようなことはするな」

『山に棲む民俗誌 序章』 未来社 1995
土佐山中の焼き畑の村の記録
← 大原富枝氏(作家)より手紙

「テーマ」と「モチーフ」


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