SSブログ

「官僚崩壊どう立て直すのか」寺脇研 前川喜平 扶桑社 2021年 ② / 「欲ばり過ぎるニッポンの教育」苅谷剛彦・増田ユリヤ 講談社現代新書 2006年 ②【再掲載 2012.8】 [読書記録 一般]

- 白石真澄(関大)氏が「洋服を買うとき店を選べるのにどうして学校を
 選ぶことができないんですか。おかしい」と教育再生会議で堂々と発言
 した。義務教育学校は確実に提供される必要がある公共サービスなのに
 対して、一方、洋服は私企業が販売するもので、同じように考えてよい
 ものなのだろうか。 → それにマスコミも同調した        



今回は、3月28日に続いて、寺脇研さん 前川喜平さんの
「官僚崩壊どう立て直すのか」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「日本にはかつてエリート官僚たちが政策立案をリードする時代があった。
 しかし『政治主導』によって『政』と『官』の関係は一変。官僚たちは権
 力を私物化した安倍・菅政権の『私兵』となってしまった。しかし、本来
 の『政治主導』とは、国民から選挙で選ばれた政治家が政策立案を主導し、
 縦割り行政の弊害を打破していくためのものだったのではないのか―。文
 部科学省で事務次官を勤め上げた前川喜平、ゆとり教育を主導した寺脇研
 らが、かつての民主党政権と官僚の関係、政と官の関係が変質した原因、
 あるべき官僚の姿について徹底討論。日本再生の鍵は『官僚=国家の安全
 装置』にあった。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「国家主義と新自由主義は親和性が高い 『市民』が欠落」


・「文科省
  ― 数字や経済性で計算しにくい分野であり簡単に答えが出ない。
    また、様々な価値観を調整する必要がある
    スパっと政策決定ができない」


・「経産省は文科省の天下り問題に対して『文科省って本当にバカだよ
ね。みんなが裏道でやっていることを表通りでやったらダメに決
まってる。』と笑っていた」


・「総務省と東北新社をつないだのは菅前総理。悪い意味での政治主導が
拡大」





もう一つ、再掲載となりますが、苅谷剛彦さん増田ユリヤさんの
「欲ばり過ぎるニッポンの教育」②を載せます。
学校教育だけが教育なのか、
教育の場は学校だけで良いのか、
社会(国)教育は?家庭(保護者)教育は? 
学校教育はもちろん、どうあればよいのでしょうか。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





 

☆「官僚崩壊どう立て直すのか」寺脇研 前川喜平 扶桑社 2021年 ②

1.jpg

◇深遠を極めた20年 失敗の源泉 寺脇研 前川喜平対談 司会:吉田照美(2)

□欠落していた市民の存在
   
 森政権
   国家主義の考え方
 
   国家主義と新自由主義は親和性が高い

   「市民」が欠落
  

 白石真澄(関大)
   教育再生会議
     「洋服を買うとき店を選べるのにどうして学校を選ぶことができ
     ないんですか。おかしい。」

             ↑

      ◎ 義務教育学校は確実に提供される必要がある公共サービスな
のに洋服は私企業 - 教育再生会議で堂々と発言
       → マスコミが同調        



□腐った頭が尻尾まで及んできた
   
 ◎経産省には他省庁とちょっと違ったカラーがある
    
   ○文科省
     ―数字や経済性で計算しにくい分野であり簡単に答えが出ない。
      また、様々な価値観を調整する必要がある
        
     → スパっと政策決定ができない

   
   ○経産省
     ― スピーディに仕事を処理して数字や経済性で結果を出せる
     
     経産省は文科省の天下り問題に対して
     「文科省って本当にバカだよね。みんなが裏道でやっているこ
      とを表通りでやったらダメに決まってる。」と笑っていた
 


□政治家がらみの不祥事はなくなるか
   
 総務省と東北新社をつないだのは菅前総理
   ◎ 悪い意味での政治主導が拡大
   

 議員に呼ばれていったら先に民間がいたということはあり得る



□官僚にとっての内閣人事局
   
 民主党も小泉政権からの流れに乗っていた
   
 ※人事院の松尾恵美子給与局長に対し茂木外務大臣が「早く引き下がれ」
   
  ← 本来は独立した組織











☆「欲ばり過ぎるニッポンの教育」苅谷剛彦・増田ユリヤ 講談社現代新書 2006年 ②【再掲載 2012.8

<出版社の案内>
学校だけに依存しない学力向上のための論議。英語の早期教育は本当に
効果があるのか。詰め込み教育は間違いか。ドリル式学習の問題点など、
大きく捻じ曲がった日本の教育の「幼さ」を学力向上の観点から問う。
1.jpg

◇絶対評価と相対評価

 日本の教育制度は絶対評価の厳しさを無視している
受験は相対評価の厳しさ

  日本の絶対評価は「個別評価化」→序列化へとつながる

 
 絶対的な基準で変わる「自分らしさ」
   ←→ 日本:心情的優しさ


 親はテストの点数ではかる評価を選ぶ


 国際的な評価は絶対評価


 21世紀型社会ではさまよう若者が増える


 日本人的生きやすさを生み出してきた制度


 子どもを導く力量が総合学習には必要だった

 
 教育改革は修得主義を目指したものではなかったか? 
「新しい学力観」
   - 評価論から入った
◎ 絶対的な基準がないまま観点別評価という名の絶対評価
     にすり替わってしまった



◇徹底した修得主義を貫くフィンランド 増田ユリヤ
 
 教員養成の現場を訪ねる 
  大学 - 教員養成学部は10倍の競争率

◎教師の質を維持していくためのシステムが何重にも準備されている

   小学校の教師になるには 312時間の現場実習を要する
  
 
 すべての場面で修得主義を貫く 
高校卒業資格検定試験

 
 難易度の高い入学試験 


 教師になってからも続く研修 
   平均年8日間程度の研修


 人気の高い校長研修プログラム


 他業種から歓迎される教育学部出身者
フィンランドでは教師に「人間としての幅」を求めている




◇欲張りがもたらす教育格差 - 学ぶ力が資本となる社会 苅谷剛彦

 学習資本主義社会の実現
   偏差値  
   - 勤勉さ,我慢強さ,知識の習得能力,要領の良さ などの潜在
    能力を反映しているものとして見ることができた

学習者自身の自己責任に基づき学ぶ機会と自分で進んでいくこ
    とが求められる社会が出現した 
      = ◎ 学習資本主義社会 

   ※ 過去に習得した知識や技術よりも学習能力が人的資本形成の中核
    になる
      
   
 学習能力が「資本」となる社会  
「自ら学ぶ力」
   =「学習資本」を個人が自分の判断でいかに身に付けるかが社会の
    在り方や人間関係に広く深く関わるようになる
            
   ~ 社会現実とのギャップ 

   ◎ 教育予算,一学級あたりの子どもの数には一切手を付けずに,
    「望ましさ」だけに引っ張られて教育改革が全国一律で行われる
    ことになった

   ◎ しかし,教育予算は最低限    
OPEC平均3.5% 日本は2.7%

   ※ 子ども一人あたりに目を向けることが必要とする教育を求めて
    おいて,そのための基盤整備にはお金を出さないし,時間的余裕
    も与えない
  
 
 格差というしわ寄せと近未来の改革路線
 ※ 家庭の文化的な環境の違いによって,学ぶ意欲にも学ぶ力を身に
   付けるための準備段階に於いても差が生まれる

nice!(162)  コメント(2) 
共通テーマ:学校