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「AD/HD LDがある子どもを育てる本」月森久江 講談社 2008年 ② /「一念一行」 - 『小さな人生論』藤尾秀昭 致知出版社2003年 より⑧【再々掲載 2012.1】 [読書記録 教育]

今回は、3月30日に続いて、月森久江さんの
「AD/HD LDがある子どもを育てる本」2回目の紹介です。



発達障害をもつお子さんの保護者に向けて書かれた本ですが、
支援の仕方の例は、苦手に向き合う上で大変参考になると思います。
特別支援を学ぶのにおすすめの本です。



出版社の案内には、


「学ぶ意欲、自信をもたせる支援の方法とは? 発達障害をもつ生徒と向き
 合っ てきた教育界のエキスパートが学習の取り組み方をはじめ、友だ
 ちづきあい や運動会などの行事といった学校生活全般についての支援
 法を示します。さらに家庭での学習や生活上の注意点など、悩んでいる
 保護者へアドバイス。『困っている子』を理解し、その子にとって本当
 に役立つ支援は何かがわかる、成功例が満載の書です。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「子どもにあった支援の糸口をつかむ
叱るだけではできるようにならない 」
- 特別支援指導にかかわる前と後、大きく変わったと自覚します。


・「チームで支援
  ◎ 子どもの特性を理解する
◎ 教室の環境を整える
◎ 指示や言葉掛け、教材を工夫する
◎ 二次的な問題を起こさない
◎ 明るいクラスをつくる」



LDの特性に合わせた支援の工夫はすぐに取り入れることができます。
支援の仕方の情報を集めることの大切さを感じます。
細かいステップで少しずつ、
できたことを共に喜び合うことを大切にしたいと考えます。




もう一つ、再掲載となりますが、藤尾秀昭さんの『小さな人生論』より、
「一念一行」を載せます。
ブログのアクセスを見ると、『小さな人生論』の記事のいくつかが、
このごろ比較的上位にあります。
人を引きつける話なのだと思います。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「AD/HD LDがある子どもを育てる本」月森久江 講談社 2008年 ②

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◇学校には学ぶチャンスがあふれている(1)

□学校のポイント①

<「どうせできない」とやる気を失っている>

 困っている背景を知る
つまずきの背景を理解する 
 
   → 子どもにあった支援の糸口をつかむ

     ※叱るだけではできるようにならない 
        ◎ イラストを多用



□学校のポイント② 

<チームで支援すれば落ち着いて学習に取り組める>

 情報を集める 
3つのポイント 
     ① いつ
     ② どこで
     ③ だれと


 チームで支援
   ◎ 子どもの特性を理解する

   ◎ 教室の環境を整える

   ◎ 指示や言葉掛け、教材を工夫する

   ◎ 二次的な問題を起こさない

   ◎ 明るいクラスをつくる



◇AD/HD LD(聞く)

<聞くことに集中する練習をさせる>

 楽しみながら「聞く力」を養う
◎ 絵や写真をみるから折り紙を折る

   ◎ 聞き取りゲーム

 ※ 聞き取りゲーム 折り紙



◇AD/HD LD(話す)  

<絵や言葉で「いつ」「だれと」「どこで」>



◇AD/HD LD(読む)  

<ゲームを通じて文字に興味を向ける>

 ◎ 付箋紙を使った言葉を探すゲーム(文字に関心)
物の名前をはるチーム 
      付箋をはる

 ◎ 理解を助ける絵やジェスチャー(文章の意味理解)

 ◎ 漢字カードと読み仮名カードの神経衰弱(漢字の読みを考える)


 学習支援のヒント
   ◎ 配慮プリント
      
   ◎ 行の境目を分かりやすく

   ◎ 単語や文節を区切る

   ◎ ゴシック体、文字を大きく
                  
   ◎ 文末や読み違いやすい単語を目立たせる  



◇AD/HD LD(書く) 

<ゆっくり焦らず正しく書かせる>  

 苦手な背景  
   記憶の面か動作の面でつまずいている
   
   → 手と目の供応運動が重要になる


 つまずきに合わせた教材
 ◎ カードから単語を作る
「で」「ふ」「こ」「ば」→先生が言った字を書かせる

   ◎ 文字の組み立てパズルで学ぶ

   ◎ マスに補助線を引く



◇AD/HD LD(計算する) 

<おはじきや積み木を使い目で見て数を理解する>
        
 つまずきに合わせて支援   
   ◎ 物差しを示す(ものを数える力を育む)

   ◎ おはじき(1~5)をとらえる(数の概念を理解する)

    ↓

     いくつか? 一瞬でイメージ

   ◎ キーワードにマーカー(文章題理解)

   ◎ 箱を使って位を学ぶ(位取り理解)


 学習支援のヒント
   ◎ 位置や方向を示す 
       厚紙カードに 上 下 左 右
→ ドアや黒板に貼る

   ◎ 立体にさわって学ぶ











☆「一念一行」 - 『小さな人生論』藤尾秀昭 致知出版社2003年 より⑧【再々掲載 2012.1】

◇一念一行

 平澤輿氏(京大元総長・故人)より、こんな話を聞いたことがある。


 野口英世が麻痺狂病原体を発見したときの話である。彼は麻痺狂の脳
について、一万枚の顕微鏡標本を作った。


 200枚を一組として50組の標本である。


 これを2人の助手と片っぱしから、検査した。


 しかし、最後の一組になっても、めざす病原体は見つからなかった。


 彼は2人の助手が昼のうちに検査したが無駄に終わったという最後の
一組の標本を家に持ち帰り、夜を徹して検鏡した。


 そして、明け方になって、ついに9995枚目の標本に、探す病原体を見
出した。


 その瞬間、野口英世はかっぽれを踊り出し、見ていた妻は野口の気が
ふれたのではないかと思ったという。


 一万枚の標本を仮に作っても、普通の人なら、5、6千も標本を見て、
探すものがなければ、それであきらめてしまう。


 野口は文字どおり、最後まで一枚もゆるがせにせず、検査した。


 野口の一念一行のすさまじさを物語るエピソードである。


 一念一行 - 一念を持ち、それを実現すべくひたすらに行じ続ける。 


 別に、大きなことでなくていい。


 その持続は、人生に確かな花を咲かせてくれることは事実である。


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