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石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ④ /「みんなで一緒に貧しくなろう」齋藤貴男対談集 かもがわブックス  2006年 ②(後半)【再掲載 2012.10】 [読書記録 教育]

今回は、5月6日に続いて、月刊誌『致知』2003年12月号より、
石井勲さん「石井式漢字学習」の紹介 4回目です。


『致知』での小堀桂一郎さんとの対談です。


わたしには、これはどうかなと思うような表現も多いのですが、
お二人の考え方を知ることができました。

早期に知能を高めることだけがそんなに大切なのかなあと、
わたしは考えてしまいました。




もう一つ、再掲載となりますが、齋藤貴男さんの対談集、
「みんなで一緒に貧しくなろう」②を載せます。





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☆石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ④

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◇怨望の支配する日本の教育

小堀 
  これは子どもには難しいだろうからまだ教えずにおこうという考
 え方。これはどこからくるのかと言いますと、一種の人間蔑視、人
 間軽蔑が根底にあるのです。

  そしてそれは、やっぱり左翼的人間の持つ、世界に向けての怨み
 つらみの情念からきているのです。


石井 
  なるほど。


小堀 
  福沢諭吉の『学問のすすめ』の第13編に「懇望の人間に害ある
 を論ず」という重要な論文があります。怨望というのは要するに嫉
 妬の情ですが、嫉妬が、自分より優れた人と同等になりたいという
 向上心に結びつかないで、優れた者を引きずり下ろすことによって
 平等を実現しようとする、徹底的な負の情念として働くものをいい
 ます。

  これが人間にとっていかに有害であるかということを福沢先生は
 非常に熱を込めて論じているわけです。

  いまの教育を見てみますと、あらゆるとてろに怨みつらみの情が
 支配していますね。
 
  これは、自分の子どもの小学校時代の学校参観等でよくわかりま
 した。いまの教育は、ちょっとでも抜きん出た者をすぐ押さえるの
 です。

  他人より傑出することは、不徳であり、善ではないのだそうです。
 例えば作文を提出させると、字の好きな子どもはどんどん自分の覚
 えた字を書きます。
   
  そうすると先生は、「この字はまだ教えていないはずだ」と言って
 叱るのです(笑)。
 
  これは、どうやって人の足を引っ張って水準を落とすか、水準を
 落とすことによって自分の不満を解消するという、不毛の情念から
 発しているのです。


石井 
  せっかく伸びてきた牙を摘んでしまうんですね。


小堀 
  これは恐ろしいことです。
  
  昔は、クラスの中で傑出している子、例えば字をたくさん知って
 いる子がいますと、みんながその子のところに字を聞きに集まって
 人気者になったものです。
 
  いまは逆で、「俺たちの知らないことを知っていやがる」と、い
 わゆるいじめの対象になります。これは、実は日教組系の教師がそ
 ういう雰囲気をつくっているのです。
 
  つまり人から抜きん出ることを許さない。少しでも傑出したら引
 きずり落とす。まさに懇望ですね。

  文部科学省の某氏が主唱したゆとり教育というのは、実はその懇
 望の情念の発露なのです。
   
  そうなると、抜きん出ることで怨みつらみを買うよりは、何も知
 らないその他大勢の中に入っていたほうが気が楽だということにな
 る。
 
  こういう風潮が支配している限り、国語に限らず、日本の教育に
 将来はないと思います。日本の教育の最大、かつ最も深刻なる問題
 点は、人に抜きん出て優れた者をおとしめるという懇望の情念に市
 民権を与えてしまったことです。



◇漢字でIQが高くなる

石井 
  人を引きずり落とすことを考えるより、教育の仕方を改めれば、
 誰でも学力は伸ばせるんです。私が小学校で14年間実験してわ
 かったことは、一年生が一番記憶力がよくて、漢字をよく覚える
 ということでした。

  そして、学年が進むにつれて記憶力は衰えてくんです。
   
  ちょうどその頃、大脳生理学の時実利彦先生がご著書に「記憶
 力は幼児期が一番優れている」と書かれているのを読みましてね。
 私はそこで、幼児はもっと漢字を覚えるに違いないと考えて、幼
 稚園で教えてみたんです。
   
  そうしたら、やはり幼児のほうが吸収力がいいんです。そして
 幼稚園でも一番下の三歳児の記憶力が最もいいので、昭和38年
 に著書を通じて、「漢字教育は3歳から」と提唱したんです。
   
  また、この実験を通じて、漢字教育を受けた子どもは知能が高
 くなることや、始める時期が一年早まるごとにIQが十も高まるこ
 ともわかったんです。それで漢字教育には知能を高める何かがあ
 ると考えて研究をしたわけです。その結果、先ほど小堀先生がお
 っしゃいましたが、漢字が構造的・体系的にできているところに
 秘密があったんです。
   
  それはどういうことかと言いますと、例えば「みる」という言
 葉には、「見」「観」「視」などいろいろありますね。「看護婦」
 の「看」というのは、上に「手」という字の変形したものがつい
 ています。
  
  だから「目」の上で「手」をかぎしている姿、遠くを見ている
 様子を表しているんです。ですから、見ようと努力して見る時は、
 この「看」を使わなければいけない。それから、「見」という字
 は「人」と「目」との合成なんです。ということは、目の人にお
 ける働きを表したのが「見」。つまり目の働きとして見る。だから
 たとえば、「窓を開けたら富士が見えた」。これは「見」でなきゃ
 ならない。なぜなら、窓の外にある富士山が自然に目に入ってき
 たからです。
   
  つまり言葉を使うためには、言葉をそれからそれを表す漢字を
 選ばなければならない。


小堀 
  ということは、仮名で「みる」を教えていたのでは、日本語の
 表現力の多様性・機能性を理解できないということになりますし、
 子どもが漢字を覚えながらその構造を学んでいくことは、想像力
 を養うのに一番いい訓練になるということですね。


石井 
  そうなんです。それが知能を高めるんです。


小堀 
  それを、漢字は難しいから仮名で書かせるという教育をしてし
 まうと、子どもの想像力の発達を阻害してしまうことになる。

  ところが、これがわかってないのが歴代の文部省の役人と、そ
 の系統の教育学者たちですね。これを打破しない限り、日本の教
 育の将来はないですよ。









☆「みんなで一緒に貧しくなろう」齋藤貴男対談集 かもがわブックス  2006年 ②(後半)【再掲載 2012.10】 

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◇ジャーナリズム・管理社会編
1 日本はなぜ物言う弱者を憎むようになったのか
                対談:辛淑玉(しん すご)
  弱者バッシングの典型が起こった
    イラク人質家族バッシング

 無知であることが楽な日本社会

ネットが差別等暴力を増長させている
   強者に付くことが生き延びる術

異論を封じ込める社会構造がある
   子どもたちは 
   → 自分の頭で考える

 弱者バッシングを減らすためには
◎「経済は強い者が勝つに決まっているのだから,そこは政治で
    バランスを取らなければ行けない」
『怒りの方法』岩波新書
 「金持ちだけは自由に金が増えるのだけれど,貧乏人はます
     ます選ぶメニューがなくなっていく」
→ メニューを少しでも良いものに


2 ジャーナリズムは再生できるか  
             対談:大塚将司(日本経済研究センター)
 朝日新聞虚偽メモ事件をどう見るか 
   進むサラリーマン化

取材時の録音は許されるか  
   建前を逆手に取られる新聞

郵政民営化問題の本質   
   首相のウソをなぜ指摘しない

新自由主義と新聞  
   理念をどう回復するか

日本のジャーナリズム
  = 権力のプロパガンダ機構


3 記者は呻吟,葛藤しているか  
               対談:岡本厚(「世界」編集長)
米メディア戦略に学んだ小泉自民党 
   リストラするほど「景気よくなる」

リアリティなき内向きな保守言論
   肉体的な活動を敵視,潰す発想

ちゃんと伝える沖縄のメディア
   ミスリードするためにある新聞

NHK,お上のものではない公共性

「帝国主義の臣民」が国家にとっての理想
 
 
4 情報化社会は人を自由にするか  
                    対談:吉岡忍 
消費されるだけの情報 
   歴史認識は教養の問題

ネットに接続しない自由
   JR西日本 - 日勤教育のひどさ

差別化と管理下にどう立ち向かうか



◇差別的教育改革編

1 オリンピックで考える国旗国家との付き合い方 
             対談:吹浦忠正(東京財団常務)
 いつ「日の丸」はつくられたのですか

 『続日本紀』金と銀,陰と陽 ?
武将の時代ではないか

 東京五輪と長野五輪で「日の丸」が違う
武将 ~ 自分たちが正統と日の丸を錦の御旗に!
1876年 明治政府 太政官布告で日の丸制定

 「そこはかとなくある」べきものでは?
  君が代
      ジョン・ウィリアム・フェントン(イギリス)に作曲を依頼
フェントンが作った外国系の雅楽に林広守が手を加えた

 石坂啓(漫画家)
  「アメリカがジャイアンで,日本はスネ夫だ」

 寛容さがあれば本来は好かれるはず
アルベールビル五輪から変わった 
   全く新しいものをつくることができるか
国旗を知ればもっと世界がよく見える


2 教育の私物化に抗え
              対談:佐藤広美,山田功「教育」
空疎な石原慎太郎 江藤淳の石原評
「思想に対する義務から政治に赴いた。イデオロギーや思想に
   ほとんど一顧の価値も認めない」

 陰影が一切ない 
   石原「他人を見下す」ことが行動原理

強い大国意識による危機感
他者や弱者を見下す石原慎太郎

 なぜ石原が支持されるのか
   企業の現場
    - 成果主義の果てに

 東京都の日の丸君が代攻撃

 新自由主義の優勝劣敗思想 
  「教師は民間企業にコンプレックスをもつ必要がない」

 強い犯罪政策と従順の養成
小泉・石原
    「貧乏人のくせに余計なことを考えて勉強するんじゃない」

 やせ我慢を
  - 本当の信頼


3 ゆとり教育は「理想」か「平等破壊」か  
                      対談:宮崎哲弥
 教育力こそが国力? 
   私立重視政策   
   学習指導要領は最低要求

新自由主義的教育改革  
   学歴社会は壊れるか

兵隊と工場労働者の教育
   次世代の公教育とは?
    → 地域コミュニティ


4 現場から考える教育基本法  
             対談:野田正彰(関西学院大学教授)
この社会に生きるための教育  
   ある価値観を染め上げる教育

社会的抑圧と精神疾患 
   新自由主義の価値観とコンフリクトフリー

クラッシュするまで逃げられない構造

 通達と命令による教育行政のすさまじさ
尾道市教委 
      1年間に通達文書1567件 
      370件に報告義務

 保護者,現場の教師は何をすべきか 
   法を学ぶ者へ



◇「衛生プチ帝国論」編

1 政治家になるべきでなかった作家-石原慎太郎研究  
                  対談:佐野眞一
 戦後50年間出突っ張り 
   父・石原潔 山下汽船に  
   小心さ
江藤淳 「無意識過剰」

 梶原一騎との違い 
   新自由主義,差別主義

 使い勝手のいい男  
   極右グループ - 中川昭一,安倍晋三


3 国と国民,この距離感のなさ  
                  対談:香山リカ
 戦後50年をチャラにする
  「自分はそっち側の人間じゃない」

「勝ち組」の利益を守るのが「国益」か?

 戦争と個人のけんかは違う
   戦争になったらただの駒


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