月刊「少年育成」より ⑪-「木陰の物語 第29話『飛べない日々』」 団士郎 /「大きな学力」寺内義和 労働旬報社 1997年 ①【再掲載 2015.8】 [読書記録 教育]
今回は、6月1日に続いて、
キーワード「月刊『少年育成』」より11回目の紹介です。
今回は団士郎さんの連載『木陰の物語』からです。
まとめたものが、ホンブロック社から出されています。
出版社の案内には、
「カウンセラーとして、30年間で1000家族との面談をしてきた著者。
家族について、じっくりと考えたい人に読んでいただきたい、 あた
たかい本ができあがりました。
公立児童相談機関で25年間、家族を対象にしたカウンセラーとして
活動した著者・団士郎がつづる家族の物語、16編。
その経験から出会った家族の豊かなエピソードを、読みやすい漫画エ
ッセイで紹介します。
家族をもつすべての人に。子どもに関わる仕事に就いている人に。人
生の分岐点に立つ人に。
これまで見過ごしがちだった『家族』という形をいま一度振り返るた
めの、大人のための練習問題。力を抜いて、ページを開いてみてくだ
さい。
コラム寄稿は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さん、映画作家の
大林宣彦さん、デザイナーのセキユリヲさん。」
とあります。
- 「頑張ってきた人が責められている。」
- 「そういう人達がみんな、今日も黙って働いている。」
読んでいて辛くなる文章です。
責めること以外にできることは何でしょうか。
妹さんや弟さんにできることは何でしょうか。
「大変だけれども頑張っているね。ありがとう。」?
「困っているようだね。何か力になれることはない。」?
このような難しい問題が、以前より広く聞かれるようになりました。
もう一つ、再掲載となりますが、寺内義和さんの
「大きな学力」①を載せます。
- 大きな学力
よい言葉だなと思います。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆月刊「少年育成」より ⑪-「木陰の物語 第29話『飛べない日々』」 団士郎
五十歳近い独身の長男が病身の両親、ことに父親に辛くあたる
「腕が痣になっていたりして、あれは虐待よ」
ヘルパーで入っている人が、何とかならないものかと訴えているなど
と聞こえてくる。
私が相談を受けたわけではないが聞こえてしまうので、頭の中で見思
いめぐらす。
それなら決断できなかった親子、どっちもどっちだ。
ひょっとして長男には、傷害か病気でもあるのか?
仕事は何をしてるんだろう?
どうやって家計は成り立っているのか?
疑問がふくらみすぎたので、
「ちょっといい?」
と話しかけた
七十代半ばの両親と四十八歳の長男。
三人家族だったが男は就職をして、結婚して家を出ている。
妹も短大卒業後、就職で家を出て結婚。
その後離婚していたが、現在は市内にマンションを借りて一人暮らし
をしている。
「ご両親はどうされたの?病気って?」
母が脳梗塞で倒れたのは六十代の前半。
現在、自分のことぐらいはできる状態だという。
父が脳溢血で倒れたのは七十歳。
半身マヒが残って車椅子使用。
リハビリを言われても、なかなか聞き入れようとしない。
長男は高校卒業後、市役所に勤務。
両親が、思うように動けなくなった今、兼業農家の主である。
当時から農家の嫁に行ってもよいという女性は少なかった。
弟妹は家を出ることと交換にそれぞれ学校を卒業させてもらって独立
した。
跡取りの長男が、独身のまま残された。
市役所に勤めて30年、
不本意もいっぱいあったに違いない
相続するより気軽に出ていける弟妹を羨ましいと思ったこともあった。
母親が倒れて十年。
頑張ってきた人が、ヘルパーさんに「虐待だ!」と言われている。
父親には元気でいてもらいたかったに違いない。
病で倒れた側も大変だが、長男にもやり場のない苦悩だっただろう。
その父親が車椅子に頼り、世話してくれる人に頼り切ろうとした。
もう一度父親が、自分のことは自分でできるようにと長男は厳しくし
た。
それを弟妹からも虐待だと言われた。
そうなのかもしれない。
しかしなあとも思う。
頑張ってきた人が責められている。
わかってもらえることの少ない、選べなかった日々を過ごす人が
たくさんあるにちがいない。
そういう人達がみんな、今日も黙って働いている。
☆「大きな学力」寺内義和 労働旬報社 1997年 ①【再掲載 2015.8】
◇寺内義和
愛知 私学運動家
桜丘高校教諭(豊橋市)
◇群像
佐治(南山)
「感動には辛さが必要である」
山元延春(大工)27歳で名大合格
10代で両親失う
中学時代 音・技が2でその他教科は1
15歳で工務店に
22歳 アインシュタインのビデオ
→ 豊川高定時制に入学
教師実験助手を薦める
アインシュタインのテレビ番組を見ただけで強烈な触発
教師
「名馬は常にあれど,伯楽は常には無し」
桜丘高校
「挫折入試」ヒューマン入試
安城学園
「校務は短く,道楽は長く」
しなやかな感性と行動力の教師集団
シスター・アンジェラ
聖霊学園
受け入れなさい = あるがままに認めよ
甘やかすこととは違う
一番厳しいことを迫るため
「何をしたかではなく,なぜそうしたかを重視しなさい」
「この子にとっての最善とは何か」
西村耿也
修徳学園組合運動
ナチ党員
全財産をなげうちユダヤ人救出
なぜシンドラーが覚醒したか
ユダヤ人パートナーシュラルンの人間性
有森裕子
北海道マラソン
「生きているからこそ苦しめる」
◇大きな学力
「人間力」
= 時代が求める人間力
大きな学力の基本要件
①目標をつくり,それを追求する力
②生きた知識・経験・技術・体力
③深い関係をつくる力
◇時代
「危機の時代」
「関係断絶の時代」
「まさかの時代」
∥
◎ 人間は自然とのかかわり人間とのかかわりなしに生きていけない
その関係が断絶してきた
木谷正道(都職員研修所課長)
今人類生存の基本条件が失われつつある
①地球環境の問題
②国家が解体
③社会の崩壊・心の崩壊
|
◎ これだけ消費しても幸せ感は下がっている
キーワード「月刊『少年育成』」より11回目の紹介です。
今回は団士郎さんの連載『木陰の物語』からです。
まとめたものが、ホンブロック社から出されています。
出版社の案内には、
「カウンセラーとして、30年間で1000家族との面談をしてきた著者。
家族について、じっくりと考えたい人に読んでいただきたい、 あた
たかい本ができあがりました。
公立児童相談機関で25年間、家族を対象にしたカウンセラーとして
活動した著者・団士郎がつづる家族の物語、16編。
その経験から出会った家族の豊かなエピソードを、読みやすい漫画エ
ッセイで紹介します。
家族をもつすべての人に。子どもに関わる仕事に就いている人に。人
生の分岐点に立つ人に。
これまで見過ごしがちだった『家族』という形をいま一度振り返るた
めの、大人のための練習問題。力を抜いて、ページを開いてみてくだ
さい。
コラム寄稿は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さん、映画作家の
大林宣彦さん、デザイナーのセキユリヲさん。」
とあります。
- 「頑張ってきた人が責められている。」
- 「そういう人達がみんな、今日も黙って働いている。」
読んでいて辛くなる文章です。
責めること以外にできることは何でしょうか。
妹さんや弟さんにできることは何でしょうか。
「大変だけれども頑張っているね。ありがとう。」?
「困っているようだね。何か力になれることはない。」?
このような難しい問題が、以前より広く聞かれるようになりました。
もう一つ、再掲載となりますが、寺内義和さんの
「大きな学力」①を載せます。
- 大きな学力
よい言葉だなと思います。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆月刊「少年育成」より ⑪-「木陰の物語 第29話『飛べない日々』」 団士郎
五十歳近い独身の長男が病身の両親、ことに父親に辛くあたる
「腕が痣になっていたりして、あれは虐待よ」
ヘルパーで入っている人が、何とかならないものかと訴えているなど
と聞こえてくる。
私が相談を受けたわけではないが聞こえてしまうので、頭の中で見思
いめぐらす。
それなら決断できなかった親子、どっちもどっちだ。
ひょっとして長男には、傷害か病気でもあるのか?
仕事は何をしてるんだろう?
どうやって家計は成り立っているのか?
疑問がふくらみすぎたので、
「ちょっといい?」
と話しかけた
七十代半ばの両親と四十八歳の長男。
三人家族だったが男は就職をして、結婚して家を出ている。
妹も短大卒業後、就職で家を出て結婚。
その後離婚していたが、現在は市内にマンションを借りて一人暮らし
をしている。
「ご両親はどうされたの?病気って?」
母が脳梗塞で倒れたのは六十代の前半。
現在、自分のことぐらいはできる状態だという。
父が脳溢血で倒れたのは七十歳。
半身マヒが残って車椅子使用。
リハビリを言われても、なかなか聞き入れようとしない。
長男は高校卒業後、市役所に勤務。
両親が、思うように動けなくなった今、兼業農家の主である。
当時から農家の嫁に行ってもよいという女性は少なかった。
弟妹は家を出ることと交換にそれぞれ学校を卒業させてもらって独立
した。
跡取りの長男が、独身のまま残された。
市役所に勤めて30年、
不本意もいっぱいあったに違いない
相続するより気軽に出ていける弟妹を羨ましいと思ったこともあった。
母親が倒れて十年。
頑張ってきた人が、ヘルパーさんに「虐待だ!」と言われている。
父親には元気でいてもらいたかったに違いない。
病で倒れた側も大変だが、長男にもやり場のない苦悩だっただろう。
その父親が車椅子に頼り、世話してくれる人に頼り切ろうとした。
もう一度父親が、自分のことは自分でできるようにと長男は厳しくし
た。
それを弟妹からも虐待だと言われた。
そうなのかもしれない。
しかしなあとも思う。
頑張ってきた人が責められている。
わかってもらえることの少ない、選べなかった日々を過ごす人が
たくさんあるにちがいない。
そういう人達がみんな、今日も黙って働いている。
☆「大きな学力」寺内義和 労働旬報社 1997年 ①【再掲載 2015.8】
◇寺内義和
愛知 私学運動家
桜丘高校教諭(豊橋市)
◇群像
佐治(南山)
「感動には辛さが必要である」
山元延春(大工)27歳で名大合格
10代で両親失う
中学時代 音・技が2でその他教科は1
15歳で工務店に
22歳 アインシュタインのビデオ
→ 豊川高定時制に入学
教師実験助手を薦める
アインシュタインのテレビ番組を見ただけで強烈な触発
教師
「名馬は常にあれど,伯楽は常には無し」
桜丘高校
「挫折入試」ヒューマン入試
安城学園
「校務は短く,道楽は長く」
しなやかな感性と行動力の教師集団
シスター・アンジェラ
聖霊学園
受け入れなさい = あるがままに認めよ
甘やかすこととは違う
一番厳しいことを迫るため
「何をしたかではなく,なぜそうしたかを重視しなさい」
「この子にとっての最善とは何か」
西村耿也
修徳学園組合運動
ナチ党員
全財産をなげうちユダヤ人救出
なぜシンドラーが覚醒したか
ユダヤ人パートナーシュラルンの人間性
有森裕子
北海道マラソン
「生きているからこそ苦しめる」
◇大きな学力
「人間力」
= 時代が求める人間力
大きな学力の基本要件
①目標をつくり,それを追求する力
②生きた知識・経験・技術・体力
③深い関係をつくる力
◇時代
「危機の時代」
「関係断絶の時代」
「まさかの時代」
∥
◎ 人間は自然とのかかわり人間とのかかわりなしに生きていけない
その関係が断絶してきた
木谷正道(都職員研修所課長)
今人類生存の基本条件が失われつつある
①地球環境の問題
②国家が解体
③社会の崩壊・心の崩壊
|
◎ これだけ消費しても幸せ感は下がっている