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月刊「少年育成」より ⑫-連載『木陰の物語』より 第32話「団遊」 団士郎 /「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ①【再掲載 2016.7】 [読書記録 教育]

今回は、6月4日に続いて、
キーワード「月刊『少年育成』」より12回目の紹介です。


今回も団士郎さんの連載『木陰の物語』からです。
まとめたものが、ホンブロック社から出されています。


出版社の案内には、

「カウンセラーとして、30年間で1000家族との面談をしてきた著者。
 家族について、じっくりと考えたい人に読んでいただきたい、 あた
 たかい本ができあがりました。
 公立児童相談機関で25年間、家族を対象にしたカウンセラーとして
 活動した著者・団士郎がつづる家族の物語、16編。
 その経験から出会った家族の豊かなエピソードを、読みやすい漫画エ
 ッセイで紹介します。
 家族をもつすべての人に。子どもに関わる仕事に就いている人に。人
 生の分岐点に立つ人に。
 これまで見過ごしがちだった『家族』という形をいま一度振り返るた
 めの、大人のための練習問題。力を抜いて、ページを開いてみてくだ
 さい。
 コラム寄稿は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さん、映画作家の
 大林宣彦さん、デザイナーのセキユリヲさん。」

とあります。




- 「運」の扉は、強く願って 叩き続けた者に先に開くぐらいの
 公平さは持っていると信じている


上の「ホンブロック」の社長さんが 団遊さんです。

このような父親になりたかったのですが‥





もう一つ、再掲載となりますが、清水義範さんの
「今時の教育を考えるヒント」①を載せます。
- 真面目で変に情熱的‥
わたしにあてはまるようです。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

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☆月刊「少年育成」より ⑫-連載『木陰の物語』より 第32話「団遊」 団士郎

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◇木陰の物語 「団遊」第32話 団士郎

 大学4年生の夏、長男に
 
「話を聞いて欲しい」

 と言われた


 息子が何かを書いているのを


 見た記憶がなかった


 思わず、

 「おまえ、漢字ちゃんと知ってるか?」

 と口走った


 予想もしない話だったが、当てにならない他人の評価やコネを頼って、
今我慢すれば未来が拓けるなどと信じたがっている人が好きではない


 私自負、一年浪人の上、一年留年と大学卒業に六年間もかかった。


 おまけに就職も決めないで卒業したのだから、

 今考えるとずいぶんいいかげんな奴だった


 私は常々、やりたいことがあるのに他のことをしている人に、

 幸運が舞い降りることはないと思っている。


 とくに若者がそんな風にしているのは、

 チャンスを潰しているように見える


 だから現役で卒業予定の息子に、

 もう一年間、浪人か留年をされたつもりで

 授業料分の費用を出してやるといった


 当時、次男も私立大学在学中だったから、公務員一人の給料袋で

 やりくりする我が家に、けっして軽い負担ではなかった


 ただし、それを持って家を出ろ


 そしてもしお前に可能性があるなら、その金の続く間にチャンスを


 つかめと言った



 何かやりたいことがあると言いながら、


 ずるずると二十代を過ごしてしまう。


 若者が可哀相に思えてならない


 そうさせてしまう親の方針のなさにも


 苛立ちがある


 なにごとにも期限があるのは、人間に寿命があることを


 見えば分かることだ


 こうして息子は大学卒業と同時に家を離れ、


 大阪近郊の都市に小さな部屋を借りて暮らしはじめた


 そして編集の夜間教室に籍を置いた。


 昼間は市立図書館で書きものをして、


 夜にはそれをパソコンに入力しながら校正し、


 プリントアウトした作品を履歴書と共に


 あちこちに送った


 そんな方法でチャンスがつかめるものかどうかは分からなかった


 食事は極力切りつめて出費を押え、

 腹が減ると週末、親元に栄養補給に戻ってきた


 それでも家賃と最低生活費、持ち金はどんどん減っていった


 しかしアルバイトはしなかった


 才能の有無も分からない若者が、生活のために


 多くの時間をアルバイトに費やしていて、


 なおチャンスに恵まれるかもしれないなどという考え方を


 信用していない


 目いっぱい集中しても、


 果たして才能があるのかどうかなど分からない


 もしだれかにその片鱗を発見してもらえるとしたら、


 ひたすらそれに励んでいる姿しかなかろうと思っていた


 調理法を色々工夫して今週はキャベツで一週間過ごしたなどと笑っていた


 そして一日の大半を書きたいと思ったことを


 書いて過ごした


 ある時、

「親に大学まで出して貰って、甘いこといってんじゃない!」

 と、なかなかうだつの上がらない同業年長者から批判されて落ち込んだ


 弱気になって、珍しく泣き言をいってきた


 そんなある日、送り続けていた雑誌社の一つから電話がかかってきた。


 編集長の気まぐれのようなものだった


 いつも原稿を送ってくるおまえさんなぁ、


 団遊ってこれ本名か?


 はい、父が付けた名前です!


 それならこの履歴書の写真はなんや?


 この名前ならブリクラくらい貼ってこんかい。


 ホンマに持ってきよったか!


 なんの予定もなかったから、翌朝直ぐに動けた。


 そして、ここから運が開けていくことになった


 いつ、何によって運が開けるのかはだれにも分からない。


 しかしその扉は、強く願って


 叩き続けた者に先に開くぐらいの


 公平さは持っていると信じている











☆「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ①【再掲載 2016.7】
 
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◇教育を大きな視点で考える
われわれは日々学習している。教育を受けている。

  フォーク並び,都会での歩き方
    = 今という時代の教育を受けている

◎ 誰しも教育を受けている存在であり,同時に教育している存在である


 学校教育の悪口を言っていれば「いい教育論」だということではない。



◇教育業界という奇妙な世界
「世間知らずが顔つき合わす,狭くて小さな社会ではないか」
   全員がひとつの小さな社会にぐちゃっと寄り集まっている。

  愛知教育大学 
   ・あのくらいの成績で入れる大学
 ・小さい時からわりに勉強熱心だったタイプの人間が多い
 ・どちらかというとおとなしく真面目な奴が多い
 ・変に情熱的

  普通の先生はごっつい普通
 ◎ 先生にバラエティがないことを寂しく感じている


「あのタイプの人間が先生になり,あのまんま自負を持ってやっていく
   わけか…」



◇若者の問いに大人として答える
「ひとに迷惑をかけなくても,覚醒剤と援助交際はダメなのだ」

 法律に違反するから
 - 法はわれわれが決めたもの
     
 男女の性関係を取引するから
 - 婚姻を崩壊させる



◇新聞の教育談義を眺めれば
「子供と教師の対立から浮かぶ,悲しくて末期的な学校の姿」

 ◎ 何でみんなそんなにイライラしているのか?



◇荒れる子供たちの原因
「キレる子供たちの陰には現代社会のイライラが潜んでいる」

 教育について 
   ① 厳しい教育の必要性を説くグループ
② 社会全体だというグループ

 ◎ われわれのイライラの正体は何か?

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