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「日本の人生行事 人の一生と通過儀礼」宮本常一 八坂書房 2016年 ②(後) /「戦後の日本の子ども観を見直す」 明石要一 明治図書 1995年 ②【再掲載 2013.9】 [読書記録 民俗]

今回は、8月28日に続いて宮本常一さんの
「日本の人生行事 人の一生と通過儀礼」2回目(後半)の紹介です。




出版社の案内には、

「暦のなかに年中行事があるように、人の一生には人生行事がある。安産祈
 願・産湯などの出産儀礼、初宮参り、成人祝、結婚、還暦以降の長寿祝な
 ど古来から続く通過儀礼、そして元服や若者組、隠居制度などの失われつ
 つある習俗……。厄年や病気にまつわる民間療法・まじないをも加え、忘
 れられた日本人の一生を俯瞰する。 」

とあります。






今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「帯祝 もとは長子のみ」


・「宮参り 33日目 産土神へ参り、神主に魂を入れてもらう」


・「誕生についての習俗                               
双子  ツル・カメ  マツ・タケ
   上の子はすぐに捨てに行く風 → 弟が兄に」


・「年々の死者の半数は童子・童女
  全般的に見れば、生まれた者の半数は五歳までに死んでしまった」


・「臨終時 寺へ報せは2人、昼でも提灯」
- わたしの地域では、未だに寺への知らせは二人行っています。




もう一つ、再掲載となりますが、明石要一さんの
「戦後の日本の子ども観を見直す」②を載せます。
自分の子供時代を思い出します。


昨日は2学期の初日でした。
半日勤務のわたしでも大変疲れました。
子どもたちに笑顔が多く見られほっとしましたが、
どれほど疲れたかと想像しました。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「日本の人生行事 人の一生と通過儀礼」宮本常一 八坂書房 2016年 ②(後)
     
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◇人の一生 山口県東和町
 
□産育習俗                                      
 安産の信仰  
   神からの授かりもの
     (性交しても子のできない者、死産流産が少なくなかった)    
   好縁 ~ 淡島様  赤石様                    


 帯祝     
   もとは長子のみ
   

 出産     
   死産 - 産室の床下に埋め、その上に丸い石を置いた
   座産 - 後産(えな)は床の下に埋めた
   

 名付け    
   名付け親                             


 髪洗い    
   九日目 昼食
   

 拾い親    
   丈夫に育てたい - 形式的に捨て、拾う
   捨松、捨吉という名
   

 宮参り    
   33日目 産土神へ参り、神主に魂を入れてもらう


 子の産土   
   もちを嫁の里の親戚に配った
   重箱に麻か手ぬぐい
   

 食い始め   
   100日目 
   嫁の里の祖父母が茶碗や箸
   

 名びらき   
   春 親戚 - 泥人形 → 市松人形
   ごちそう                           


 誕生祝    
   餅をついて配る                          


 誕生についての習俗                                 
双子  ツル・カメ  マツ・タケ 
   上の子はすぐに捨てに行く風 → 弟が兄に
   初申し


 子供時代
   子守  
   紐おとし
                                    

 トウケの祝い  
   十歳の峠 安心                         
   

 ヘコ祝い    
   小若衆に                            


 小若者宿    
   子供行事の虫送りや亥の子などの世話
 

 元服                    
元服  
     元服親を決める
名前の付け替え  
    右衛門・左衛門・兵衛・丞・助・介


 若者・娘
若衆宿・若衆組  ~25歳


 結婚
適齢期  
    条件 △悪い病気、憑き物筋(犬神蛇神)、未解放部落
        同年者の結婚、年齢差が偶数(二つに割れる)→もらい
   

 結婚   
   輿入れ    


 離婚(一割) 
   結婚と出稼ぎ 
   結婚生活の維持
   

 夫婦共稼ぎ 


 隠居
隠居家に入る 杓文字渡し


 年祝・厄年
 

 病気・呪  
   年々の死者の半数は童子・童女
   夏 疫痢・ハシカ・疱瘡   冬 かぜ
     ~ 全般的に見れば、生まれた者の半数は五歳までに死んでしまった    
   子供 - ひきつけ 疳の虫  ← 虫封じの呪い
大人 - 胃腸病  癪(しゃく) 癪の虫
老年期- 中風
風土病 
     破傷風 
     湿田-菌が傷口から
 

 医者  
   世襲
 

 薬屋  
   置き薬屋  明治末 ~ 生薬屋
灸すえ、石風呂
 

 石風呂
   横穴式石室に近い  東和町には18
村人が供出
 

 臨終  
   家の材の上に上がり、瓦を一枚めくり、西の入口の方を向いて、
  「かえせや、もどせや」と力の限り
 |
井戸の中をのぞきながら
     「かえせや、もどせや」
魂よばい
寺へ報せ  
     2人、昼でも提灯
死者  
     枕北 布団の上に刃物 上を猫が越えないように
枕飯を炊く  
     昔は玄米

◎ 枕経
 

 葬制・墓制
墓石の発達は元禄以後~

~P84「人の一生」まで










☆「戦後の日本の子ども観を見直す」 明石要一 明治図書 1995年 ②【再掲載 2013.9】

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◇戦後第Ⅰ期(1945~1959)年中行事中心期
(3)年中行事を単位とした子供の生活サイクル
    月刊漫画とラジオがメディアの中心
  小遣いは年中行事にあわせて貰った                 
     日常ではお駄賃としてお釣りを貰っていた
       (週刊漫画-小遣いが月極め)
紙芝居も


地域や遊び集団に限定
地域の特性,遊びの集団の絆
ギャングエイジを体験した遊び集団

    小林
      ① 同性による五人前後の集団
② 閉鎖的でメンバーの入れ替えが容易ではない
③ 役割分担,リーダーシップの分化が見られる構造化が存在する
④ 秘密の遊び,禁じられた遊び,冒険遊びを特徴とする
⑤ 集団の凝集性を高めるもの 名前・バッジなど
⑥ 外部に対して闘争的でかつメンバーに対しては保護的に働く


(4)自叙伝から見た当時の子供の生活
 「最後のガキ大将」(フレーベル館 1986 はらたいら )
「親父の少年時代」(かや書房 1981 遠藤ケイ)

日が暮れるまで外で群れ遊び
  お正月・お盆・夏祭り・秋祭り・遠足・運動会

   ◎ 地域と家庭,学校の三つの機能が程良く釣り合っており,生活のサイ
    クルも緩やかで子供にとって「子供時代」が体験できる。



◇戦後第Ⅱ期(1960~1975)月単位サイクル
□阿部進の「現代っ子」
 ① 世の中を変えていく可能性を持つ  親の言いなりにならない
② 今の社会の約束事を身につけている 決して優等生ではない
③ 自分の生き方は自分で決める 自分に自信を持ち我が道を歩もうとする
④ 要求を突きつける子供
⑤ 変わり身の速さを身につける
私の利益 ぼくの利益


□小川太郎の子供観
1952「日本の子供」金子書房  1960「新版日本の子供」
時代の中の子供 
   ①基本的生活 
   ②労働 
   ③遊び 
   ④学習
 

□授業派教師 
 1956(昭和31)デモ・シカ先生(永井道雄)

斉藤喜博
   1960(昭和35)「学校づくりの記」「授業入門」

  ◎ 授業の工夫の中で
◎ 教材解釈と授業展開に工夫

 板倉聖宜
   1965(昭和35)「仮説実験授業入門」
テキスト
     <問題-予想-討論-実験>

  自分から参画
  

□都会派教師 阿部進
 

□全生研教師
   「仲間づくり,集団づくり,学級づくり」具体化
大西忠治 
   1963(昭和38)「核のある学級」
農村派+授業派
集団づくりを通して社会変革を目指した
国語の科学的読み方提案

  
□「月」を単位とした子供の生活サイクル
都市化
週刊漫画とテレビがメディアの中心
月極小遣い
  全国的規模の流行現象 
    ダッコちゃんブーム(1960)
怪獣人形・リカちゃんブーム(1966 1967)
  スーパーカー・インベーダーブーム(1977)
ファミコン(1985)
◎ 群れ遊び衰退の兆し 
   「テレビっ子」「疑似体験」

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